松木です。
ちょっと気になるホイールがあるので、そいつを取り上げます。
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ジップ 454 NSW カーボンクリンチャーホイール
詳しくはこちらをどうぞ(笑)
基本的な情報はだいたい書いてくれてます。
ちなみに実測重量は1530gで、ほぼ公表重量(1525g)通りです。
自分が話したいのは、このホイールに対するインプレ。
乗ったことがあるわけありませんが、
サイクルモードでZIPPのホイールに触れることができたので、
その時のことと絡めて説明します。
※追記 シクロワイアードのインプレ記事↓
「858 NSW」登場↓
ZIPPというホイール
まずは、ZIPPホイール全般について言えることですが、
およそホイールに必要な性能を、すべて高い次元で兼ね備えています。
ZIPPホイールを使うアルベルト・コンタドールが何度もツールで優勝し、
ガベンディッシュがZIPPホイールで何十回とスプリントで勝利し、
TT世界選手権で後続に1分以上の差をつけて勝利したカンチェラーラが履いていたのもZIPP。
「速さを突き詰めていけばZIPPにたどり着く」
というのは紛れもない事実です。
特に、空力に関する力の入れ方が半端じゃなく、
全メーカーの中で間違いなくナンバーワン。
空力が如実にタイム差となって表れるトライアスロンとかTTで結果を出したいのに、
ZIPPホイールを使わないのなら、「本気で勝つ気があるの?」という所。
でも、「みんなZIPPホイール使いましょう!」
と声を大にして言いたいかと言えば、そうでもないです^^;
事実、ZIPPユーザーがそれほど多いわけでもないですし、
「ZIPP、めっちゃ良いわ~!!」
みたいな声もあまり聞きません。
つまり、「ZIPPホイールは良さが体感しにくい」という弱点があるんですね。
たとえ「最速だ」「競合メーカーと比較して●●W削減だ」と主張しても
それは体感することが難しいレベルの違いでしかありません。
それに比べると、他のメーカーのほうが体感できる良さがあったりします。
例えば、
”官能性のあるマビック”
”加速感バリバリのフルクラム”
”信頼性抜群のシマノ”
”見た目の良いカンパニョーロ”
”コスパの良いホイール”
など。
「乗った感じが気持ちいい」、「分かりやすい魅力がある」
ホイールのほうが選ばれやすかったりします。
ZIPPが最高のホイールの一つであることは間違いないんですが、
最終的な「体感できる良さ」という部分が弱いと感じます。
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ジップ 454 NSWの魅力
454に関しては、
その”分かりやすい良さ”
みたいなものがあるでしょうか?
まず、他のメーカーにはない独特の機構を備えた新型ハブ。
(※フロント110g、リアハブ225g)
磁力でフリーのラチェットが離れて、
空転時の抵抗が半分程度になる構造になっています。
(※構造上、潤滑する必要はありません)
この構造、発表当時からすごく気になっていて、
サイクルモードで見つけたんで、
期待ながら手で回してみたんです。
すると
「えっ!?めっちゃ抵抗感じるけど!?」
普通より重いぐらいだったんですね(^^;
高速ほど威力を発揮するのかもしれませんが、
この点、新型ハブにはがっかりしてしまいました。
それなら、454の代名詞である波打つリムはどうか?
これによってもたらされる
「横風にあおられにくく、減速感が少ない」
というのは、ちゃんと感じられると思います。
旧型の404との比較です。
(2009年という、ずいぶんと古いホイールを持ち出したな‥^^;)
正面からの風に対しては、違いはありませんが、
ヨー角10~15度に関しては5W近く削減できてますね。
(おそらく時速40kmぐらいで走っている状態の話)
やはり、波打つリムの効果は科学的な実験上は
ちゃんと証明されているようです。
ただ、実用上は7.5°程度までの風はほとんどで、
その内0°の風が50%程度を占めるそうですから、
速く走るためには、0°付近の空気抵抗が一番重要になります。
まぁ、「急な横からの突風に煽られにくい」というのはあるでしょうね。
ZIPP 454 NSWは”買い”か?
別に「買いだ」とまでは思いません。
「確かに速いけど、乗ったときの気持ち良さは感じにくいだろうな~」
という印象なのが、最大の理由ですね。
価格も57万以上で、バカ高いですし、
それに、見た目を嫌がる人も多そうです(^^;
興味を持たれる方は多いかもしれませんが、
自分で購入してまで乗ってみたいという人は少なそうです。
ただ、金銭的な余裕があるトライアスリートなら良いかもしれません。
『ZIPP 454 NSW』
性能評価:75点
コスパ:20点
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