松木です。
ブレーキは「BR-9000」+「Bontrager コルクパッド」という組み合わせで、
あまり疑問に思うことなく使っていました。
「コルクパッドってあまり効かない気がするな」といった程度の認識。
ですが、下りがただでさえ苦手なので、
「ブレーキぐらいは納得いくものを使っておきたい」と思い、
制動力を比較する実走実験を行うことにしました。
上の新旧デュラエースブレーキ「BR-9000」と『BR-R9100』に加え、
代表的なカーボンリム用シュー3種類を用意して比較していきます。
- SWISS STOP「BLACK PRINCE(ブラックプリンス)」
- CAMPAGNOLO純正パッド
- BONTRAGERコルク製パッド
果たして、どの組み合わせがベストなのでしょうか‥‥
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実験方法
近所の峠「勝尾寺」(標高差255m、平均勾配5.7%)の下り、
ホイールは「AEOLUS 5」のカーボンクリンチャーで実験。
前ブレーキ2種類×パッド3種類で計6パターンあります。
勝尾寺を1回上り下りする毎にブレーキかパッドを入れ替え、
計6回上り下りして、6パターンの制動力の感触を確かめていきます。
これを、感覚の途切れない一日の内に行いました。
「R9100」「9000」デュラブレーキのスペック比較
実走前に「R9100」と「9000」ブレーキを比較しておきます。
まずは、実測重量測定。
「9000」が150g(ギザワッシャー、枕頭式ナットあり)。
対する「R9100」は164gでした。
『R9100』のほうが重いのは、
左右ピボット間をつなぐ「金属ブースター」が追加されているからです。
このブースターのおかげで
「9000」よりも、たわみを43%減少できるそう。
もう一つ『R9100』が重くなっている原因が「ボディの拡大」。
縦と横の幅、両方とも1cm弱広く、見るからにゴツい‥‥
その反面、上の赤丸の部分が
エアロ形状になっているのはカッコ良いですね。
ロードバイクに取り付け、シューの位置を調整した後、
「ピボット―シューホルダー(フネ)間」の距離も測定してみました。
この距離が短い程”たわみ”が少なく、制動力が強くなるとされますが、
「9000」と『R9100』ではほぼ同じ距離(1mm以下の差)でした。
触っていると「9000」と『R9100』で、大きく異なる点を発見。
上のように握り、ブレーキを引いた際と同じ動きをさせてみると、
『R9100』のほうが断然軟らかい!
「9000」の2/3ほどの力で動いてくれるので、
この時点で「『R9100』のほうがレバーの引きは軽いだろうな」と予想がつきました。
これはおそらくスプリングの強さが、
「9000」から改善された(弱くなった)ためだと思います。
実走比較インプレッション
先に結果を表にまとめておきます。
「BR-9000」 | 『BR-R9100』 | |
引きの軽さ | 普通 | 軽い |
強く握った場合 | 制動力は十分 | 制動力は十分 |
弱く握った場合 | キュッと止まる | ややマイルド |
コントロール性 | アルミリム:▲ カーボンリム:〇 |
アルミリム:〇 カーボンリム:▲ |
予想通り「引きの軽さ」に関しては、
『R9100』のほうが明らかに軽かったです。
これは「9000」の時から、そうして欲しかった‥‥
続いて「制動力」。
まず「時速60km/h程度から強く握る」といった場面では、
両モデルとも十分に効き、明確な差は感じられませんでした。
ですが、プロが時速100km/h近いダウンヒルをこなし、
ブレーキ本体にとても強い力が加わる際には、
「R9100」の金属ブースターが活きてくる可能性はありますね‥‥
次に「軽く握ってスピードコントロールする」といった場面。
若干ですが『R9100』のほうがマイルドに感じました。
試しに超低速で軽くブレーキしてみても、
「9000」だとカクカク止まるのですが、
『R9100』だと、そのカクカク感がほんの少し小さい。
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「BR-R9100」と『BR-9000』のどちらが良い?
制動力のイメージをグラフにすると、下のようになります。
そして、個人的には、
「9000」のほうが最初からよく効いてくれて、
スピードコントロールしやすいと思いました。
ただし、アルミリムだと事情は変わるような気がします。
アルミリムは、カーボンリムよりもブレーキの効きが強くなるため、
「9000」だと「効きすぎてコントロールしにくい」のではないかと考えます。
以上、「BR-9000」と『BR-R9100』を両方使った結論は、
- 制動力差は小さいものの、低速域では「9000」のほうが少し強い感じがした
- カーボンリムには、常に制動力の高い「9000」のほうが向いている
- アルミリムには、コントロール性に優れる「R9100」のほうが向いている
- 外見は、シルバーの色合いと、スマートなグラフィックを持つ「9000」のほうが好み
カーボンブレーキパッド3種類の比較実験・結果に続きます‥‥
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初めまして。
不躾ながら参考までにと思いまして、表題ブレーキ比較の件についてコメントさせて頂きました。
松木さまの仰る通り全くの同感です。当職は8000と9000という比較を、しかもロードに比べて同じ距離スピードの場合、回転数が多い小径車で比較しました。
リムはALEX R390のアルミ、シューはシマノ純正です。貴殿の通り時速40キロ位だと、圧倒的に8000の方がマイルドでロックしづらく、9000はガッと止まる感じでした。カーボンリムで比較すると、シュルシュル感を感じる時間は9000の方が短くコントロールしやすいです。
どちらも良いブレーキであることには変わりませんが、小径車のようにガンガンにスピードが出せないようなものには総じて8000、9100の方が微調整はし易いかなと思いました。
突然でしたが、失礼いたしました。
浜田さん、はじめまして(^^)
貴重な情報ありがとうございます。
BR-R8000もBR-R9100とおおよそ同じ感触のようですね!
BR-R8000(又はR9100)には「たわみ防止」用の金属ブースターが挟まれており、
そのことを考慮するとBR-9000よりも効きそうな気がしますが、
実際に試してみると”逆”というのは面白い所です。
浜田さんのおっしゃる通り
「低~中速(小径車)やアルミリムでは、コントロールしやすいR8000、R9100、
絶対的な効きが必要ならば9000」というのが、同じく私の結論ですね(^^)