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松木です。

 

2020年ロードバイクタイヤ頂上決戦!大手10社19種類テスト。

英国で、サイクリスト向けに空洞実験、コーチングを行っている
エアロダイナミクスのエキスパート集団AeroCoach

 

「空力」が彼らの専門分野ではあるものの、
”楽に速く”という情熱は「空力」のみに留まらず、
「タイヤの転がり抵抗」にまで及び、

10社19種類の決戦タイヤをかき集め、転がり抵抗比較テストを実施。

 

2020年ロードバイクタイヤ頂上決戦!大手10社19種類テスト。

クリンチャー
Michelin『Power Time Trial』25mm、190g(実測197.5g)
Pirelli『P Zero TT』23mm、165g
Specialized『Turbo Cotton』24mm、220g
Continental『GP5000』23mm、200g
Continental『GP5000』25mm、215g
Continental『GP4000sⅡ』23mm、225g
Continental『GP TT』23mm、180g
Wolfpack『Race Cotton』24mm、220g
Veloflex『Record C』23mm、150g
Veloflex『Master C』23mm、195g
Goodyear『Eagle F1 Supersport』25mm、190g(実測184g)

 

チューブレス
Vittoria『Corsa Speed G2.0 TLR』23mm、225g
Vittoria 『Corsa Speed G2.0 TLR』25mm、240g(実測227g)
Schwalbe 『Pro One TT TLE』25mm、245g
Continental『GP5000 TL』25mm、300g
Specialized『S-Works Turbo RapidAir』26mm、260g
Zipp『Tangente Speed TL』25mm、292g
Veloflex『Corsa Race TLR』25mm、220g
Veloflex『Corsa EVO TLR』25mm、230g

※幅、重量は公表値

 

『GP5000』や『Corsa Speed』などの有名所に加え、

今が旬のMichelin『Power TT』(先日の記事)、Specialized『S-Works Turbo RapidAir』、
注目新興株のWolfpack『Race Cotton』、Goodyear『Eagle F1 Supersport』、
タイヤ界の重鎮的存在Veloflexの最新モデルなど、

2020年を代表するタイヤのツボを見事に押さえてらっしゃる(^^)bイイネ

 

今回は、この転がり抵抗テストの内容を見ていきます。

そして、最終的に「重量」「空力」「チューブorシーラント」をも考慮した
”2020年度版、真に最も速いタイヤ”を決めたいと思います。

 

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実験方法

2020年ロードバイクタイヤ頂上決戦!大手10社19種類テスト。
2020年ロードバイクタイヤ頂上決戦!大手10社19種類テスト。
(「空力」測定中の写真ですが、イメージとしては近いはず)

【ライダー】およそ75kg
【空気圧】90psi≒6.12bar
【ホイール】外幅24.7mm、内幅19.6mmのアルミリム
【タイヤ内】クリンチャーはVittoriaラテックス25-28、チューブレスはZefalシーラント30ml注入

 

以上の条件にて、専用ソフトを用いて
「出力」「速度」「ライダーの体重」「大気の状態」を計測。

そして、Crr(転がり抵抗係数)を導き出し、
そのCrrから45km/hにおける前後輪合計の「転がり抵抗(w)」を計算します。

 

my mavic アプリ 使い方 タイヤ熟考Ver3「タイヤは空気圧が9割」手っ取り早いBEST圧発見法

「90psi≒6.12barは低くない?」と疑問に思った方はこちらの記事を参照。

実際はこれぐらい低く設定するのがベスト。

 

タイヤ熟考Ver2「転がり抵抗」インピーダンス

また、『「実験のような滑らかなドラム」で得られる結果は、
現実世界の「凹凸のあるアスファルト」では役に立たないのでは?』

 

この疑問に関しては、こちらの記事をどうぞ。

「90psi程度の低圧下では変わらない」ことがグラフから分かります。

 

2020年ロードバイクタイヤ頂上決戦!大手10社19種類テスト。 zefalシーラント2020年ロードバイクタイヤ頂上決戦!大手10社19種類テスト。

シーラントがZefalなのは「各メーカーを試した結果、Zefalの密閉性が良好だったため」

30mlなのは「”転がり抵抗”と”気密性”のベストバランス」だから(上図)

結果と考察

2020年ロードバイクタイヤ頂上決戦!大手10社19種類テスト。
(Specialized『2Bliss』が『S-Works Turbo RapidAir』のこと)

 

  1. Vittoria『Corsa Speed G2.0 TLR』25mmの転がり抵抗が最小
  2. クリンチャーではMichelin『Power TT』25mmが最小
  3. Veloflex『Record C』に25mmがあれば、TOPになれる可能性はあった(存在しない)
  4. Pirelli『P Zero TT』25mm、180gをテストすれば、TOPに近い結果が得られそう
  5. GP5000TLがあまり良くない(Bicycle Rolling Resistanceのテストだと上位)

 

この辺りがパッと目に付きますけど、

 

  1. 上位にTLRが集中していない⇒「クリンチャーよりチューブレスの方が速い」は間違い
  2. 実測184gと最軽量クラスのGoodyear『Eagle F1 Supersport』の結果はあまり良くない
    「重量」と「転がり抵抗」の関連性は薄い
  3. Specialized『Turbo Cotton』開発技術者の1人がWolfpack『Race Cotton』を作っている。
    同じコットンケーシングであり、見た目もそこそこ似ているものの、
    両者の「転がり抵抗」の結果には大分と差が付いている⇒コンパウンド(ゴム素材)が重要?
  4. 『GP5000』の23mmと25mmは2.4wの差があるが、『Corsa Speed』の23mmと25mmの差はたった0.1wだけ
  5. a~dより、転がり抵抗は「CLやTLRといったタイプ」「重量」とはあまり関係がなく、
    8~9割「構造と使用素材(ケーシングよりコンパウンドの方が重要?)の良し悪し」
    1~2割「太さ」(差が小さいタイヤもある)で決まってしまう、と考えるのが妥当

 

「転がり抵抗」に関する根幹的見解eが得られるのは、面白いですねー(^^)

「空力」「重量」「チューブ」も考えて”最速タイヤ”を決めよう

AeroCoachが別テストで得たデータ(イタリック体)と、その考察は次の通り。

 

2020年ロードバイクタイヤ頂上決戦!大手10社19種類テスト。

【空力】
「空力」(上図の赤部分)は「Vittoria Corsa Speed G2.0 TLR>Michelin Power TT」

「転がり抵抗」におけるPower TTの+0.9wビハインドは、
「空力」によって45km/hにて埋まり、
「Vittoria Corsa Speed G2.0 TLR=Michelin Power TT」になる(詳細はこちら

 

ただし、ヒルクライムのような低速度域においては「空力」の影響はかなり小さくなる。

例えば25km/hなら、空気抵抗に抗うための必要パワーは45km/h時の17%で済むので、
「空力」は、Corsa Speedの方が0.9w×0.17≒0.15w悪いだけになる

そして「転がり抵抗」は「速度」に概ね比例するとされているため、
「転がり抵抗」は、Corsa Speedの方が0.9w×25kph/45kph≒0.5w良い

よって「転がり抵抗」+「空力」は、Corsa Speedの方が0.5w-0.15w≒0.35w良い

 

【チューブとシーラント】
TLRタイヤにZefalシーラント30mlを注入する代わりに、
Vittoriaのラテックスチューブを入れても「転がり抵抗」は限りなく同じ。

 

【重量】
10%の急勾配でさえ164gの重量増は+0.8w、-0.03km/hにしかならない(16km/h走行時)

シーラントの密度はおよそ1g/ml、チューブレスバルブ8g前後/本なので、

①Vittoria Corsa Speed G2.0 TLR 25mm+シーラント30mlの実測:227g+30g+8g=265g
②Vittoria Corsa Speed G2.0 TLR 25mm+Vittoriaラテックスの実測:227g+72g=299g
③Michelin Power TT 25mm+Vittoriaラテックスの実測:197.5g+72g=269.5g

①と③を比べた場合、
Power TTの方が前後輪で(269.5g-265g)×2=9g重いため、
勾配10%においては9g/164g×0.8w≒0.04w悪い。

②と③を比べた場合、
Corsa Speedの方が前後輪で(299g-269.5g)×2=59g重いため、
勾配10%においては59g/164g×0.8w≒0.29w悪い。

 

 

以上から、タイヤの「転がり抵抗」に加え、別の速度要因である
「空力」「重量」「チューブorシーラントの選択」をも勘案した
理論上の最も抵抗を小さくできる、つまり”最速”の組み合わせは……

 

 

2020年ロードバイクタイヤ頂上決戦!大手10社19種類テスト。

①45km/h以上(速度が上がるほどPowerの「空力」アドバンテージが大きくなるので)
Michelin Power TT 25mm+Vittoriaラテックス

 

②45km/h(Corsaの「転がり抵抗」アド=Powerの「空力」アド)
Vittoria Corsa Speed G2.0 TLR+シーラント30ml
=Michelin Power TT 25mm+Vittoriaラテックス

 

③45km/h以下(速度が下がるほどCorsaの「転がり抵抗」アドが支配的になるので)
Vittoria Corsa Speed G2.0 TLR+シーラント30ml

 

現実的には、③の45km/h以下で走行する時間が大半を占めますから、
「Vittoria Corsa Speed G2.0 TLR+シーラント30ml」が最速だと言えるでしょう。

 

とは言え、45km/h以下においてもPower TTとはホント僅差ですし、
「クリンチャーユーザーの方が多いこと」や「タイヤの価格&入手しやすさ」など、
数値化できないけど、選択する上で欠かせない”実用面”も考えれば、
「Michelin Power TT 25mm+ラテックスでしょ」とは思いますけどね(^^)

 

次の記事は「Vittoriaラテックス以外のチューブなら?」

全11種類のチューブの「転がり抵抗」に関する話です(⇒チューブ編へ

 

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