世界最高のリムへ。Lun Hyper R45のスポーク、ハブ、リムを完全解剖。
前回、驚きの実測重量結果を叩き出したことで
期待値はぐんぐん上昇中の新型Lun HYPER!

 

乗車前インプレッション後編として
今回はリム・スポーク・ハブを個々に精査して
前作との違いとその意味するところを考えていきます(^^)

 

実物をまじまじと眺めることで、
新型発表時には気づけなかった様々な発見がありましたし、
手持ちの情報をもとにリム重量も計算することもできました(チョー軽い!)

 

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スポーク&組み方の変更点

下が前作のスポーク、上が新型のスポーク。

モデル名も形状もま~~ったく同じですね。

 

世界最高のリムへ!Lun Hyper R45のスポーク、ハブ、リムを完全解剖。世界最高のリムへ!Lun Hyper R45のスポーク、ハブ、リムを完全解剖。

続いて両端を確認してみると、
リム側は同じなのですが、ハブ側は改良されてます。

同じパーツを使いつつも、
「左右を削る」という一手間が加えられて”T字”になっております。

 

世界最高のリムへ!Lun Hyper R45のスポーク、ハブ、リムを完全解剖。

ご覧の通り平面をがっちりと固定。

このおかげでスポークの捻じれは抑えられ、
エアロスポークが最大空力を発揮できる角度を保てます。

その名も「T-Lock Anti-Twist System」

 

しかしながら、手持ちの前作38㎜を確認してみても
目につくような捻れはいまだ発生しておりませんでした。

 

ですから、このT-Lock Anti-Twistは、
「あれば嬉しい」ぐらいのシステムかなーと(笑)

 

 

次に、後輪のスポークパターンを見ていきましょう。

 

世界最高のリムへ!Lun Hyper R45のスポーク、ハブ、リムを完全解剖。世界最高のリムへ!Lun Hyper R45のスポーク、ハブ、リムを完全解剖。

左が前作、右が新作です。

一目でパターンが異なっているのが分かります。

 

世界最高のリムへ!Lun Hyper R45のスポーク、ハブ、リムを完全解剖。世界最高のリムへ!Lun Hyper R45のスポーク、ハブ、リムを完全解剖。

踏み込んだ際のねじれ剛性(駆動剛性)アップ(+15.7%)を狙って
フリー側スポークの角度を38°⇒48.5°へと拡大。

この影響によって
フリー側と反フリー側のスポークの位置関係が変わったんですね!

 

「他にはどうだろう。特に変わってなさそうかな?」

「……………おや(・・?」

 

世界最高のリムへ!Lun Hyper R45のスポーク、ハブ、リムを完全解剖。世界最高のリムへ!Lun Hyper R45のスポーク、ハブ、リムを完全解剖。

右の新型のほうはスポークが編まれてませんね。
(写真だと見えませんが、スポーク間に2~3㎜隙間がある)

 

「編む」というのは、
スポークの交差点で一方のスポークを下にくぐらせる技術。

「編む」ことによって
スポーク同士が接触した状態が保たれて”たわみ”にくくなり、
一定の(主に横)剛性アップが期待できます。
(ただし完組ホイールでは編んでないものも多い)

 

元々編まれていたものを あえて止めている以上、
そこには何かしらの設計者の意図があるはず。

私が思うに「スポーク同士の接触による音鳴り」「接触摩耗」を嫌った、
もしくは「剛性のバランス調整」(高けりゃ良いって訳じゃない)を図ったのでしょう。

マイナーチェンジしたハブ

デザインと寸法

世界最高のリムへ!Lun Hyper R45のスポーク、ハブ、リムを完全解剖。

世界最高のリムへ!Lun Hyper R45のスポーク、ハブ、リムを完全解剖。世界最高のリムへ!Lun Hyper R45のスポーク、ハブ、リムを完全解剖。

前作では「外側複雑、内側シンプル」でしたけど、
新型ではそれが”逆”になっています。

 

わずかな「エアロ」を狙っているのか、
はたまた「デザイン」を意識してのことか……

 

さらに深読みすれば、
外側からの防水・防塵性を高めたい
⇒エンドキャップをシンバル状にすればいい
⇒内外のデザインを入れ替える必要がある」
という流れなのかもしれませんねぇ~(^^)

 

世界最高のリムへ!Lun Hyper R45のスポーク、ハブ、リムを完全解剖。

こちらが寸法で、()が前作の数値。

フランジが5㎜だけ大きくなっております。

 

性能的に考えれば、
一般的にはフランジが大きいほど横剛性は上がります。

ただ、この+5㎜は特に剛性アップを狙った訳じゃなくて
「デザイン変更によって寸法も変わった」ってだけだと思います。

 

 

リアハブも見ていきましょう。

 

世界最高のリムへ!Lun Hyper R45のスポーク、ハブ、リムを完全解剖。世界最高のリムへ!Lun Hyper R45のスポーク、ハブ、リムを完全解剖。

フリー側はおんなじ造詣。

 

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反フリー側は、フロントハブ同様にデザインが内外”逆”です。

ただし、エンドキャップはシンバル形状にはなってません。

 

世界最高のリムへ!Lun Hyper R45のスポーク、ハブ、リムを完全解剖。

こちらがリアハブの寸法。

前作から左フランジ+2㎜と、誤差程度に大きくなったのみ。

 

それにしても、
反フリー側のエンド~左フランジ間22.5㎜
相変わらず素晴らしい設計ですね(‘∇^d)グッド!

 

ここが数ミリ広いだけで横剛性が如実に落ちたりする
いわば「リアホイールのかなめ」的な数値。

HYPERに感じる抜群の加速力は、
この22.5㎜という狭さが地味~に効いていると個人的に考えています。

ラチェットの構造と音、3つ爪化の効果

世界最高のリムへ!Lun Hyper R45のスポーク、ハブ、リムを完全解剖。

36ラチェットと6爪。

ここは前作となんら変わっていませんね。

 

この6爪は全部一気に引っ掛かるのではなく、
3つ爪ずつラチェットに引っ掛かる位置関係にあります。

これにより疑似的に72ラチェット相当の「細かいかかり」を実現(5°に1度かかる)

 

それからラチェット音3つ爪化の効果についてよく聞かれるので、
動画を撮ってみました(3つ爪化について詳しくはこちらの記事をどうぞ)

 

動画だと多少大きく聞こえるかもしれませんけど、
走行中は周囲の色んな音でかき消されるので気になりませんよ(^^)

 

「でもやっぱり気になるから どうにかしたい…」ということであれば、
それを緩和する方法として、完全自己責任で3つ爪化カスタムはアリ。

 

副次的な効果として、ペダリングしていない間の回転抵抗が少し減ります。
(6爪のほうが減速するのが早いのが見て取れるでしょう)

セラミックベアリング


(フロント6803×②、リアフリー側6903×①、反フリー側6803×①、フリーハブ内部6803×②)

ベアリングも前作と同じで
1971年創業の台湾S&S社製セラミックです。

 

得体の知れないメーカーで、正直あまり信用してなかったんですが、
荷物20kg乗せて1時間の最大降水量26㎜という豪雨の中を走っても
一切ゴリったり、サビたりしませんでした。

 

それどころか、2000km以上走った現在、
新品時よりも”なじみ”が出て抵抗が減って
軽く回しただけで数分間回り続ける状態になっております。

 

普通に良質なベアリングです!

ハブのロゴ

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ハブ胴体のロゴが、
ぐるりと一周巻かれたシール(左)から印刷(右)へと改良されていました。

 

「やっぱ印刷のほうが断然カッコ良く見えるわ~(-ω-)ウンウン」

 

『HYPER』が出た2020年当初の名はWinspace『HYPER』

ハブ胴体は無地でした。

それが2021年春頃、WinspaceのホイールブランドとしてLunが生み出され、
以降Lun『HYPER』として、ひとまずハブ胴体にシールが貼られることに。

 

私の2021年4月購入品はシールロゴでして
内心「ちょいダサいな……」って思ってたんですけどw
メーカーもそのことは重々承知していたのでしょう。

 

ハッキリとは分かりませんが、
2021年4月~2022年8月のどこかのタイミングで
印刷に切り替えられたんじゃないかと思いますね。

世界最高へと上り詰めしリム

リムの実寸とその意味

世界最高のリムへ!Lun Hyper R45のスポーク、ハブ、リムを完全解剖。

リムハイトはフロント46㎜、リア54㎜

60㎜もあると相当ディープ(で重そう)に見えるのですが、
54㎜だとそれほどでもなく、50㎜と大差なく見えるのは不思議。

 

前後のリムハイト差は8㎜

前輪は「横風に対する安定感」
後輪は「空気抵抗軽減」に重点を置いた、理にかなった設計です。

 

ディープリムのハイトを前後で変えるのは さほど珍しくなく、
有名どころですと例えば

ROVAL『RAPIDE CLX II』前51㎜/後60㎜(9㎜差)
ENVE『SES4.5』前50㎜/後56㎜(6㎜差)

 

世界最高のリムへ!Lun Hyper R45のスポーク、ハブ、リムを完全解剖。

断面図とその実寸です。

前作38㎜では内幅19.1㎜、外幅26.1㎜でしたから、概ね+2㎜。

内幅21㎜、外幅28㎜という昨今最もポピュラーな幅になりました。

 

 松木です。 「基本スペック編」「スポーク編」に続き、最後は「リム編」トライアスロン業界で特に著名で、自転車空力学において世界屈指の実績を持つSwiss Side。その中のフォーミュラ1とサイクリングの空気力学分野で、20年以上の経験を持つ人物JeanPaul Ballard氏。そんな彼と共同開発されたDT Swissリムは、まさしく「最先端の科学が盛り込まれた形状」に違いありません。 UV形状新型DT SWISS ARC 1100 DICUTのリムは、スポーク側が"シュッ"としたUV形状。 (ZIPP 303 Firecrest。左:旧型のUシェイ...

 

以前に上の記事で話しましたが、エアロ的には
「リム外幅はタイヤ実測幅の105%以上が良い」と実験で明らかになってまして、
外幅28㎜もあれば、その条件を(26cタイヤまでなら)満たすことができます。

 

 

ただ、個人的には幅が広すぎるのも問題があると感じます。

 

 

と言いますのも、
リム幅を広げすぎると、無機質で画一的な乗り味になりがちなんですよ。。。

平たく言えば「味気が無くなって乗り味が似てくる」

 

私の中での そのリミットラインが外幅28㎜前後で、新型HYPERはギリ……

幅+2㎜が、どういった乗り味の変化につながっているのかは要注目ですねぇ~(^^)

(そういう観点では、前作の外幅26㎜のほうが、
Lun『HYPER』らしい乗り味が感じやすいんだろうなとは思います)

リム重量を計算してみた

世界最高のリムへ!Lun Hyper R45のスポーク、ハブ、リムを完全解剖。

前輪スポーク3.25g/本
後輪フリー側3.2g/本
後輪反フリー側3.15g/本

計3本で9.6g

 

また、前回の実測測定から前輪538g、後輪733g
そして とある情報からリアハブ単体が実測227gと分かっています。

唯一フロントハブだけが不明なので、
TNI、ENVE、DT SWISS180の公表値から85gと予想します(±10g程度のはず)

 

 

それでは早速レッツ計算!!

 

世界最高のリムへ!Lun Hyper R45のスポーク、ハブ、リムを完全解剖。

【フロントリム】538g-(3.25g×16本)-85g≒401g(46㎜高)

【リアリム】733g-(3.2g×14本)-(3.15g×7本)-227g≒439g(54㎜高)

 

 

「かっ……軽い……(;゚д゚)ゴクリ」

 

 

某サイトによれば
前作38㎜リムブレーキ仕様のリム実測値が430~435g前後
そして50㎜の実測値が470g前後(たぶんフロントより重いリアリム)

 

よって
「新型が軽いのは、リム肉薄化が推し進められたから」
という認識で間違いないでしょう。

 

試しにリムを親指で”グイッ”と押してみました。

バタフライエフェクトカーボン二重巻きの区間は凹みませんが、
一重巻き、もしくは巻いてない区間は少し凹みましたから、
「部分的に薄く作られているなぁ~」というのが感じ取れました。

 

おそらくは、リム幅を広げると構造的に強度は上がるため、
「リムを少し薄くしてもOK」との判断が下されたのかと。

 

……にしても、チューブレス対応の46㎜が400gってヤバすぎなんだが。。。

 

 

 

以上で乗車前インプレッションは終わり!

いや~、新型HYPERは触るだけでも考察がはかどりましたねぇ~(笑)

 

世界最高のリムへ!Lun Hyper R45のスポーク、ハブ、リムを完全解剖。

次回、いよいよ乗車インプレッションです。

 

「軽量化による俊敏性」「駆動剛性UPによる推進力」などを楽しみにしている反面、
軽量化やリム幅+2㎜が良くない方向に働いていないかという不安も実際あります……
(剛性、乗り味、回転慣性などへの影響)

 

ですが、

・・・・・バランスこそが、私たちLúnのモットーなのです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・—Lun『Hyper』のカタログより抜粋—

この言葉を信じて、更なる高みへと到達した『究極バランス』に期待しましょう(^^)

 

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