松木です。
ロードバイクのエアロを追求するのに無視できないボトル。
今回は、ボトルで空力を高めて速く走るための話です。
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目次
エアロボトルの空力学的効果
ロードバイクにボトルを取り付けると
実際の空力はどうなるのでしょうか?
スペシャライズドが行ったボトルに関する風洞実験と、
ELITEが発表しているエアロボトル「KIT CRONO CX」の効果、
これらの組み合わせたタイムアドバンテージ(距離40km)は次のようになります。
- 「KIT CRONO CX」&ダウンチューブ 基準
- 通常のボトル&サイクルジャージの背中ポケット+11秒
- 通常のボトル&ダウンチューブ+24秒
- 通常のボトル&シートチューブ+49秒
横の出っ張りが少なく、前三角の下の部分を埋めるエアロボトルは、
「ダウンチューブ⇒シートチューブ&後輪」への空気の流れを整えてくれます。
実験では「ボトル無し」との比較がありませんが、
「エアロボトル&ダウンチューブ」のほうが空力学的に優れているため、
プロ選手は、水分補給の必要ない短いTTでも、
あえてエアロボトルを取り付けているのだと考えられます。
この場合、通常のボトルだと逆に遅くなってしまいます。
エアロボトル3社比較インプレッション
今まで、3種類のエアロボトルを使ってきました。
なるべく良さそうなものを選りすぐって試してきましたが、
実際に使ってみると、意外な欠点が見つかったりします。
①Specialized「Virtueエアロボトル」(廃版)
一番最初に購入したエアロボトルが、
スペシャライズド「Virtue」(ヴァーチュー)。
価格は¥2,520(ケージ込み重量159g)で、
一般的なボトル+ボトルケージと変わりない価格でした。
このエアロボトルは、
横面積が広く、前三角を綺麗に埋めてくれてエアロ効果は高そうでしたが、
ボトルとケージの間に隙間があり、
走行中のガタガタ音が気になって仕方がありません。
通常のボトルと違い、
エアロボトルは両側から挟み込む固定方式なので、
設計が甘いと、走行中の振動で暴れて音が出てしまうんです。
それに、安っぽいチープな見た目は好きになれませんでしたし、
出し入れする毎に、細かい擦り傷が増えていく素材が良くありませんでした。
②Elite「Kit Crono CX」(エリートキットクロノCX)
プロがこぞって使う、エリートのエアロボトルです。
詳しい構造は、以下のブログで紹介してくれていますので割愛。
容量500ml、価格¥4,000円、ケージ込みの実測は94g。
通常のボトル単体で90g前後ありますから、かなり軽いですね。
コンパクトなデザインで、フレームによっては
ダウンチューブとシートチューブ、同時に装着することもできます。
精悍な黒にディンプル加工で、見た目もGOOD!!
ですが、このボトルもガタガタ音が酷い。
色んな方法で隙間を埋めようと試しましたが、
あまり上手く解決できませんでした。
その上、ボトルの蓋の接合が甘く、
そこから水漏れしてフレームがべちょべちょになりましたし、
飲み口の弁が小さ過ぎて、
レーザーのようにしか中身が出せずに十分な水分量が飲めません。
”使い勝手”という点では最悪‥‥
とても長く使おうとは思えませんでした。
③Arundel「Crono 2」(アランデルクロノ2)
そして、現在使っているのが、アランデル「Crono 2」。
容量500ml。
カーボンケージなので、価格は¥10,000とかなり高め。
実測重量は134g。
通常のボトル+樹脂製ボトルケージと同じぐらいの重さですね。
表面には、ゴルフボールのような小さなディンプル加工。
容器が半透明で、中の液体の残量が見えるのも便利です。
飲み口の開閉は、エリートみたいに弁構造ではなく、
口の上げ下げだけですが、漏れは一切ありません。
水の出る量も十分で、使い勝手の良さは通常のボトルと同等。
何より本体とケージがジャストフィットしていて、
走行中にガタガタ音がしないのが最高です。
難点は、ボトルを出し入れするのが固めなことですが、
これは「ガタガタ音」や「必要な保持力」とトレードオフなので仕方ない部分でしょう。
実際に3種類のエアロボトルを試してみて、
ずっと使いたいと思えたのは、このアランデル「Crono 2」だけです。
アランデル Crono2 エアロボトルケージ+ボトル(UCI準拠)
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松本様、いつも楽しく読ませて頂いております。
エアロボトルのお味については如何でしたでしょうか。
飲料水にプラスチックのようかポリプロピレン臭が移るボトルが当たり前に出回っているので気になっております。
フレーム内にハイドレーションするシブもエアロ的に魅力的でしたが、水に臭いがつくのがダメで全く使ってません。
ボトルの色が白い、透き通っているのは良いですね。
残量を視認できる事はもとより、太陽光発熱を抑えてる感があります。
ただでさえ表面積を広くとる形状(平べったくディンプル)が真っ黒だと、夏場はたちまちのうちに飲み物が飲めないものに変わってしまいますから。
陰陽クン さま
ブログご覧いただきありがとうございます。
おそらくトライアスロンをされているのだと思いますが、気温が高いところで長時間ボトルに水分が入ったままになるので、特に臭いが気になりますよね(^_^;
アランデルエアロボトルの臭いに関しては「多少移るけども私は気にならない」です。
ポーラーなどの一般的なボトルと同程度と言えば分かりやすいかもしれません。
今から30年前、カンパからエアロボトルが2種類発売されていました。私は二重構造の保冷機能があるタイプを愛用していました。当時はカンパからもエアロタイプのヘルメットが発売されていた時代です。懐かしいなぁ。
ヒサちゃん さま
ブログご覧いただきありがとうございます。
カンパのエアロボトル調べてみました。
取っ手がある面白い形をしていますね!
これが元祖なのかもしれません。
当時は各社から様々なエアロパーツが発売されていました。
デュラエースのエアロタイプのハンドルステム、シートポストにアラヤのエアロリム、エアロスポーク(きしめんスポーク)などがありました。
当時私はデュラエースのエアロタイプのステム、シートポストを愛用していましたが、ステムのほうは固定力が甘く使い物になりませんでしたので、元々付けていたチネリに戻した経緯があります。
当時はハンドルの下ハン部分を地面と平行にセッティングするのが常識でしたが、市川雅敏選手は極端に斜めに固定していました。ブラケット部分が斜め上にせり上がる感じです。これを見よう見まねで取り入れたところ、デュラのステムでは全く固定できなかったのです。ブラケットに体重を乗せたとたんハンドルガクッと下に落ちるほど固定力が甘かったのです。
当時、お店の走行会でもハンドルを斜めにしていると不思議がられるほどでした。今ではこのセッティングが当たり前になるのですから、おかしなものですね。
ヒサちゃん さま
調べてみましたが、どれも面白いパーツですね!
デュラエースの固定方式は横から押さえつけるような構造で、
確かに固定力は甘そうです(^^;