松木です。
カンパ12速化の発表で、陰に隠れてしまった感がありますが、
同時に新しいBORAホイール『60 WTO』『77 WTO』も登場。
”WTO”は「Wind Tunnel Optimized」の略。
つまり、カンパにしては珍しく
「空力」に力を入れられているホイールです。
その特徴を見てみましょう。
現実世界において最速のリム形状
潔いことに、
「他メーカーと比べて、風洞実験で最速の数値を出せなかった」
と、カンパは話しています。
ですが、現実の世界はそう単純ではありません。
ロードバイクにはライダーが乗っており、
また、走行速度や風向きは一定ではなく、
常に変化する複雑な環境下での空力が求められます。
そこで、カンパニョーロは過去最大のテストを実施。
「施設内における風洞実験」に加え、
パソコン上での「CFD解析」「FEM解析」、
「エアロペーパーリサーチ(貼り付けた紙に風を当て、そのなびき方を調べるのでしょう)」、
そして「現実での実走テスト」。
以上の手法により、
あらゆる側面からエアロダイナミクスを試験。
その結果『BORA 60 WTO』『BORA 77 WTO』が持つ
”現実世界における、真に最速のリムプロファイル”にたどり着きました。
リム内幅19mm、リム外幅26.4mm。
『BORA 50』に比べると、+2mmのワイドリム化。
中央部分がほんの少し膨らんでいるものの、
断面形状に大きな特徴は見られません。
ですが、ある角度から、特定の速度の風が吹いた際、
ヨットのセーリング効果と同じく、
”押す出す力”が発生し、ホイールを加速させます。
エアロダイナミクスを推し進めたハブ形状
こちらは、現行の『BORA ULTRA』のフロントハブ。
そして、2019年モデル『BORA WTO』。
『ROVAL CL50』のハブと似た中央が絞られた空力形状です。
強度の問題上、素材は”カーボン”から”アルミ”に変更されています。
リアハブも同様の違いですね。
そして、ハブベアリングに関しては、
『BORA WTO 60』が、セラミックベアリングの”USB”、
『BORA WTO 77』のほうは、通常のベアリングよりも9倍回る”CULT”。
CULTは、セラミックベアリングに加え、
特殊加工により強化されたボールレースを備えており、
「グリス不要」「長寿命(虫食いが起きづらい)」といった特徴があります。
スポークやニップルにも空力
スポークには、新しい「ダイヤモンド型」を採用。
正面だけでなく、あらゆる方向からの風に対して、
空力学的に有効に作用します。
おそらくは、ただ平らなだけの形ではなく、
SAPIM『CX-RAY』のような楕円に近い形状だと考えられます。
ちなみに、ニップルは外装。
インターナルニップルを採用していない理由については、
スポークとリムの間にできてしまうギャップを埋められない限り、
ニップルとリムの間に隙間のできない外装ニップルのほうが、
空気抵抗が少ないからだそうです。
これは面白い見解ですね(^^)
『BORA WTO 60』『BORA WTO 77』のスペック
カンパニョーロ『BORA WTO 60』
【仕様】チューブレス対応クリンチャー
【重量】フロント670g、リア880g(前後1,550g)
【リムハイト】60mm
【リム幅】外幅26.4mm、内幅19mm
【ブレーキ面加工】3Diamantトリートメント、AC3(All Conditions Carbon Control)
【ハブ素材】アルミ
【ベアリング】USB(Ultra Smooth Bearings)
【スポーク】新型ダイヤモンド形状
1550gという重量は、決して「軽量」とまでは言えませんが、
60mmハイトのクリンチャー、リムテープ不要だと考えれば、
十分ではないでしょうか?
ブレーキ面の特殊加工「3Diamantトリートメント」はもちろん、
ウエット時の制動力を43%高める溝「AC3」も、現行モデルから継承。
カウンターウェイトによってチューブバルブ分の
ホイールバランスを最適化する「Rim Dynamic Balance」も健在です。
チューブレス対応クリンチャーのみなのは、
チューブラーよりも実験上「転がり抵抗」が小さいから。
87kgのライダーが45km/hで走行した場合、
次のような「転がり抵抗」結果になったそうです。
- 最速のチューブラー:30w
- 最速のクリンチャー+チューブ:28w
- 最速のチューブレス(Schwalbe Pro One):25w
カンパニョーロ『BORA WTO 77』
【仕様】チューブレス対応クリンチャー
【重量】フロント745g(リアは無し)
【リムハイト】77mm
【リム幅】外幅26.4mm、内幅19mm
【ブレーキ面加工】3Diamantトリートメント、AC3
【ハブ素材】アルミ
【ベアリング】CULT(Ceramic Ultimate Level Technology)
【スポーク】新型ダイヤモンド形状
TTでの使用(リアはディスク)を前提に考えているため、
『BORA WTO 77』には、リアホイールのラインナップがありません。
バトンホイールが見送られたのは横風に弱いから。
そして、77mmという中途半端なリムハイトは、
75mm、80mmよりも優秀な空力データが得られたからです。
















