松木です。
日本時間17日の夜中に幕を閉じたブエルタ・ア・エスパーニャ。
総合優勝の栄冠を手にしたのは、
ミッチェルトン・スコットのサイモン・イェーツ。
フルームが劇的な大逆転の走りを魅せた
5月のジロ・デ・イタリア第19ステージ。
マリアローザを着用して王手をかけていたイェーツは、
逆に、大失速の悪夢に見舞われてしまいました……
そういった経緯もあり、今回のブエルタ総合優勝は、
彼にとってさぞ特別なものだったのではないでしょうか?
身長172cm、体重58kg。
世界屈指のクライマーであるイェーツ。
自分にとっても、彼がどんな機材で走っていたのかは、
非常に興味あるところです。
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目次
ブエルタ覇者サイモン・イェーツの使用機材
フレーム:SCOTT『ADDICT RC』 50サイズ(サドル高698mm)
コンポ:Dura-Ace『R9150』(クランク長170mm、チェーンリング54-42T、スプロケ11-28T)
ペダル:Dura-Ace『PD-R9100』
ホイール:Dura-Ace『WH-R9100-C40-TU』
タイヤ:Pirelli『P Zero Velo』チューブラー
ハンドル&ステム一体型:Syncros『RR1.0 Aero』(C-C400mm、ステム長110mm)
バーテープ:Syncros製のグリップタイプ
シートポスト:Syncros『Carbon FL1.0』25mmオフセット
サドル:Syncros『FL1.0』(『FL1.5』をベースとした非売カーボンレールモデル)
ボトルケージ:Elite『Leggero』
ジャージ&ビブ:Giordana(ジョルダーノ)製『Mitchelton-Scott FR-C 』
サイコン:Garmin『Edge 520』
ヘルメット:SCOTT『Cadence Plus』&『Centric Plus』
シューズ:SCOTT『Road RC』
サングラス:SCOTT『Sport Shields 60th Sunglasses』
パワーメーター:Shimano『FC-R9100-P』
概ね、SCOTT、その傘下のパーツブランドSyncros(シンクロス)、
そしてShimanoといった、3つのメーカーで固められています。
上記の仕様が標準ですが、
山岳ステージでは、スプロケの歯数を11-30Tにしたり、
逆に、平坦ステージにおいては、ホイールを『WH-R9100-C60-TU』に変更。
【フレーム】SCOTT『ADDICT RC』
チーム内では、エアロロード『FOIL』を愛用する選手も多い中、
イェーツは、もっぱらオールラウンド『ADDICT RC』の方を選択。
フレーム790g、フォーク300g。
(超軽量ではないものの、「6.8kgルール」がある以上、
フレームの総合性能を最大化するには、この程度がベスト)
軽くて硬く、反応性の良い『ADDICT RC』は、
クライマーとの相性が抜群。
イェーツも気に入っているのだと思われます。
『ADDICT RC』に使用されていカーボン繊維は、
高弾性のものにSCOTT独自の改良を加えた特殊繊維『HMX』。
ミドルグレードフレームに用いられる『HMF』と比べ、
同強度で、より薄く、軽く作ることが可能な半面、
なんと3倍の値段が掛かるのだそう……
【タイヤ】Pirelli『P Zero Velo』チューブラー
ミッチェルトン・スコットは、
Pirelli(ピレリ)からタイヤ供給を受けている唯一のプロチーム。
そして、開発段階にあり、まだ市販されていない
チューブラーモデル『P Zero Velo』を主に履いていました。
(コンチ『Competition Pro LTD』25cも同時に使用)
Pirelliが誇る最先端テクノロジー素材
『SmartNET Silica』コンパウンドなんかは、
クリンチャーモデルと変わらないはずです。
ですが、上のクリンチャーモデルと比べると、
グリップを意識し、サイドの模様を増やしている事が見て取れます。
そして、タイヤ内に封入されているチューブは、
「極上の乗り心地」と「低い転がり抵抗」を実現できる”ラテックス”ではないかと予想。
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【ハンドル&ステム】Syncros『RR1.0 Aero』
(ハンドル下に取り付けられているのは『クライミングシフタースイッチ』)
ハンドル幅420m、ステム長110mmで395gです。
「軽さ」よりも「剛性」「エアロ」を重視。
ここで、他メーカーの一体型ハンドルを比較してみると、
- Bontrager『XXX Integrated』234g(C-C420mm、ステム長110mm)
- Deda『Alanera(アラネラ)』350g(C-C420mm、ステム長110mm)
- Most『Talon Aero Compact 1K』410g(サイズ不明)
- PRO『Stealth Evo』410g(C-C400mm、ステム長90mm)
やはりボントレガーは、断トツの「軽さ」ですな……
【ボトルケージ】Elite『Leggero』
僅か15gのボトルケージ。
通常、こういった見るからに”ひ弱”そうな軽量パーツは、
ハードユースするプロの間で好まれない傾向にありますが、
以前紹介したゲラント・トーマスのバイクも『Leggero』だったあたり、
「ホールド力」「強度」は、かなり信頼されている様子ですね(^^)
【ジャージ&ビブ】イタリアGiordana製
ジャージ&ビブは、
日本では全く馴染みのないGirdana(ジョルダーノ)。
適材適所に異なる生地を使い分け、
「フィット感」「通気性」「軽さ」を兼ね備えた
高品質ウェアという印象。
【その他ウェア類】SCOTT製
ヘルメット、サングラス、シューズは、SCOTTで統一。
ヘルメットは、エアロモデルの『Cadence Plus』(左:280g)か、
高温、もしくは山岳のステージでは『Centric Plus』(右:250g)。
シューズ『Road RC』(US8.5≒27.ocmで245g)
そして、サングラスが『Sport Shields 60th Sunglasses』。
随分とカジュアルな(笑)
【パワーメーター】Shimano『FC-R9100-P』
パワーメーターに関しては、SRMを止めて
今シーズン序盤あたりからシマノ製に変更。
現在、「サンウェブ」「BMCレーシング」「グルパナFDJ」
「トレック・セガフレード」「ディレクトエネルギー」なども使用。
プロの間で徐々に浸透しつつあるようです(一般ユーザーの間ではイマイチですが)
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