手間、完成度、費用のバランスを考えて、
ベストな方法を記述する。
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目次
①破損部のやすりがけ(所要時間30分~2時間)
必要な用具
- ポリプロピレン製ビニールテープ
- 80番ぐらいの紙やすり
目的
- エポキシ樹脂の接着力を上げる
- 破損部分を確認する
- 仕上がり時の段差をなくす
方法
紙やすり80番で、最低塗装がなくなるまで削る。
電気工具は楽そうだが、その実扱いが難しい。
根気は要るが、紙やすりが一番確実。
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(理想的な完成図)
注意点
削らない左右の部分15cmほどは、
誤って削らないよう、また、エポキシ樹脂が付着しないように
ビニテ(ポリプロピレンビニテはエポキシに接着しない特性をもつ)でしっかり養生する。
破損が少しなら、カーボンクロスは2層ぐらいで十分だし、
破損が酷かったり、力がかかる部分だったりしたら6~7層あったほうがいい。
修理後にもっこりしてもいいならあまり削らなくてもいいが、
他の部分とツライチにしたいなら多めに削る必要がある(5層で約1mm)。
だからといって、削りすぎると今度は強度が落ちる。
そのバランスを考えて、どこまで削るか決める。
削った後は、アセトンやシリコンオフで脱脂するのがベター。
②カーボンクロスの準備(所要時間20分)
必要な用具
- アロンアロファ
- カーボンクロス(NEWS COMPANY)
- ハサミ(エンジニア 鉄腕ハサミ)
目的
フレームに巻き付けるカーボンクロスを切り出す。
方法
必要なカーボンクロスの幅と長さを考えてハサミでカットする。
通常のハサミでも問題ないレベルで切れるが、
やはりケブラー繊維用のほうが切れやすくてオススメ。
注意点
カーボンクロスの種類には、
目の細かさ、織り方、目ズレ防止コーティングの有無などがある。
目が細かいやわらかくて破損部に巻きやすいが、
その分目ズレは起きやすく、カーボン柄がななめになりやすい。
織り方は平織と綾織。
厳密には強度の違いがあるらしいが、平織が標準。
目ズレ防止コーティングの有無を比べても、ほぼ分からないレベル。
有っても無くてもどっちでもいい。
カットした部分から、カーボン繊維が簡単にほつれてくる。
そこで、アロンアロファを付けておくと切れ目がほつれない。
ただ、付けすぎるとバリバリになるので、微量でいい。
③エポキシ樹脂の準備(所要時間5分)
必要な用具
- エポキシ樹脂 GENUS GM-6800
- 0.1g単位の電子はかり
- 使い捨てできる小さなプラスチック容器
目的
- 主剤と硬化剤を混ぜ合わせてエポキシ樹脂をつくる
方法
電子はかりの上に乗せたプラスチック容器に
主剤と硬化剤を10:3の割合で入れて混ぜる。
量は、破損個所が小さければ数グラムから5gほど、
破損個所が大きく、カーボンクロスが多めに巻くなら10gほど。
付属の計量カップを使っての目分量でも構わないが、
量の調整、割合の微調整ができない。
それに、計量カップは基本的に使い捨てるため、
使い捨てのプラ容器+電子はかりのほうがいい
注意点
作業可能時間は25~30分。その後、硬化し始める。
エポキシ樹脂を混ぜる際は、なるべく気泡ができないほうがいい。
④カーボンクロス、破損部へのエポキシ樹脂の塗布(所要時間5分)
必要な用具
- 幅15mmぐらいの使い捨てる刷毛
- 作業場として敷く新聞紙
目的
- 破損部の接着
- カーボンクロスの積層準備
方法
刷毛で、破損部とカーボンクロスの裏表にエポキシ樹脂を塗布する。
注意点
塗る範囲が広いわけではないので、刷毛は大きすぎないほうがいい。
エポキシ樹脂を塗りだくる必要はない。
余分なエポキシ樹脂は、カーボンクロス積層・圧着時ににじみ出てくるだけ。
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⑤破損部へのカーボンクロスの巻き付け(所要時間5分)
必要な用具
なし
目的
- 破損部へのカーボンクロスの積層
方法
破損部へカーボンクロスを巻き付けていく。
注意点
カーボンの柄がなるべく乱れない程度に
引っ張りながら巻いていったほうがいい。
そのほうが分厚くならないし、強度も出やすい。
仮⑥カーボンクロスの圧着(所要時間10分)
ビニールテープ?
熱収縮フィルム?
どちらのほうが、見た目が良く、強度が出そうか要実験。
⑦エポキシ樹脂の常温硬化、加熱硬化(所要時間15時間)
必要な用具
- 破損部を覆えるサイズの段ボール箱
- 70℃まではかれる温度計
- 安すぎないドライヤー
目的
- エポキシ樹脂を硬化させて強度を発揮させる
方法
GM-6800は25℃で10~12時間で完全硬化する。
夏場はそれよりも短いし、冬場はそれよりも長くなる。
加熱硬化は以下の通り。
これで段ボール内の温度は意外と簡単に60℃に達する。
カイロを使ったりしている人もいるが、
こっちのほうが簡単だし、温度管理も確実。
注意点
混合後、25~30分から効果が始まり、徐々に硬くなっていき、
半日後に最大硬度になるという具合。
なので、数時間程度では触ってもまだ多少の柔らかさが残っているのが分かる。
常温硬化(25℃で10~12時間)で十分な強度が出るため、加熱硬化は必須ではない。
ただ、説明書の実験データ(「23℃7日間」と「23℃約半日→60℃2時間加熱」の比較)を見る限り、
後者のほうがやや数値が上のように思えるし、
冬場に作業するんだったら、加熱硬化をしておいたほうが安心感はある。
仮⑧カーボンクロス、エポキシ樹脂の紫外線保護
未実験。
強度テスト
初実験。
完全に2つに分かれた1.8cmのカーボンパイプを2つにつなぎあわせた。
1.5Kカーボンクロスを5巻き、熱収縮フィルムで圧着、加熱硬化あり。
実験2日後には体重70kgをかけてもびくともしない強度になっている。
硬さを言う意味ではほぼエポキシ樹脂がかなめになっているよう感じ、
鉄筋=カーボンクロス、コンクリート=エポキシ樹脂、という関係ではないかと思う。
こちらは、ビニテで1巻きだけ圧着した実験。
ビニテのほうがエポキシ樹脂が排出される感じ?
熱収縮フィルムと同条件でやっていないため、正確には不明。
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