松木です。

 

代表的な3種のエアロポジションのパワー削減効果検証実験を紹介

TTポジション(先頭)とドロップハンドルポジション(二人目)。

 

代表的な3種のエアロポジションのパワー削減効果検証実験を紹介

それに、ブラケットエアロポジション

 

「果たしてどのエアロポジションが最速なのか?」

 

長らく抱き続けている疑問です……

 

 松木です。 スペシャライズドの風洞実験を紹介。 第四弾は『エアロフォーム』です。 最も風を受ける身体に関わる部分だけあって、その効果は絶大です。 ~関連記事~【速く走るための風洞実験・エアロ効果①】身体各部の毛を無くすと?【速く走るための風洞実験・エアロ効果②】フレーム、ホイールなど各種装備【速く走るための風洞実験・エアロ効果③】ドラフティングの秘密【速く走るための風洞実験・エアロ効果⑤】頭の位置に留意せよ!【速く走るための風洞実験・エアロ効果⑥】ケーブル内蔵って意味あるの?...

 

 松木です。 2017年全日本ロードにおいて逃げ切り優勝した畑中選手。綺麗なエアロフォームです。 「先頭を引く」「逃げを決める」際に、理想的なエアロポジションを取り、少ないパワーで楽に、かつ速く走れることは相当に重要なこと。 脚を残すことは、レース結果にもろに直結しますからね。   Cycling Weeklyの記事の中に「空力」と「手と肘の位置」に関する興味深いものがありました。 今回は、”何となく見様見真似をしている”だけに過ぎないエアロフォームについてもう少し突き詰めて考え...

 

自身でも色々と調べはしておりまして、
次の事実だけは把握していました。

 

  • TTポジションのエアロ効果は絶大
  • ブラケットエアロはドロップハンドルより有効
  • 理想のブラケットエアロポジションの取り方

 

「やっぱりTTポジションの空力は別格だった……」 いきなり答えを言ってしまっているが、その1に引き続き各ポジションの空気抵抗を調査してきたので結果を記していきます。その1を読んでいない方はこちらからどうぞ↓ https://vsttbike.hatenadiary.jp/entry/2018/09/10/141632 検証場所はその1と同じくストラバの治水橋区間だ。今回は北上と南下の二つのセグメントで検証した。 ポジションは、ドロップハンドルポジション→ブラケットエアロポジション→TTポジションの順番で1往復毎に変えて走行し、各ポジション4往復の計12往復走行して計測...

 

ですが、この度、とある方が
「上記3種類のエアロポジションのパワー比較」
を実施しましたので、少しだけ補足しつつ紹介。

 

大変興味深い結果を公開してくれています(^^)

 

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3種類のエアロポジション比較テスト

代表的な4種のポジションのエアロ効果検証実験を紹介

実験場所として選ばれているのは、
荒川沿い、治水橋(じすいはし)区間のド平坦1km。

 

第一回を9月10日に実施(9月16日の追実験は途中で打ち切り)

まずは「ブラケットエアロ」「ドロップ」の2種類を比較。

詳しくは、以下のテスト記事をどうぞ↓

 

今月の23日に秋の下総クリテリウム内でたった1周のタイムトライアルが行われる。 たった1周、距離にして1.3㎞(スタート地点はみんなのTTジャパンの時よりも200m程前方だと思われる)と言う事で、ノーマルバイクで走ってもAve50km/hに近づくのではと思われる。2014年の春の下総クリテリウム内でも行われたが、その時の優勝者の結果はAve49km/h程だった。 自分は下総で行われるTTジャパンの時は、肘を90度近くに曲げてブラケットの先端を掌で掴む『ブラケットエアロポジション』で走っている。 ふとブラケットエアロポジションはドロップ...

 

  • 45km/h走行において、ブラケットエアロのほうが-12w低くなった
  • 両ポジションの「頭」の高さはほぼ同じだが、「手」「前腕」に違いがある
  • 乱流の発生源となるブラケットの角を「手」で覆うことで、整流効果が生まれる
  • 「前腕」が地面に対して平行となることで、前面投影面積が小さくなる

 

 

続いて、第二回を9月26日に実施。

「ブラケットエアロ」「ドロップ」に「TT」を加えた3種類を比較。

 

テスト本数を増やして信憑性を高めるため、
体力面を考慮して、目標速度を40km/h弱に下げています。

 

「やっぱりTTポジションの空力は別格だった……」 いきなり答えを言ってしまっているが、その1に引き続き各ポジションの空気抵抗を調査してきたので結果を記していきます。その1を読んでいない方はこちらからどうぞ↓ https://vsttbike.hatenadiary.jp/entry/2018/09/10/141632 検証場所はその1と同じくストラバの治水橋区間だ。今回は北上と南下の二つのセグメントで検証した。 ポジションは、ドロップハンドルポジション→ブラケットエアロポジション→TTポジションの順番で1往復毎に変えて走行し、各ポジション4往復の計12往復走行して計測...

 

  • ドロップを基準として、追い風では、ブラケットエアロ-18wTT-15w
  • ドロップを基準として、向かい風では、ラケットエアロ-20wTT-39w

 

「風向きによって、ブラケットエアロとTTが逆転している」点は一貫性に欠けますが、
現実世界の実走テストは、風洞施設ほど安定した環境ではないので仕方ありませんね……
(その反面、「実践そのままの環境におけるテスト」なのは大きなメリット)

 

とは言え、「TT>ブラケットエアロ>ドロップ」には違いなく、
「どの程度パワー削減できるのか?」も十分垣間見れる有効なデータかと。

 

ちなみに、40km/h走行で-20w削減できれば、速度はおよそ+1km/hアップ

こりゃ美味しい(^^♪

 

 

代表的な3種のエアロポジションのパワー削減効果検証実験を紹介

ところで、最速であると分かった「TTポジション」。

自分はほとんど使ってません……(というより使えない)。

 

  • すぐに変速できない⇒非効率
  • すぐにブレーキできない⇒危ない
  • 上半身が不安定になり、変に力んでしまう⇒強い体幹が必要
  • ハンドリングが不安定⇒横風の吹く環境、荒れた路面だと危ない
  • 脚が上死点を通過する際に詰まる感じが強い⇒高い柔軟性が必要

 

使用できる状況は限られていますし、同時に、
そう簡単に取れるポジションでないとも感じてます。

 

代表的な3種のエアロポジションのパワー削減効果検証実験を紹介

先頭を走る際は、ほぼ100%の時間「ブラケットエアロ」。

 

先ほど挙げたTTポジションのデメリットを軒並み払拭できますし、
「空力」が多少犠牲になったとしても、長時間高出力を維持できる
自分にとってのベストバランスなポジション。

 

「ドロップ」「ブラケットエアロ」「TT」

 

どれか1種類に固執することなく、
シチュエーションごとに最適なポジションを
選択することを意識しながら走りたいですね(^^)

 

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