松木です。
2013年の発売以来、
『EVADE』は、数あるロードヘルメットの中でも
選手の勝利を最も多く支えたヘルメットな気がします。
2014、2015、2017年、
ロード世界選手権男子エリート優勝者のヘルメットは、
スペシャライズド『EVADE(イヴェード)』でした。
また、「実績」のみならず、
自社風洞施設での実験結果に裏打ちされた
「データ」面からも確かな性能を誇っています。
そんな『EVADE』が、2018年遂にモデルチェンジします。
『S-Works EVADE』
完全に一から作り直したというよりは、
「空力」「軽量化」を押し進めている印象。
既にボーラ・ハンズグローエと
クイックステップ・フロアーズの選手達によって使用されています。
どういった特徴があるのか、一足先にチェックしてみます。
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2018年『S-Works EVADE』の特徴
正面
サガンが被っているヘルメットが「旧型」、
左の選手が被っているのが「新型」です。
大まかなシルエットは似ているものの、
エアインテーク(通気口)に改良が加えられています。
スペシャのロゴの下に位置する
3つのエアインテークがコンパクトになっている上に、
頭頂部にあった2つの大きな穴は見当たりません。
旧型を上から見ると、こんな感じ。
そして、こちらが『S-Works EVADE』。
頭頂部のエアインテークは無くなったのではなく、
「旧型」よりも後退し、更に2つから1つに減らされて、
かなり目立ちにくくなっているんですね。
側面
左が「旧型」で、右が「新型」。
側面から見ると、
”ゴツッ”としていた外観が、
”ツルン”としたのがよく分かります。
後ろのほうにあったエアインテークは完全に廃止。
耳の上付近の穴も随分と小さくなっています。
加えて、後ろに伸びていたツノが明らかに短くなっており、
現在の主流である「ショートテール化」が加速した形状に。
背面
背面に2つ大きく開けられていた空気排出口。
3ブロックに増やされています。
これは、ボントレガーの「バリスタ」に似ていますが、
上の赤線のような空気の流れを
想定しての変更だと考えられます。
エアインテークを減らして「空気抵抗」を抑えつつも、
空気の流れを緻密に計算し、製品に落とし込むことで、
暑い日でも使えなければいけません。
旧型でもエアロヘルメットの中では、
比較的優秀な「クーリング性能」を備えていましたが、
『S-Works EVADE』は旧型よりも
高いクーリング性能を獲得させているそうです。
マグネット式の顎ひも
後頭部のアジャスターに大きな変更はありませんが、
顎ひもの固定ストラップが、”マグネット方式”に変更。
より楽に着脱できるような配慮がなされています。
また、マグネット式のほうが見た目にもスマートです。
厚み
「旧型」には、なかなかの”厚み”がありました。
対する「新型」のほうは圧倒的に薄い。
おかげで前傾姿勢がキツくなって上目遣いの際に、
ツバの出っ張りが視界に入りにくいでしょう。
細かく注目すると、サイドのアウターシェルを
下側に巻き込ませているのもカッコイイですね(^^)
S/Mサイズ実測重量
S/Mサイズの重さが247g。
「旧型」の実測が、S/M:285g、L:300g
であったことを考えると、なかなかに軽量。
正当進化した『EVADE』
エアインテークの”数”、”配置”が最適化され、
ロードレースで必要な「放熱性」を保ちつつ、
40㎞走行で旧型よりも6秒短縮できる
さらに高い次元の「空力」が突き詰められています。
そして、スマートになったシェルは外見が良いだけでなく、
「軽量化」にも寄与していました。
『S-Works EVADE』は、
スペシャライズドの持つ”知識”、”技術”、”経験”、
それらすべてが詰め込まれたヘルメットと言えるでしょう。
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