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前日の記事DAY21の走行データDAY21後編、目を疑う光景「ほうほう、なるほどねぇ~」 木々に隠れて見えなくなるまで延々と続く階段。先に進んでも次なる階段が待ち構えているだけ。「ずっと階段だ」とうかがっていた言葉に偽りはなそう。 「こりゃ、しばらく変化の乏しい退屈な時間になりそうだなぁ…」 そう思った私は階段の段数を数えることを一種の「目的」「楽しみ」にすることにしました。先の大山ヒルクライムもそうでしたが、『苦しいのに変化が無い』というのが最も辛いので、自分なりに何かしらの「変化」を設け...

DAY22の走行データ


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DAY22 最後の日

6時起床。

2日前にパソコンが壊れたおかげで
宿に着いてからすることが すっかり無くなり、
睡眠時間だけはしっかり取れてます(笑)

 

「うぅぅ……さっぶ……」

 

バルコニーに出て外の空気に触れます。

晴れやかな天気ですが、
ここ蒜山(ひるぜん)高原は標高600m近くに位置するため
4月下旬になったとはいえ、早朝はかなり冷え込みます。

 

(ぐぅ~~~~)

「腹減った、、、早く朝ごはん食べたいなぁ~」

 

昨日は大山を散々登ったにもかかわらず、
夜に食べたのは、ゆで卵3個とわずかなジャムだけ。

宿近くにな~~んもなくて、飢え死にしそうでしたよ(^^;

 

朝食には、ホテルのビュッフェを予約していました。

それまでに出発の準備を済ませて7時半。いざ食わん!!

 

蒜山の食材などを使った惣菜。

 

ちょっと変わったセルフで作るサンドイッチ。

 

飲み物は、蒜山ジャージー牛乳など。

 

大きいプレートの料理だけ必ず付いてきて、
それ以外はバイキング形式。

全おかずと飲み物を一つずつ取って、ご飯はドラゴンボール盛りで。

 

「よっしゃー、食べるぞぉー(๑´ڡ`๑)ジュルリ」

 

(ガツガツガツ!)

 

 

「ふぅ~~、美味しかった!(。-人-。)ゴチソウサマデシタ」

 

余裕の完食です(パンとご飯はおかわりした)

これで今日一日をガス欠にならずに乗り切れそうです(^^)b

 

 

ちなみに今日の予定ルートは、
まず蒜山高原自転車道をぐる~っと一周。

その後、482号線でJR用瀬(もちがせ)駅まで東にひた走りますが、
「やっぱ最後は峠でしょ!」ってことで人形峠を越えていきます。

 

以上、距離100km弱、獲得標高1100~1200mUPの行程です。

 

「んじゃまぁ、行きますか!」

 

0時の位置から時計回りに一周します。

 

蒜山高原自転車道は、こんな感じ。

DAY15で通ったメイプル耶馬サイクリングロードと同じタイプ、
「道幅の狭い自転車&歩行者専用道」です。

 

全長は29kmで、獲得標高が240m。

 

……という事前情報は頭に入れてますけど、
実際走ってみるとどう感じるのでしょうね?

 

「なんか右の国道のほうが良さそうだよな……」

 

北側の10km強は、ずーーっと国道と並行して走ります。

週末やハイシーズンはそれなりに交通量はあるのでしょうが、
この日はご覧の通りガッラガラ。

 

狭くて、ウネウネ曲がってて、車両止めポールが立ってて、
おまけに木の枝や葉が落ちてる自転車道よりも
普通に国道に出たほうがよっぽど走りやすかろうて。

 

……とは心の中で思いつつも
せっかくですから自転車道を走り続けましょうかねー

 

東端(3時の位置)まで進むと、それ以降は国道から離れます。

でも完全に離れるわけではなく、
数十m~200m右手には常に国道が見えている位置関係です。

 

曲がり角にはブルーラインが引かれてます。

加えて「蒜山自転車道」「〇〇km(1km毎)」
と書かれたポールも引っ切り無しに立ってますし、
これなら迷いようが無いですねぇ~(^^)

 

南西の4~5kmは旭川沿いを走ります。

 

「それにしても、ホントな~~~~んも無いなw」

 

蒜山高原自転車道は、
北半分が「高原コース」、南半分が「パノラマコース」という名が付けられています。

 

なので、さぞ広大な景色が拝めるんだろうなぁーと期待してたんですけど、
忌憚なく言って、こりゃただの殺風景な田舎道だぞ……

「蒜山ならでは」みたいな特別な光景は、ほとんど見当たりません(^^;

 

「ほっそΣ(・□・;)!?」

自転車がギリギリすれ違える極細道を過ぎた先、

 

南端(6時の位置)の1km+1kmのV字直線が、
パノラマコースのクライマックスですね。

 

右手のかなたに聳え立つ三座の山々。

左から順に上蒜山・中蒜山・下蒜山

どれも1100m以上あって、登山家たちにも人気みたいですよ!
(山を見ると「登り応えありそうか?」という目で見てしまうなw)

 

唯一と言っていい長めの上り坂(1km、50mUP)

ここに中国四国酪農大学が建っています。

 

校舎、寮、厩舎(きゅうしゃ)、大型タンク。

周囲には緑しかなくて、
否が応でも集中して酪農勉学に励める環境です。

 

西の端(8時の位置)、国道との交差点にコンビニ。

蒜山高原自転車道には、ここともう一か所コンビニがあります(3時の位置)

 

「おや?左の橋のたもとになんかいるぞ?」

 

「何だろう?まるでトーテムポールみたいだけど。」

 

ここまで度々目にしており、気になっていました。

どうやら蒜山とゆかりのあるキャラのようですが・・・

 

蒜山高原に住まう「スイトン(粋呑)」

悪人をそのでっかい口で食い殺す怪物らしいですね。

”スイー”と現れて”トン”と立つ、か(笑)


 

細道を通った先、
蒜山高原で最も栄えた北西エリアへと出て来ました。

 

前日、蒜山大山スカイラインから辿り着いたのがこの辺りですから、
昨日ホテルまで走った区間と合わせると、丸1周したことになります(^^)bビッ

 

蒜山高原自転車道走破!

 

走ってみての素直な感想は
「20~30km/hで のんび~りサイクリングを楽しむ一般人向けのコース。
私のように30km/hオーバーで走りたがるロードバイク乗りには向いてない。」

 

最初にも言いましたが、
狭くてウネウネ、枝葉も落ちていて速度を出して走りづらかったです。

それに蒜山高原自転車道を通ることで見れる絶景などもありませんでしたし。

むしろ国道(常に右手に並行している)を走ったほうが景色は開けていますし、
飲食店なんか多く立ち並んでいます。

 

普段自転車を乗らない人にとっては新鮮に感じられるとは思いますけど、
多くのロード乗りにとっては物足りなく感じるコースなんじゃないかと。。。

 

蒜山を離れる前に
ちょいと北西エリアを観光しておきましょう!

蒜山と言えば、このジャージー牛が有名ですけど、

ジャージー牛は、ジャージー島原産の乳牛で、
昭和29年にニュージーランドから蒜山高原にやって来て繁殖され始めた。

 

ジンギスカンBBQも相当数ありましたね。

食べ物系だと、ひるぜん焼きそばの店も多かったです。

他にもカフェ、パン屋、ブルーベリー園、ワイナリーなど、幅広くカバー。

 

また、観光・レジャー系ですと、

 

「持続可能な人の営みを、自然の中で考える。」
をコンセプトに据えた『グリーンレーベル蒜山』

子供連れの家族が楽しめる遊園地『JOYFUL PARK』

 

蒜山高原って だだっ広い大自然をイメージしてたんですが、
想像以上に色んな施設があって「観光地感」が強い印象です。

 

「………もうそろそろ行こうかな。」

 

逆に、サイクリスト一人では何もすることが無い場所ですので(笑)
一通り見て回って写真に収めたら、おおむね満足しました。

 

蒜山を離れ、ゴール地点用瀬駅へと向かいましょう。


 

現在時刻は10時10分。

用瀬駅までは66km。

電車発車時刻は12時36分、その次が14時41分。

前者なら全開で走ってギリギリ、
後者ならゆっくり走っても余裕。

 

「ここまでの22日間、一度も本気で走ってない。
最後ぐらいは自分らしく全力で行こうや!٩(๑`^´๑)۶フンッ

 

66kmの個人タイムトライアルがスタート。

 

 

「さっそく鬼の向かい風かい!(`皿´)グヌヌ

 

わずかに下り基調ながら、驚くほどスピードが乗りません。

エアロポジションを取っても30km/hやそこら。

 

この先、まだ1000m近く上りますし、
輪行袋に入れる時間なども考えると、このペースは結構マズいぞ……

 

10kmほど進んで名も無き坂。

距離2km/平均9%の中ボスクラス。

 

「どりゃぁぁぁぁーーーーー!!!!!」

 

いつもだったら蛇行するような勾配ですけど、
この時ばかりは一直線に300w近くまで上げて登り切りました。

 

「こんなところで時間を食ってちゃ間に合わん!」

 

そのピークを越えたら10kmの下り(400mダウン)

そこから先がいよいよ本番です。

 

人形峠

道路標識に載るほどの、大層立派な峠らしい。

平均勾配こそ5%程度ですが、
距離が8.5kmもある、最後に相応しい大ボスです。

 

残り44km、電車出発まで1時間50分……

 

数%から始まり、ビルドアップ的に勾配は上昇。

途中「虹の道(レインボーロード)」なる区間を通過。

 

「キツくはないけど……やっぱり長い、、、」

 

”急勾配”の電光掲示板。

この辺が最高勾配地点で、およそ7%

 

「そんなこと改めて書かんでも、登ってりゃ身に染みてますって(^ω^;)ハアハア」

 

35分かかって人形トンネルに到着。

 

ちなみに、国道の最高地点はここですが、
左に見える細い上り坂の先に人形峠の真の頂があります。

そこに辿り着くためには、
ここまで以上の急坂を更に200m近くも上らなければなりません。

 

興味はありますけど、時間がカツカツなので流石にパス。

 

残り35km、電車出発まで1時間15分……

 

少し下ってから再び上り。

これが正真正銘の最後の峠です。

 

「うおぉぉぉーーーーー!!!!!」

 

これまでの22日間、毎日苦しめられてきた坂道。

 

まるで憎き敵やライバルのように感じてましたね(笑)

その反面で「無いと物足りない」という求めていた存在でもありました。

 

そんな彼らのことを頭の中で思い出しながら
万感の思いをペダルに込めて駆け上がります。

 

山頂到達。

『用瀬24km』の標識が目に入ります。

 

電車出発まで残り45分……

 

「これ、本当に間に合うんか???」

 

輪行袋に入れる準備を考えると40km/hオーバーが必須条件。

しかも、、、

 

「ボボボボボ!!!!」

行く手に立ちはだかる強烈な向かい風。

 

「ゼェハァ!ゼェハァ!ゼェハァ!」

「身体がバラバラになりそうだ……」

 

全身を襲い来る疲労感、引き裂かれるような脚の痛み。

 

限界はとうに超えていましたが、
1分1秒が惜しい焦りと、全力を出し切りたいという本能のみが
私を突き動かしていました。

 

 

εεεε (っ*´Д`)っハアハアハア

 

Σ(゚Д゚)オッ!

 

 

「ついに線路が見えた!」

「でっ、でも駅が見当たらんぞ(゚Д゚;≡;゚Д゚)キョロキョロ」

 

すぐさまスマホで場所を確認。

 

「こっちか!」

(シャーーーー!)

「うわっ!入り口が反対側やん!」

(カツ!カツ!カツ!)

 

20kgの自転車を持ち上げて高架を越えます。

 

ゴール地点「用瀬駅」到着。

電車出発まで残り7分。

ホームへ移動し、急いで自転車を分解。

 

そうこうしている内に・・・

 

「まもなく電車が参ります。
危ないですから黄色い線の内側にお下がりください。」

 

「うわぁーーーきちゃったよーーー!
まだ輪行袋に入れられてねぇーーー!」

 

「あっ、あの~」

「はい?」

「中で自転車を袋に入れるので、乗らせてもらってもいいですか…」

「分かりました。どうぞ(ニコリ)」

 

車掌さんが、優しいお姉さんで助かりましたねぇ~(^^;

 

こうして私の22日間に及ぶ西日本自転車旅は終わりました。

 

力を出し尽くした虚脱感、そしてひとまず無事終えられた安堵感に
しばらくの間、ぼーっと車内の虚空(こくう)を見つめておりました。

 

 

「自分でも信じられないぐらい駆け抜けたなぁ…」

 

 

出発する前は「ボチボチ行こかー」ぐらいの心持ちだったのですが、
いざ始まってみると、荒れ狂う波のような怒涛の毎日が待っていました。

 

『出会い』

振り返った時、一番思い出に残っているのは”人”です。

人とのかかわりは、旅に彩りを与えてくれました。

 

『景色』

そこへ向かっている間のワクワク感と、目にした時の大きな感動。

旅の目的、指針であり、これ無くして進むことなどできません。

 

『体験』

「経験」というは、私が大事にしているものの一つです。

日々色んな所を巡ってりゃ、嫌でも非日常的な体験ができました。

これぞ旅の醍醐味だったと感じます。

 

『トラブル』

終始 悩まされ続けた左膝の痛み。そして大雨がもたらした悲劇など。

トラブルはできれば避けたいものですが、
その代わりに得られる”学び”は何ものにも代えがたいでしょう。

それに、旅を刺激的にしてくれる”スパイス”でもあったんじゃないかと。

 

 

・・・そんなことを2時間ほど ぼんやりと考えていました。

そして思考能力が戻ってきた頭で まず最初に考えたことは、

 

「次はいつ出発しようかな?」

 

今終えたばかりで心身ボロボロクタクタの状態。

それなのに心の片隅では
もう新しい旅を求めてましたね(^^)

 

「ふふっ、我ながら殊勝なこった。」

 

燃え尽き気味ですけど、心のほむらが再燃しだい旅立ちます。

 

日本一周『西日本編』完
(総距離1913km、獲得標高22497m)


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