松木です。
『ロードバイクの作法 やってはいけない64の教え』を読みました。
発売前に紹介した「竹谷賢二さんの経歴」と
「この本の内容」についての記事です↓
引き算で強くなる!『ロードバイクの作法 やってはいけない64の教え』7/6発売
『やっていはいけないこと』
↓
『やってはいけない理屈と改善策』
↓
『結論』
「やってはいけないこと」1項目に対して
3ページ前後をセットして話は進んでいきます。
”やってはいけない”がキーワードですが、
読んでみた印象では、「禁止」というよりかは
「もっと良いアプローチがある」
「優先順位が低い」
というニュアンスのほうが近いと思いました。
”時間” ”お金” ”苦痛” ”疲労”
ロードバイクで速く走るために
色んなものを犠牲にしてトレーニングに打ち込みますが、
非効率的なことをしてしまっている場合も多いです。
そこで、元プロの竹谷さんが「現役時代に培ってきた技術」と
「プロアマ問わずコーチングを行ってきた経験則」を伝えることで、
なるべく犠牲を小さく速くなってもらおうというのが本書の狙いだと感じました。
では、もう少し具体的な中身と、読んだ感想を話していきます。
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目次
目次
【プロローグ】『「自分」という選手を育てよう』
「原因」があって「結果」がある
あなたは「自分」の「オーナー」
【PART1】『サイクリストが犯す3つの間違い』
1.間違いを放置するな
2.ただ漫然と乗るな
3.すぐに新たなトレーニングに飛びつくな
4.「フィジカルの強さ=速さ」と考えるな
5.力のやりとりを見逃すな
6.不安定を怖がるな
【PART2】『フィッティングの作法』
7.購入時のまま乗り続けるな
8.「股下の長さ×0.8」を鵜呑みにするな
9.100点満点があると思うな
10.”サドル探しの旅”に出るな
11.サドルを高くしすぎるな
12.サドルの前後と傾きの調整を怠るな
13.軽さでサドルを選ぶな
14.ハンドル位置はブラケットで合わせるな
15.ハンドルの調整は形から入るな
16.クランクを長くして見栄を張るな
17.軽量化に大枚をはたくな
【PART3】『ぺダリングの作法』
18.ペダルを丸く回そうと思うな
19.ペダルの回し方だけに正解を求めるな
20.足首を固めるな
21.下死点でペダルを踏み込むな
22.「引き足」なんてするな
23.ビンディングシューズは最初から使うな
24.駆動力と慣性力を一緒にするな
25.平地は得意、登りは苦手?勘違いするな
26.ペダルは2時から3時に踏むな
27.体を下に落とすな
28.0.08325秒の不安定を見逃すな
29.標準的なケイデンスにこだわるな
30.パワーバンドを外すな
31.ダンシングは気を緩めるな
32.やるべきステップを間違えるな
【PART4】『フォームの作法』
33.フォームを固めるな
34.痛みをバイクのせいにするな
35.何となくバイクに陣どるな
36.骨盤を起こすな、寝かすな
37.上り坂は平地と同じフォームで乗るな
38.感覚のズレを放っておくな
39.ポジションを1か所に定めるな
40.ハンドルでバイクを操るな
41.何となくコントロールするな
42.ハンドルだけがハンドルと思うな
43.ハンドルはガッチリ握るな
44.肩甲骨は固めるな
45.ブレーキレバーも握り込むな
46.アンクリングを避けるな
47.緊急時は急ブレーキをかけるな
48.タイヤの変形を知らずに走るな
49.コーナリングはペダルを真下に押すな
50.ハンドルを腕で切るな
51.コーナリングは怖がって体を起こすな
52.路面は目で見るな
【PART5】『トレーニングの作法』
53.睡眠時間を削ってまでトレーニングをするな
54.時間の使い方を誤るな
55.目的のないトレーニングはするな
56.カロリー消費が練習だと思うな
57.ペダルだけ意識するな
58.LSDで練習のミスマッチをするな
59.蓄積疲労を見逃すな
60.調子が悪くてもネガティブになるな
61.効果を生まない補強トレーニングはするな
【PART6】「レースの作法」
62.レース前は特別なことをするな
63.レース前にジタバタするな
64.頑張りすぎの制御を忘れるな
【PART1】『サイクリストが犯す3つの間違い』の感想
本全体の導入のような章。
具体的なテクニックではなく、
読み進める上で、先に頭に入れておいて欲しいことをまとめていました。
普段から考えて練習しているようなら
それほど目新しく思える部分は少ないかもしれませんが、
「不安定を怖がるな」という項目は、
ほとんどの人にとっては新しい概念に感じるはずです。
そこに書かれている簡単なテストを試してみると、
「なるほど!」と思える”力の使い方”が体感でき、先を読みたくなりました(^^)
【PART2】『フィッティングの作法』の感想
竹谷さんは、
スペシャライズドが提唱する「BG FIT」をベースにして
「スポーツ生理学」「何十年と積み重ねた経験」などを組み合わせた理論を元に、
数千人の自転車を調整してきたフィッティングのスペシャリストです。
- サドルはどの高さが最も効率が良いのか?
- クランク長は長いほうが大きな力が加わるのか?
- サドルに違和感があった場合の対処法とは
何となく違和感を感じながらロードバイクに乗っていたり、
「ああでもない、こうでもない」と色んなポジションを試しているなら、
この章を読むことが、
理想のポジションを見つけられる近道になるはずです。
【PART3】『ぺダリングの作法』の感想
一般的なサイクリストのペダリング効率が30~40%、
ツール・ド・フランスに出るようなトッププロは70~80%。
その差2倍。
いきなり「回すペダリングはダメ!」という話から始まり、
では、どういったペダリングが正解なのかということが書かれています。
ただ漫然と「〇〇を意識しましょう」というような抽象的な中身ではなく、
簡単に実践できる”練習ドリル”が掲載されているので、
無理なくペダリング効率を上げていけると思いますね。
他の章よりも具体的な内容が多くて、
「最も改善の余地が大きい」と言えるペダリングに
気合いを入れていることが感じられました。
【PART4】『フォームの作法』の感想
普段何気なく乗っているロードバイクを
もっと自在に操るためのヒントが、散りばめられています。
”ハンドルでバイクを操るな”
”アンクリングを避けるな”
”コーナリングはペダルを真下に押すな”
常識からすると「?」に感じるようなこともあって
興味を持って読み進められましたね。
特に、コーナリングが苦手なので、
ロードバイクを安定させ、タイヤのグリップを効かせるための
「重心位置の下げ方」なんかは、とても参考になりました!
竹谷さんは元MTBのプロということもあって、
「フォーム」や「バイクコントロール」について書かれたこの章は
PART3の『ペダリングの作法』同様、特に詳しく書かれていました。
【PART5】『トレーニングの作法』の感想
速くなるためには、
「フィジカル」「スキル」「疲労回復」
のバランスのうまく取る必要があります。
”距離、時間を基準に練習している”
”疲労が回復していない状態で、義務的にトレーニングをしている”
”「スキル」を磨かず、とにかく頑張るスタイルで練習に励んでいる”
こういった人も多いのではないでしょうか?
この章では、「フィジカル×スキル×疲労回復」を考慮した
現実的で、効果の高いトレーニングの組み立て方を紹介していました。
具体的なトレーニングメニューはほぼ書かれていませんが、
「フィジカル×スキル×疲労回復」を突き詰めて考えていけば、
自ずと行うべきトレーニング内容が見えてくるのだと思います。
【PART6】『レースの作法』の感想
最終章では、
主に「レース前」にやってしまいがちな
「やってはいけないこと」が紹介されていました。
初~中級者向けの内容に思いましたが、
至極まっとうなことばかり書かれています。
自分に当てはめて再確認しながら読み進めていきました。
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まとめ:”伸びしろ”を見つけるための本
「やってはいけないこと」64項目のすべてを
真面目にきっちり取り組む必要はありません。
自分自身、読んでみて参考になった所もあれば、
参考にならなかった所もありました。
”ロードバイクで培った経験”
”ロードバイクへの取り組み方”
”ライフワークバランス”
こういったことは人によってバラバラなんですから、
すべての人が同じ
「ロードバイクの乗り方」「練習の取り組み方」であるほうが不自然です。
本の帯にあるように64項目ある中から
”伸びしろ”(=優先順位が高いこと)を
見つけるつもりで読んでいくのがいいでしょう。
この”伸びしろ”を見つけた数が多いほど
楽に速く走るようになり、
それが「ベテラン」と「素人」を分けるのだと思います。
どれだけの”伸びしろ”が見つけられるかは人によりますが、
誰にとっても864円以上の価値があるのは間違いありません。
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