まず気をつけておくべき点として、
「ZWIFT内の体重、身長、出力、フレーム、ホイールには、
現実世界の知識があまり当てはまらない」ということ。
ZWIFT特有のアルゴリズムにより速度が決定されているため、
ZWIFTで速さを追求したいなら、
ZWIFT内のデータを調べる必要があります。
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目次
- 1 速く走るための結論 Ver.2022
- 2 最新のスピードデータ Ver.2022
- 3 機材選択の参考になるページ Ver.2022
- 4 全フレーム・ホイールの入手方法 Ver.2022
- 5 各条件での計測タイム比較@Richmond「2015 UCI Worlds Course」(2016年1月実施)
- 6 ロードフレームTop5の計測タイム比較@Watopia「Figure8」(veloviewer)(2017年11実施)
- 7 『トロンバイク』VS『ZIPP』VS『Lightweight』@Watopia「Figure8」(veloviewer)(2017年11~2018年3月実施)
- 8 ヒルクライムでの計測タイム比較@Watopiaにある3つの峠
速く走るための結論 Ver.2022
先に結論を話しておきます。
【単純な速さ】
- 「体重」によるタイム差は想像以上に大きい
- 「平地」「下り」で最速なのは、
CADEX『CADEX Tri』+DT SWISS『ARC 1100 DICUT DISC』 - 急勾配の走行時間が半分以上占めるコースで最速なのは、
Felt『IA2.0』or SCOTT『Plasma RC Ultimate』+DT SWISS『ARC 1100 DICUT DISC』
(ただし、ほとんど登りならLightweight『Meilenstein』にしたほうが速い)
【ロードレース】
- 総合力No.1のZWIFT『Concept Z1』(以下『C Z1』)を選んでおけば間違いないが、以下のように使い分けると有利になる
- 『Concept Z1』に近い総合力があり、特に平地で速いのは
SCOTT『Addict RC』+DT SWISS『ARC 1100 DICUT DISC』 - 『Concept Z1』に近い総合力があり、特に登りで速いのは
SCOTT『Addict RC』+Enve『7.8』 - 平坦基調のレースで最速なロードバイクは、
Specialized 『Venge S-Works』+DT SWISS『ARC 1100 DICUT DISC』 - 平坦の最終スプリントで勝ちにいくなら、
Specialized 『Venge S-Works』+DT SWISS『ARC 1100 DICUT DISC』 - 峠を含むレースで、平均6%以上ある峠で脱落しない事を最優先させるなら、
Specialized『Aethos S-Works』+Roval『Alpinist CLX』or Lightweight『Meilenstein』 - Alpe du Zwiftの山頂ゴールで勝ちにいくなら、
Specialized『Aethos S-Works』+Roval『Alpinist CLX』or Lightweight『Meilenstein』
(登坂タイム45分を境に、それより速いなら上、遅いなら下の組み合わせがベストと思われる)
- コースJungle Circuit(ダートな路面)で最速なのは、
SCOTT『Spark RC World Cup』or Specialized『Crux』+ ENVE『G23』等
(但し 前者は平地と下り、後者は登りに強いため、コースによって使い分けるべき)
- コースCity and the Sgurr(半ダートな路面)で最速なのは、
Specialized『Crux』+ ENVE『G23』等(考察ページ)
最新のスピードデータ Ver.2022
◆トロンバイクが最高バランスであることを証明するプロット図
◆フレーム性能チャート
◆フレーム&ホイール性能プロット図
◆「Volcano Climbルート」における各機材スピードデータ
◆「Alpe du Zwift」における各機材スピードデータ
機材選択の参考になるページ Ver.2022
◆MTB・グラベルロードの「Jungle Circuit」における優位性に関する記事
◆路面、フレームの違い(ロード/MTB/グラベル)による「転がり抵抗係数Crr」の違いと考察
◆マクリ島の各ルートで選択すべきフレーム(ロード/MTB/グラベル)の考察
◆「Volcano Climbルート」における最速のロードフレームTop⑨
◆「Volcano Climbルート」における最速のTTフレームTop③
◆「Volcano Climbルート」における最速のホイールTop⑤
◆「Alpe du Zwift」における最速のロードフレームTop⑨
◆「Alpe du Zwift」における最速のTTフレームTop②
◆「Alpe du Zwift」における最速のホイールTop⑨
全フレーム・ホイールの入手方法 Ver.2022
※以降の記述は、
2019年2月末のDrop Shop登場前にあったフレーム・ホイールでの比較となります。
各条件での計測タイム比較@Richmond「2015 UCI Worlds Course」(2016年1月実施)
体重、身長、出力、フレーム、ホイールを変えて
リッチモンド「2015 UCI Worlds Course」(veloviewer)を走った計測タイムのまとめ。
(A,B,C‥‥の部分をクリックすれば、並び替えも可能)
このデータを「体重」「身長」「フレーム」「ホイール」
の4つの要素に分けてまとめ直し、分析してみます。
ただし、このデータには、かなり速い装備である
ZWIFT「Concept Z1」、ZIPP『808/Super9』、Lightweight『Meileinstein』
は含まれていないことに注意。
体重を変えて比較
【一定】身長183cm、フレーム『ZWIFT Carbon』、ホイール『32mm Carbon』
【変数】体重、出力
【縦軸】出力
【横軸】リッチモンドのUCIフルコース一周走るのにかかる時間(秒)
150wでは「体重」によるタイム差が大きいものの、
「出力」の増加とともにタイム差は減少していき、
400wでは、100kg、75kg、50kgが同タイムになっています。
「平坦」「上り」「下り」ごとの違いも見てみましょう。
150~250wでは「上り」は当然ながら、
「平坦」「下り」でさえ、体重が軽いほうが速いです。
対して400wの強強度になると、体重に関わらず、
あらゆるシチュエーションで、ほぼ同タイムになっています。
~まとめ~
『「平坦」「上り」「下り」に関わらず、
低~中出力では「体重」が軽いほうが相当有利だが、
400wに近づくほど「体重」による速度差は小さくなっていく』
参考:Zwift Insiderの「体重とスピードの関係」考察記事
体重チートは可能か?
ライダーの体重は”自己申告制”。
0~9999kgの間で、自由に設定することができます。
そこで「30kgなんかにすれば、爆速なのでは?」という疑問が……
いわゆる”チート”というやつですね(^^;
ですが、この点、ZWIFT側も一応セーブはかけています。
明らかに嘘っぽい0~44kgで設定しても、
画面右のw/kgを見ていると、45kgとして計算されています。
例えば、体重30kgと入力して90wで走ってみても、
3.0w/kg(=90w÷30kg)ではなく2.0w/kg(=90w÷45kg)と表示されます。
つまり、30kgと入力しても、実際の速さは45kgと同じ訳です。
※2020/3 追記
アップデートにより
一定年齢以下のライダーに限り”下限45kg”が引き下げられたため、
若くて軽いライダーの体重が正確にw/kgに反映されやすくなりました。
逆に上限もありまして、9999kgとしても、
一律200kgでw/kgが算出されてしまいます。
ドラゴンボールみたいに重力100倍以上では鍛えられません。
身長を変えて比較
【一定】体重、出力、フレーム『ZWIFT Carbon』、ホイール『32mm Carbon』
【変数】身長(153cm、168cm、183cmの3パターン)
~まとめ~
『「平坦」「上り」「下り」に関わらず、
-1cmにつき0.1%強タイムは速くなっていく』
これは「空力」が考慮されているためです。
フレームを変えて比較
【一定】体重75kg、出力225w、身長183cm、ホイール『32mm Carbon』
【変数】フレームの種類
【一定】体重75kg、出力225w、身長183cm、ホイールZIPP『808』
【変数】フレームの種類
ZWIFT『TT』が圧倒的に速いです。
次いで、Cervelo『S5』。
ちなみに、Specialized『S-Works Shiv Disc』は「重量★/エアロ★★★★」で、
同条件のタイムが28分34秒と、Zwift『TT』+ZIPP『808』よりも4秒遅いです。
ホイールを変えて比較
【一定】体重75kg、出力225w、身長183cm、フレーム『ZWIFT Carbon』
【変数】ホイールの種類
「坂だから軽量」「平地だからエアロ」という区別はなく、
あらゆるシチュエーションでZIPP『808』が最速。
ロードフレームTop5の計測タイム比較@Watopia「Figure8」(veloviewer)(2017年11実施)
【一定】体重75kg、出力225w、身長183cm、ホイールZIPP『808』
【変数】フレームの種類
ZWIFT『Concept Z1』(通称トロンバイク)が最速。
そして、9秒差でTREK『Madone』、11秒差でCervelo『S5』と続きます。
ちなみに、リッチモンド「2015 UCI Worlds Course」だと、
『Madone』より『S5』のほうが3秒速いという結果でした。
『トロンバイク』VS『ZIPP』VS『Lightweight』@Watopia「Figure8」(veloviewer)(2017年11~2018年3月実施)
βテスターにのみプレゼントされたZIPP『808/Super9(旧名Disc)』、
2018年3月末に追加されたLightweight『Meileinstein』を加えた興味深いテスト。
【一定】体重75kg、出力225w、身長183cm、フレーム『S5』
【変数】ホイールの種類
Cervelo『S5』+ZIPP『808/Super9』
≒ZWIFT『Concept Z1』(通称トロンバイク)が最速。
「軽さ★★★★/エアロ★★★」と
スペック上は優れているLightweight『Meilenstein』ですが、
実際に走ってみると「平坦」や「下り」が遅いです。
ヒルクライムでの計測タイム比較@Watopiaにある3つの峠
ワトピアにある代表的な3つの峠
「Epic KOM(時計回り)」「ラジオタワーの激坂」「Alpe du Zwift」を
出力、フレーム、ホイールを変えてタイムを計測。
ただし、「Epic KOM(時計回り)」「ラジオタワーの激坂」の計測では、
ZIPP『808/Super9』、Lightweight『Meileinstein』が比較対象に含まれていません。
Epic KOM(時計回り)9.41km/3.87%(ストラバセグメント)(2017年1月頃実施)
【一定】体重75kg、出力、身長183cm
【変数】フレーム、ホイールの種類
150w、300w、450wの3パターンで実験していますが、
レースで出る最も近いパワーは300wだと思いますから、
そこの比較で言えば、
ZWIFT『Concept Z1』≒Cervelo『S5』+ZIPP『808』が最速。
平均勾配が3.87%と緩いため、Aveは24km/hほど。
そのため「軽さ」よりも「エアロ」を重視したほうが速いという結果に。
ラジオの激坂 1.38km/10.4%(ストラバセグメント)(2017年1月頃実施)
「Epic KOM」の時と同条件にてテスト。
先ほどと同じように300wで比較すると、
Cervelo『S5』+ZIPP『808』が最速。
僅差で、ZWIFT『Concept Z1』、
TREK『Emonda』+ZIPP『808』『202』。
平均勾配が10.4%とキツく、Aveは12.5km/h。
速度が遅いために「軽さ」の重要度が増し、
最軽量であるTREK『Emonda』+ZIPP『202』は、ほぼ最速。
それでも、ZWIFT『Concept Z1』や
「エアロ」であるCervelo『S5』、ZIPP『808』の優位性は揺らぎません。
Alpe du Zwift 12.2km/8.48%(ストラバセグメント)(2018年3月実施)
「Epic KOM」「ラジオタワーの激坂」とは異なる傾向が見られます。
フレームを変えて比較
【一定】体重75kg、出力300w、身長183cm、ホイール『Meilenstein』
TREK『Emonda』が最速。
僅差で『Tarmac』。
そして『Concept Z1』や『S5』が後れを取るという意外な結果に。
時速は14.9km/hで、ラジオタワーの12.5km/hよりも速く、
「エアロ」の貢献度はより高くなっています。
ラジオタワーの結果から考えると、
Alpe du Zwiftでも『S5』が速そうなものですが、
実際は『Emonda』のほうが27秒も先行。
考えられる原因としては、
ラジオタワーの計測区間には、登り口の下り含んでおり、
ここでエアロ効果の助走がついて数秒稼いだ結果、
『S5』や『808』のタイムが良かったのかもしれません。
もしくは、両者の実験時期には1年以上の開きがありますから、
この間に行われたZWIFTアップデートの際に、
装備の能力に微調整が加えられた可能性があります。
ホイールを変えて比較
【一定】体重75kg、出力300w、身長183cm、フレームCervelo『S5』
Lightwight『Meilenstein』が最速。
『808』は『Zwift Carbon』にすら負けており、
激坂では「軽さ」が正義だと言えます。
ワトピア「Figure8」を一周するなら、
Cervelo『S5』+ZIPP『808/Super9(旧名Disc)』が最速の組み合わせでしたけど、
Alpe du Zwiftにおいては、重すぎてダメなようですね。
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このラジオタワーの測定結果は下り込みなので参考にならないかもしれません。
アルプでのテスト結果だとサーベロ808はかなり遅いです。
https://zwiftinsider.com/fastest-bike-alpe-du-zwift/
さすがRyoさん、色んな事ご存知ですね!このデータは未読でした(^^;
早速、記事を修正します。まさかトロンバイクやサーベロ+808が最速でなかったとは……