松木です。
脱サラして自転車トレーナーとなった福田昌弘(ふくだまさひろ)さんの新書。
ハムスタースピン代表、ROPPONGI EXPRESS所属、関西医科大学大学院博士課程修学中。
先日、西園良太さんのポッドキャスト
「Side by Side Radio」をチラッと紹介しましたが、
その第6回で福田さんと対談されています↓
福田さんのScience & Cycling Conferenceに行ってきた話と、身体の動かし方の話
福田さんの「経歴」「考え方」も詳しく話されており、
この対談を聴けば、非常に興味引かれると思います。
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『ロードバイクスキルアップトレーニング』の概要
【第一章】あなたはどうして遅いのか?
【第二章】「プランク」状態を作る
【第三章】ペダリングへ近づく
【第四章】全身のバランスを整える
【第五章】もっと速くなるために
26種類のドリルが、第二~四章にかけて掲載。
そして、それぞれのドリル毎に、
「実際のライディングでどのように役立つのか」「ドリルのポイント」が、
写真付きで分かりやすく解説されています。
本書の読み方「人本来の動きを身に付ける」「料理のイメージ」
西園さんとの対談の中で、
福田さんが次のように話されています。
「”自転車に乗るために”という風に考えていたんですけれども、
より身体を上手く使っていくこと自体を考えています」
つまり「バイオメカニクスの観点から、最適な体の動かし方」
本書を読み進めていく上で、
まずこの点は念頭に置いておくべきポイントかなと思います。
それから、本書に掲載されているコラムにおいて、
「料理」のたとえ話が出てきます。
そのコラムにおいて、
『ロードバイクスキルアップトレーニング』は、
料理における”レシピ”のようなものだと書かれています。
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できあがった料理を見せられても、
慣れた人以外は作れるようにはなりません。
料理を素材や工程に分解した、レシピが必要です。
自転車のトレーニングにも同じことが言えるのではないでしょうか。
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つまり、プロ選手の体の動かし方を見ただけでは、
上手く再現することは難しいですが、
その体の動かし方を細かく分解し、一つ一つドリルとして習得していけば、
プロのようなペダリング、フォームを身に付けることも十分可能だろうと。
また、人体やサイクリングについての研究は発展途上の上、
「目的」や「体の構造」には個人差があるため、
「”正しい”トレーニング」「”正しい”身体の動かし方」という表現はしないと言う。
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和食にも、フレンチにも、中華にも、美味しい料理はあるでしょう。
どれか一つだけを取り上げて
「これこそがもっとも美味しい料理だ」というのは、ナンセンスです。
しかし、食べられないほどしょっぱかったり、
真っ黒こげになっている料理は、
個人差を超えて美味しくないと言わざるを得ません。
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非常に分かりやすいたとえ話ですよね(^^)
以上、この本の利用方法の流れをまとめると、
①ロードバイクにおける体の動かし方を細かく分解
⇩
②「明らかに誤った体の動き」を矯正しつつ、代わりに
「バイオメカニクス的な体の動き」を体得するためのドリルを実践
⇩
③”身体的特徴”、”好み”も考慮した
「自分にとって最適な体の動かし方」へと昇華させていく
ライバルと差を付けるには打ってつけの本
『世界最高のサイクリストたちのロードバイク・トレーニング』も出版されました。
最先端の科学的トピックが網羅されている必読本です。
ですが、この本で話されている知識は、
「機材」「普段の生活や練習」に即反映させやすいため、
「ライバルに差を付ける」という面を考えると、
その目的を達するのは難しいかもしれません……
(ややマニアックなこの本を手にする人自体、あまり多くないかもしれませんが(笑))
対して『ロードバイクスキルアップトレーニング』はどうでしょう?
熱心なサイクリストなら購入するはずですが、
一読して満足してしまう人も多いのではないでしょうか?
さらに、本書に掲載されているドリルを実践したとしても、
26種類全てを「自分のものにした」というレベルまで取り組めるのは、
実際の所、ごく一部の人だと予想されます。
最低でも数か月の継続的な努力が必要でしょうし。
そう考えると、『世界最高の~』のような知識本よりも
「ライバルに差を付ける」という点では、
『ロードバイクスキルアップトレーニング』の方が向いています。
また、「日々新しい取り組み(=ドリル)を行って”成長”を実感できることが、
トレーニングを継続するモチベーションになる」と考えれば、
知識本なんかよりもありがたいなと、個人的には思いますね(^^)
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