松木です。
「すぐにやってくれるだろうな」と期待はしておりましたが、
お馴染みBicycle Rolling Resistanceが、
『GP5000』の「転がり抵抗・耐パンクテスト」を実施してくれました。
『GP4000s Ⅱ』比で転がり抵抗-12%は嘘か誠か……
早速見ていきましょう(^^)
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実験方法
「転がり抵抗テスト」は、こんな風に行われています。
そして、実験条件は下の通りです(詳しくはこちら)。
【空気圧】4.1bar、5.5bar、6.9bar、8.3barの4段階
【速度】約29km/h
【荷重】42.5kg(人+車体を85㎏と想定し、片輪なので÷2)
【気温】21~23℃
【チューブ】Continental『Race』ブチルチューブ(約100g)
続いて「耐パンク性能テスト」の様子です。
1mmのスチールニードルを押し付け、
刺し込むのに必要な力を測定し、その力に応じて点数付け。
(例えば、10点は5点の2倍の力を要することを意味する)
このテストは「路面接地面」と「サイド」の両方で実施されます
実験結果
転がり抵抗
実測幅 | 実測重 | 8.3bar | 6.9bar | 5.5bar | 耐パンク | |
『GP5000 25c』 | 26mm | 221g | 10.0 (-18.0%) |
10.7 (-17.1%) |
12.1 (-11.7%) |
10/4 |
『GP4000 RS 25c』 | 27mm |
205g |
10.5 (-13.9%) |
11.0 (-14.7%) |
12.3 (-10.2%) |
9/4 |
『GP4000s Ⅱ 25c』 | 27mm | 215g | 12.2 | 12.9 | 13.7 | 11/5 |
(こちらの動画によれば現在、5000 23c:197g、5000 25c:217g、4000 25c:235g)
理想的な空気圧に近い6.9barで比較すると、
GP4000s Ⅱ 25c比-17.1%。
いやはや、これは驚きですね……(^^;
一般的に、
- タイヤが太い⇒タイヤの変形量が少ない⇒ヒステリシスロスが少ない⇒転がり◎
- 重量が軽い⇒タイヤの変形時に発生する熱が少ない⇒ヒステリシスロスが少ない⇒転がり◎
にもかかわらず
『GP4000 RS 』『GP4000s Ⅱ 』よりも細くて重い『GP5000』のほうが、
「転がり抵抗が小さい」という、理論とは相反する結果に。
素材の配合を変え、路面抵抗を抑えた改良型「Black Chili」コンパウンド。
そして、製法を見直し、振動吸収性を高めた「Active Comfort」ケーシング。
この2点が「転がり抵抗」を抑えることに貢献しているのでしょう。
ちなみに、この実験はContinental『Race』(真ん中)で実験していますが、
これをMichelin『AirComp Latex A1』 (右)に入れ替えれば、
実験上、6.9barにおいて「転がり抵抗」を更に-1.7w小さくすることが可能。
つまり……
実測幅 | 実測重 | 8.3bar | 6.9bar | 5.5bar | 耐パンク | |
『Corsa Speed TLR 23c』 | 25mm | 225g | 7.7 | 8.3 | 9.2 | 8/5 |
『GP5000 25c』 +ラテックス |
26mm |
221g |
8.5 | 9.0 | 10.2 | 10/4 |
『Corsa Speed Tubular 23c』 | 23mm | 209g | 9.1 | 9.9 | 11.1 | 8/3 |
(『GP5000 25c+ラテックス』の「転がり抵抗」は、こちらのテスト結果を元に算出)
耐パンク性
実測幅 | 実測重 | 6.9bar | 厚さ |
耐パンク | |
『GP TT 25c』 | 27mm |
195g |
10.5 | 接地面:1.9mm サイド:0.45mm |
8/4 |
『GP5000 25c』 | 26mm | 221g | 10.7 | 接地面:2.8mm サイド:0.55mm |
10/4 |
『SuperSonic 23c』 |
25mm |
179g |
11.0 | 接地面:1.9mm サイド:0.50mm |
7/5 |
『GP4000 RS 25c』 | 27mm |
205g |
11.0 | 接地面:2.3mm サイド:0.55mm |
9/4 |
『GP4000s Ⅱ 25c』 | 27mm | 215g | 12.9 | 接地面:2.9mm サイド:0.55mm |
11/5 |
実際に使用した感覚は、
- GP4000s Ⅱ:鋭利な物でも踏まない限りはパンクしない。長寿命。
- GP4000 RS:鋭利な物でも踏まない限りはパンクしない。3000km前後は持ちそう。
- GP TT:大きい石でも踏まない限りはパンクしない。寿命は短め。
- SuperSonic:耐パンクベルトが入っていないので貫通しやすい。寿命は短め。
そして、肝心の『GP5000』はどうなのか?
上の表から判断するに
『GP4000s Ⅱ』に限りなく近い「耐パンク性」ではないかと。
つまり、鋭利な物でも踏まない限りはパンクせず、かつ長寿命だと想像できます。
(改良型「Black Chili」コンパウンドは「耐摩耗性」も向上しているのだそう)
「突き刺しパンク耐性」が20%向上したと謳っている
改良型『Vectran Breaker』耐パンクベルト。
本テストでは、その効果は数字に表れませんでしたね(^^;
GP5000を選択するに一片の迷い無し
『GP4000 RS』を”理想のクリンチャー”と言ってしまったばかりですが、
『GP5000』25c(実測221g/217g)⇔『GP4000 RS』25c(実測204.3g/207.4g)
【転がり抵抗】〇〇〇〇〇⇔〇〇〇〇◑
【エアロ】〇〇〇〇⇔〇〇〇〇
【グリップ力】〇〇〇〇〇(予想)⇔〇〇〇〇〇
【快適性・振動吸収】〇〇〇〇◑(予想)⇔〇〇〇〇
【耐パンク性】〇〇〇〇◑⇔〇〇〇〇
海外レビューでは「グリップ力が良い」と評判ですし、
体感できるレベルではないと思いますが、
「Active Comfort」によって「微振動減衰性」も+α。
『GP5000』より軽量なクリンチャーはごまんとあるものの、
『GP5000』の総合性能が高すぎるが故に、
結果的に、ヒルクライムでさえも最速で走れてしまう気がします。
今回はこのぐらいにして、次回は『GP5000』の別実験を紹介予定です(^^)
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