松木です。

 

コンチネンタル『GP5000』が史上最強のロードタイヤである理由

コンチネンタルが『4000sⅡ』の後継モデルとして14年ぶりに新作を発表。

 

 

『GP5000』

 

 

クリンチャーモデル『GP5000』、
そして待望のチューブレスモデル『GP5000TL』の2種類です。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

もちろんチューブレスに関心はあったけど、
市場が必要としているからと言って、即タイヤを作る訳ではないよ。

 

私たちがベストな技術を手にし、さらに
タイミングが正しいと感じられて初めて開発に着手する。

 

可能な限り最高なタイヤを世に送り出したいんだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

コンチネンタル『GP5000』が史上最強のロードタイヤである理由

Continetalがチューブレスタイヤ参入に遅れたのは、

上記の考え方の元、
「簡単かつ安全なフィッティング」
を実現するのに時間を要したのが大きな理由。

 

それと同時に、”史上最高のタイヤ”にふさわしい技術を生み出すために、
想像を超えるような研究室・実走での試行錯誤を重ねたからに他なりません。

 

また、Specialized、Vittoria、Pirelli、Bontrager、Hutchinson、Maxxis、Schwalbe、
これら競合メーカーの製品を上回るために、比較しながら開発を進められたのだそう。

 

「すべての特性を改善した」と豪語する『GP5000』とは?

 

【関連記事】

 松木です。 「すぐにやってくれるだろうな」と期待はしておりましたが、お馴染みBicycle Rolling Resistanceが、『GP5000』の「転がり抵抗・耐パンクテスト」を実施してくれました。 『GP4000s Ⅱ』比で転がり抵抗-12%は嘘か誠か…… 早速見ていきましょう(^^) ※国内最安で購入できる場所↓Continental(コンチネンタル) Continental (コンチネンタル) Grand Prix 5000 700×25Cグランプリ クリンチャー タイヤ 2本posted with カエレバContinental(コンチネンタル)Amazon楽天市場Yahooショッピング【関連記事】&n...

 

 松木です。  空力学のエキスパート集団AeroCoachが、『GP5000』の「空気抵抗」をテストしました(こちら)。  前回、『GP5000』の「転がり抵抗」は、クリンチャートップの『GP TT』に匹敵するという趣旨の実験を紹介しましたが、今回は「タイヤの”エアロ”も考慮するとどうなの?」という話。 イントロダクション『GP4000sⅡ』は「転がり抵抗」「耐パンク性」の両方優れていることで知られていますが、更にトレッドパターン(模様)が風洞実験おいて優秀な性能を発揮するため、”エアロタイヤ”と言われたりもし...

 

スポンサーリンク

Continental『GP5000』のスペック & 特徴

コンチネンタル『GP5000』が史上最強のロードタイヤである理由コンチネンタル『GP5000』が史上最強のロードタイヤである理由

コンチネンタル『GP5000』が史上最強のロードタイヤである理由
※画像クリックで拡大

 

『GP4000sⅡ』
(上図左)

『GP5000』
(上図右、下図左

『GP5000TL』
(下図右)
タイプ
クリンチャー クリンチャー チューブレス
公表重量
23c:205g
25c:225g
28c:260g
23c:200g(-5g)
25c:215g(-10g)
28c:235g(-25g)
32c:290g
(23/25/28/32の4種)
25c:300g
28c:345g
32c:370g
(25/28/32の3種)
コンパウンド Black Chili
改良型Black Chili
4000比で転がり-12%
改良型Black Chili
5000比で転がり-5%
(シーラント封入前)
TPI
330TPI / 3レイヤー 330TPI / 3レイヤー 180TPI / 3レイヤー
耐パンクベルト Vectran Breaker
改良型Vectran Breaker
4000比で耐パンク+20%
改良型Vectran Breaker
5000比で耐パンク+5%
トレッド
パターン
葉っぱ模様の溝
 

溝+レーザー加工
(Lazer Grip)

溝+レーザー加工
(Lazer Grip)
振動吸収層 無し Active Comfort Active Comfort
価格(税抜) ¥7000 ¥7000~8000? ¥12000~13000?

 

スポンサーリンク

改良型Black Chiliコンパウンド

コンチネンタル『GP4000s RS』と『GP 4000s Ⅱ』の比較 ブラックチリコンパウンド

その名称こそ変更されていないものの、
練り込んでいる素材の配合を変えることで
グリップ力に影響を与えずに転がり抵抗-12%を実現。

 

これは-15%の『GP4000 RS』とほぼ同レベル。

ただ、「耐摩耗性」も向上しているというのだから驚きです……

 

 

ちなみに、”タイヤの厚み”に関しては、
「転がり抵抗」と「グリップ力」の最適なバランスを追求したとのこと。

 

下の記事でも話してますが、
厚すぎると「ヒステリシスロス」「重量」が悪化し、
薄すぎると今度は「グリップ力」が低下してしまいます。

 松木です。 何となく使っている「転がり抵抗」という言葉。 冷静に考えると、上図の①のように地面とタイヤはこすれている訳ではありません。(ホイールがロックしたような状態) 実際の所は、ホイールが回転しているため、地面とタイヤは基本的に接地しているだけで、そこに発生する”こすれによる摩擦”は限りなく0(図②)。  こちらの記事でも話しましたが、『4000s Ⅱ』タイヤの場合、8000kmも走っての摩耗はたった0.8mmであり、”こすれによる摩擦”は非常に微々たるものでしょう。 では、「転がり...

改良型Vectran Breaker耐パンクベルト

コンチネンタル『GP5000』が史上最強のロードタイヤである理由

こちらも名前は変えていませんが、
乗り心地に関係する「柔軟性」を損なうことなく
「突き刺しパンク耐性」だけを20%も向上。

 

ただでさえ、パンクしにくいと評判のタイヤがより頑丈に。

新たなトレッドパターン+レーザー加工「Lazer Grip」

コンチネンタル『GP5000』が史上最強のロードタイヤである理由

トレッドパターンは、
『4000sⅡ』の面影を残しつつもスタイリッシュな模様に改良。

 

そして、その部分にレーザーを照射して多孔質にすることで表面積を増やし、
コーナリング中の「グリップ力」を高める”Lazer Grip”技術を初導入

他の箇所とは表面の質感が異なってますよね(^^)

 

この新しいトレッドパターン、
「”エアロ”はどうなの?」と少し気になりましたけど、
『4000sⅡ』と同じ空力パフォーマンスを発揮するそうです。

 松木です。 タイヤの「速い、遅い」を決める際に注目されるのは十中八九が”路面抵抗”ですが、実は、前輪に関しては”空気抵抗”がかなり重要だという話です。 以前、下の記事で路面抵抗の低いタイヤを検証しましたが、「空気抵抗」を考えた際、最速のクリンチャータイヤは変動してしまいます。『世界最速のクリンチャータイヤを決める。』 Cycling WEEKLYの記事「タイヤの空気抵抗の影響は?」 かなり面白い記事なんですが、すべて英語なので、要点だけいくつか挙げてみます。  タイヤの空気抵抗を考え...

Active Comfortケーシング

コンチネンタル『GP5000』が史上最強のロードタイヤである理由

Vectran Breaker耐パンクベルトの下のケーシング層には
路面からの衝撃を和らげ、また微細な振動を吸収して
「快適性」向上に効果のあるケーシング層を新採用。

 

これは「Actve Comfort」テクノロジーと呼ばれるのですが、
おそらくケーシング素材自体を変えているのではないかと。

チューブレスタイヤ『GP5000TL』について

コンチネンタル『GP5000』が史上最強のロードタイヤである理由

『GP5000』と『GP5000TL』を見比べた時、
『GP5000TL』の方には、見慣れない「内側の層」「ビード形状」が目に付きます。

 

コンチネンタル『GP5000』が史上最強のロードタイヤである理由
(左『GP5000TL』、右『GP5000』)

実物を見ても、やはりこの部分の違いは目立ちます。

 

チューブレスの場合、
タイヤが空気を保持しなければいけませんから、
タイヤ内側にブチル製のインナーライナーを追加。

これがチューブの代わりといった所でしょうか。

 

そして、チューブレスにおいて命とも言える”ビード部分”は、
四角く、柔らかいゴムを用いることで、リムとの間の空気漏れを防ぎます。
(とは言え、信頼性を高めるためにシーラントは必要)

 

コンチネンタル『GP5000』が史上最強のロードタイヤである理由

このビード部分の”ゴム素材”、”形状”に関しては、
特に入念に研究されたそうで、

「安全性(=走行中の外れにくさ)」「タイヤのはめやすさ」
「空気の入れやすさ(=リムフックへのタイヤの上がりやすさ)」

これらのベストバランスを達成。

 

コンチネンタル『GP5000』が史上最強のロードタイヤである理由

25c:300gという重めの重量について開発者は、

「他メーカーのいくつかのものよりも重いのは承知しているけど、
それとトレードオフの価値(「耐パンク性」「気密性」など)はあると考えているよ」

 

 

コンチネンタル『GP5000』が史上最強のロードタイヤである理由

以上、ただただ完璧にしか思えない『GP5000』。

 

これから先、何年もの長きに渡って
”ロードバイクタイヤのベンチマーク”として君臨するのは間違いなく、

現在のチューブレスの流行も考えると、
来期は「MAVICホイール+GP5000TL」がド定番化しそうですね(^^)

 

プレスリリースと同時に、海外では既に発売開始しており、
日本代理店へ入ってくるのも、そう遠くはないでしょう。

 

スポンサーリンク