松木です。

 

ボントレガーから170g台の超軽量ハンドルが発売されます。

 

ロードバイク ホイール 実測重量ボントレガーXXXカーボンロードサドル

最近、ボントレガーは「軽量パーツ」の開発に凝っているようで、
2017年からXXX(トリプルエックス)の名前の付いた
超軽量ホイール、超軽量サドルを立て続けにリリースしています。

 

『ボントレガーXXXカーボンロードサドル。68gの超軽量サドルの意味を考える。』

 

『XXX VR-C』カーボンハンドルバーも、
この「超軽量」の流れの一環に感じます。

 

 

170g台のカーボンハンドルは軽いと言えば軽いですが、

「使いものになる軽さなのか?」
「170gより軽いカーボンハンドルは無いのか?」
「XXX VR-Cは買いなのか?」

今回は、そういったことを考えていきたいと思います。

 

形状の好き嫌いは個人個人あるでしょうけど、
そこに絶対的な基準がありませんから、
形の良し悪しについては、あまり触れないようにします。

 

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「XXX VR-C」の特徴

BONTRAGER XXX VR-Cハンドルバー

BONTRAGER『XXX VR-C』
税込定価:¥39,900
サイズ展開(芯-芯):380、400、420、440
公表重量:380/171g、400/173g、420/176g、440/179g
リーチ:100mm
ドロップ:124mm
素材:OCLVカーボン
アウターケーブル処理:内蔵するための穴はなく、外出し
デリバリー開始時期:6月上旬

”173g”は、本当に軽量なのか?


(EASTON E100)

実は、180g以下のカーボンハンドルは、そこまで珍しくありません。

 

超軽量パーツメーカーでなくても
「3T」「FSA」「フィジーク」「EASTON」「DEDA」など、
有名どころでも普通にラインナップされています。

 

ですから、重量面での優位性は『XXX VR-C』にはなくて、
一見インパクトの強い”173g”という軽さも、
冷静に考えて競争力があるとは言えないと思います。

 

 

ただ、『XXX VR-C』には
「軽さ」よりもアピールできるポイントが2つあります。

 

それが「価格」「剛性・強度」

 

 

まず、他のメーカーが4万~5万するのに対し、
『XXX VR-C』は3万円台と手頃です。

 

XXX VR-C OCLVカーボン

それに、同じカーボンでも
『XXX VR-C』に使われているOCLVカーボン
他を圧倒するほどの”強度”と”剛性”のある素材です。

 

DEDA「SuperLeggera」

例えば、デダ「SuperLeggera」なんかは
公表180gのカーボンハンドルなんですが、
ステムで固定すると、締め付ける力に負けて凹んでしまいます。

カーボンの薄さに対して、
素材の強度が足りていないんですよね(^^;

 

プロは、あえてアルミを使うほど「ハンドル剛性」にこだわりますけど、
OCLVカーボンを使えば、
軽さを保ったまま硬いハンドルをつくれます。

 

今までに、OCVLカーボンを使ったパーツ中で、
「強度が足りない」とか「剛性不足」と感じたことはありませんから信頼できます。

 

補足:OCLVカーボンについて

OCLVはOptimum-Compaction-Low-Voidの略で、
日本語に訳すと「超高密度圧縮低空隙」

軍事用にも使われるOCLVカーボンは、
特許を取った製法で作ることで、
航空宇宙産業のカーボンをも凌ぐ空隙率1%未満を実現。

 

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「XXX VR-C」に対抗しうるカーボンハンドル

次に、『XXX VR-C』よりも優れている点があるハンドルを3つ紹介します。

Ax-Lightness「AX 4200 ERGO」

Ax-Lightness「AX 4200 ERGO」

税込定価:¥63,720
サイズ展開(芯-芯):380、400、420
公表重量:160~175g
リーチ:66mm
ドロップ:128mm
代理店:トライスポーツ

 

軽量パーツブランド「AXライトネス」のカーボンハンドル。

実測重量は不明ですが、400mmで170gぐらいでしょう。

 

Ax-Lightness AX 4200 ERGO ハンドル ケーブル内蔵

上ハンドルの裏側に
アウターケーブルを通すトンネルが設けられています。

形はシンプルでクセがないですし、
超軽量な割には扱いやすそうです。

有名ブランドなので、強度面の不安も少ないですね。

 

Haero Carbon「H.145」

Haero Carbon H.145

税込定価:¥59,400
サイズ展開(外-外):400、420、440
公表重量:153g~(420サイズの実測重量158g)
リーチ:82mm
ドロップ:132mm
代理店:ゼータトレーディング

 

ハエロカーボンは、ドイツの軽量パーツメーカーです。

特にハンドル周りの部品が得意で、
この「H.145」は、他を寄せ付けない驚異的軽さを記録しています。

 

自身でもハエロカーボンを使ったことがありますが、

「軽い」
「精度は高くはない」
「力を加えても意外としっかりしていて、強度的な不安もあまりない」

と感じました。

 

さすがにスプリントするには向いていませんが、
150gという超軽量の割には、普通に使えてしまうハンドルです。

 

TNI「Ergo Sweep」

TNI「Ergo Sweep」

税込定価:¥19,440
サイズ展開(芯-芯):380、400、420、440
公表重量:380/168g(実測172g)、400/186g(実測178g)、420/192g、440/194g
リーチ:73mm
ドロップ:123mm(380/400mm) 128mm(420/440mm)
代理店:トライスポーツ

 

TNI「Ergo Sweep」

上ハンドルの部分が、
手前に6°下がっている特徴的な形をしている「エルゴスウィープ」。

この設計のおかげで、上ハンドルを握った時に
脇が締まる感じになって引きやすいそうです。

 

上ハンドルの裏側に
「アウターケーブルを沿わせる溝」と「内蔵するための穴」
の両方を準備してくれています。

 

ただ、この穴が少し難あり‥‥

 

アウターケーブルが1本分の穴が開けられているだけなので、

これだと、ブレーキアウターケーブルを内蔵した場合、
アールがキツくなって引きが重くなりますし、
口の部分でアウターケーブルが擦れて削れていってしまいます。

 

溝に沿わせるだけでも十分スマートになりますから、
無理にケーブルを内蔵しようとしないほうが得策です。

 

「XXX VR-C」の評価

BONTRAGER XXX VR-Cハンドルバー

『XXX VR-C』は、有名メーカーの中では一番だと感じました。

 

ただ、それは173gという軽さが理由ではなくて、
「価格」「剛性」「強度」といった面が、特に優れているからです。

しなってコーナーで怖い思いをしたり、
クランプ部が凹んだり、といった心配は起こらないでしょう。

 

 

あまり知られていない「H.145」や「Ergo Sweep」には、
『XXX VR-C』を上回る”軽さ”や”コスパ”がありました。

 

これらの中で、どれが一番だとは一概には言えませんから、
「剛性・強度の信頼性」「圧倒的軽さ」「コストパフォーマンス」のバランスを考えて、
自分がどれに重きを置いているのか、といった指標で決めるべきだと思います。

 

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