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今回のレポートは、事実だけをつらつらと書くのではなく、
普段はあまり話さないような自分の想いの部分にもフォーカスしました。

 

うまく伝わるような言葉になっていない部分もあるかと思いますが、
その点はお許しください。

 

レースに出る理由。

それは十人十色、人ぞれぞれだと思います。

 

「レース自体が燃えるから」

「仲間とワイワイ楽しむのが好きだから」

「順位や自己ベストをいった目標を達成したいから」

「勝つため」

 

どれか一つだけってこともないでしょうし、
毎回同じだとも限りません。

 

 

そして、今回の自分には、2つの目標がありました。

一つが「入賞」、そしてもう一つが「自己ベスト更新」

 

入賞は「単に走るからには上位の形あるものを目指したい」からですが、
「自己ベスト更新」には少し深い思い入れがあります。

 

 

遡ること2年前の2015年。

当時、過去最高の状態に仕上がって挑んだ大台ヶ原。

 

【レースレポ】2017年『ヒルクライム大台ケ原』。昔の自分を越えたくて。

1時間13分台の年代別3位という納得の成績を収めて
「来年こそは優勝!」と思ったのを覚えています。

 

ですが、その気持ちとは裏腹に、
それまでの「ストイックな練習」と「食事制限」の強い反動で、
パフォーマンスはダダ下がり。

 

そこから抜け出せず、気がつけば2016年。

取り巻く環境の変化も重なって、
”競技”に対するモチベーションは一向に上がってきません‥‥

 

毎月、何かしらのレースには出場していましたが、
どれも平々凡々な成績に終わり、

「優勝する」と意気込んでいた大台ケ原には出場すらせずに終わりました。

 

「”競技”をスッパリと辞めた」だとか
「ロードバイク以外の何かが充実し始めた」というのならまだしも、
日常の精神状態が成績にも影響してしまっている良くないパターンでした。

 

だから、「こんなはずじゃないのに‥」というような
どこか歯痒い気持ちを抱えていました。

 

 

そういう意味で「自己ベストを更新する」ということには、
単に「タイムを更新する」という以上の意味があるように感じていました。

 

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【結果速報リザルト】2017第16回ヒルクライム大台ヶ原since2001

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前日~レーススタートまで

【レースレポ】2017年『ヒルクライム大台ケ原』。昔の自分を越えたくて。

前日、ワン公と一緒に大台ケ原へ。

 

【レースレポ】2017年『ヒルクライム大台ケ原』。昔の自分を越えたくて。

途中でワンコとはおさらばして、
受付会場の上北山村小中学校へ。

たしか5時前だったでしょうか?

 

【レースレポ】2017年『ヒルクライム大台ケ原』。昔の自分を越えたくて。

リサーチしておいた「とち餅」をGET!

小学生が元気いっぱいで可愛いかったなぁ(^^)

 

この日、会場近くに宿は予約しておらず、
本田さんのおばあちゃんの空き家へ泊まるために吉野まで引き返しました。

 

【レースレポ】2017年『ヒルクライム大台ケ原』。昔の自分を越えたくて。

その前に「あきののゆ」という温泉へ。

2年前もここを訪れたんですが、
当時よりもなんだか随分と賑わっていましたね。

 

【レースレポ】2017年『ヒルクライム大台ケ原』。昔の自分を越えたくて。

さて、受付でもらった冊子で、
同じチャンピオンクラスの選手を確認しておきます。

6位以上の「入賞」が一つの目標である以上、
ライバルのチェックは欠かせません。

 

 

チャンピオンクラスは16人のエントリー。

渡辺くん、森田さん、花田さん、仙田さん、梅ぴょん、後藤さん。

知っている人も多い。

 

渡辺くんと森田さんの2人は別格。

去年のチャンピオンクラスでも2位と3位を取っていて、
勝つだの負けるだの言うのはおかしなほどのレベル差があります。

 

花田さんは、2年前の大台ケ原で総合優勝しています。

凄くストイックな練習をしているようで、
ベストの状態では、勝ち目は薄いですが、
どうやら乗鞍以降に調子を下げてしまっている模様。

チャンスあるかも?

 

仙田さんは、数週間前に開催された「高取城・戦国ヒルクライム」で優勝。

他の大会でも入賞している方で、たぶん勝てません。

 

梅ぴょんは、1か月前の合宿で一緒に走っており、
坂で千切られたことは身に染みて経験済み!

「激坂区間で2~3分離される⇒上の平坦で猛追しても追いつかず」
という負けるイメージがはっきり浮かんできます(笑)

 

後藤さんは、色んなリザルトを見ていると、
よく上位のほうに名前が入っています。

 

それから、一緒に来た横田さん(よこやん)は本調子ではないものの、
口だけの可能性もあります。

今まで何度も詐欺に遭い、痛い目を見てきました。

 

入賞を狙うなら、後藤さんとよこやんの二人に
競り勝てるかどうかが重要になりそうな気がします。

 

 

これ以上の情報は分からないので、
レース中にライバルの「実力差」「脚質」を見極めて、
臨機応変の走り方を変えて対応するしかありません。

 

【レースレポ】2017年『ヒルクライム大台ケ原』。昔の自分を越えたくて。

2合のカレーを食べてフルパワーーー┗(`・ω・´)┛フンスッ!!!

 

 

【レースレポ】2017年『ヒルクライム大台ケ原』。昔の自分を越えたくて。

そして、大会当日の朝。

 

起きていきなりハチの襲撃に遭ったせいもあって、
会場に着いたのが、スタート50分前。

車体、ウェア、トイレなんかの準備して、
ローラー台でアップし始めたのが、20分前。

開会宣言が終わって、みんなもう並び始めているような時間でした。

 

序盤はほぼ平坦とは言え、
心拍を一度上げとかないと辛いので、

3分軽く⇒3分レースペースに上げて⇒1分休憩
⇒2分強く踏んで心肺と脚に負荷⇒30秒で心拍数を下げる

 

そして、ワンピースジャージを着るのに悪戦苦闘した後、
急いでスタート地点へ。

 

【レースレポ】2017年『ヒルクライム大台ケ原』。昔の自分を越えたくて。

スタート2分前。何とか間に合った(^^;ホッ

 

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レース動画&レポート

スタート直後、渡辺くんがあっという間に飛び出しました。

続く選手が付いておらず、
この時は、瞬間的に「逃げるつもりなのか?」と思って
こりゃいかんと、すぐさま追走。

 

すると、本田さんも横から上がってきました。

渡辺くんもあえてペースダウンしたようで簡単にキャッチ。

「序盤のお見合いを避けるために、スタートダッシュして集団のスピードアップを図った」
ところに狙いがあったように感じます。

 

さすがレース慣れしていらっしゃる‥‥

※実際は、F1の曲に反応しただけなのだと(笑)

 

序盤の平坦は体力温存のために
先頭に出るつもりは無かったんですが、
自ずと引くタイミングが何度かありました。

 

軽くない自分は激坂では何もできず、
見せ場があるとするなら始めの平坦ぐらいなので、
ここは先頭交代に加わります。

後方に位置してしまうと、スピードに緩急があって
むしろ苦しいんじゃないかという考えもありました。

 

ただ、先頭を走る際は踏み過ぎないようにだけ注意。

 

 

スタートして11分ぐらいで
後続の選手に先頭交代を促すと、前に出て来てくれません。

ちらっと振り返ると、花田さんで、
「ゴメン出れん!」と言って少し険しい表情。

そんなにスピードを出している訳ではないので、
「調子が良くないんだろうな~」と分かりました。

 

そして、7.5km辺りから勾配が上がってきました。

激坂区間のスタートは9kmですが、
その手前でも8%ぐらいはありそうな結構な坂。

 

【レースレポ】2017年『ヒルクライム大台ケ原』。昔の自分を越えたくて。

中切れを起こす前に、すぐに前を譲って後方へと下がります。

この際、順位が分かるように前を行く選手の人数を数えておきました。

 

激坂区間のスタート地点で17分34秒。

年代別で走った2年前よりも1分近く速いタイムで、
予定通りの貯金ができました。

 

 

この時すぐ前にいたのが、事前にチェックしていた後藤さん。

ちょうど同じぐらいの脚力に感じて、後ろに付かせてもらうことに。

 

 

激坂区間に入り、ある程度落ち着いてくると、
後藤さんが6位、その後ろの自分が入賞圏外の7位という状況。

50m先によこやんが小さく見え、
景色の開けたところでは更に50m先に仙田さんが見えることもありました。

 

ですが、激坂での50mはサッと追い付ける差ではありません。

 

【レースレポ】2017年『ヒルクライム大台ケ原』。昔の自分を越えたくて。

というより、後藤さんに付いていくので精一杯っす‥‥

脚には余裕があるものの、息がかなり苦しい(´Д`)ゼェゼェ

千切れはしないものの、前に出ることができません。

「申し訳ない!」とは思いつつも、完全なるツキイチです。

 

 

しばらくして「どれぐらい走っただろう?」と
サイコンに目をやると、計測タイムが止まってしまっていました。

激坂スタート時にラップボタンを押したつもりが、
ストップボタンを押してしまっていた模様‥‥

これで、ペース配分の指針としていたタイムが分からなくなる。

 

とにかく激坂区間は「まだか~」といった気持ちで
ずっと息が苦しいイエローゾーンで耐えるように走っていました。

徐々にですが、前を走るよこやんと仙田さんは離れているように見えました。

 

【レースレポ】2017年『ヒルクライム大台ケ原』。昔の自分を越えたくて。

激坂区間を通過。

 

ここ「辻堂分岐」までにどれぐらいの時間がかかったのかは不明ですが、
辻堂分岐からゴールまでは23分前後だということは把握しており、
ようやくペース配分を考えて走ることができます。

 

急坂が苦手な自分はここからの追い上げにかけていて、
少し息を整えた後、後藤さんを抜かしました。

 

ここまでツキイチだったので、
後藤さんに付いてもらうつもりで前に出たのですが、
後ろを振り返ると、距離がやや離れてしまっていました。

少し待ってから、再び振り返っても差は詰まっていません。

 

正直そこまで踏んでいるつもりはなく、
「ゴメンなさい!」と心で何度も謝りつつ
前にいるはずのよこやんを単独で追いかけ始めることにしました。

 

【レースレポ】2017年『ヒルクライム大台ケ原』。昔の自分を越えたくて。

5分ほどすると、前方に小さく見えるよこやんを発見!

まだゴールまで7km。十分追いつけます。

 

無理して一気に詰めるのではなく、
「3分後ぐらいに追い付こう」と思いました。

 

 

2分ぐらいで10mまでに迫りましたが、
よこやんもチラチラ後ろを振り返って
こちらとの距離を確認しながら走っています。

 

そして、ダンシングでペースアップして
再び離れていきました(笑)

 

「なかなか粘りおるわ‥‥」

 

後で聞いたら、この時「追いつかれたら終わり」と思っていたのだと。

 

それでも勾配が緩くなったタイミングで徐々に詰め、
一気に追いつけるところまでひたすら我慢。

 

【レースレポ】2017年『ヒルクライム大台ケ原』。昔の自分を越えたくて。

ゴールまで残り4km地点、ようやくキャッチ。

 

こうなればパワーで上回るこっちのもの!

一呼吸置いた後、グイッと踏み直して、簡単に引き離すことに成功。

よこやんにはもう付いてくる脚は無さそうでした。

 

 

こうなると、残る目標は大きく1つ、小さく2つ。

大きい目標が「自己ベスト更新」。

小さい目標が「仙田さんに追いつくこと」と
「よこやんに1分差つけること(あとで理由を話します)」。

 

いずれにしても、最速でゴールに向かうしかありません。

 

この時点で辻堂分岐から15分ほど経っており、
ゴールまでは23-15=8分間のTTを走るつもりでいい訳です。

 

ここまでは脚を使い過ぎないように、
アウターとインナーを積極的に使い分けながら走っていたおかげで、
呼吸が苦しい半面、まだ脚は言うことを聞いてくれるような状態でした。

 

ゴールまで脚が売り切れることは無い自信があったので、
多少の坂でもアウターのままゴリゴリ踏んで突破していきます。

 

【レースレポ】2017年『ヒルクライム大台ケ原』。昔の自分を越えたくて。

残り3km、2km‥‥

ゴールに近づいていくものの、
視界に仙田さんの姿をとらえることができません。

 

激坂区間での差を考えると見えてきてもおかしくないはず。

なのに見えないということは、
仙田さんは緩斜面の得意なパワーのある人なのでは?

この時点で「追いつくのは無いんだろうな」と半ば諦めていました。

 

【レースレポ】2017年『ヒルクライム大台ケ原』。昔の自分を越えたくて。

そして、その順位のままゴール。

タイムは?

電光掲示板が置いていなくて分かりません。

 

序盤の平坦で稼いだものの、
激坂以降は、2年前よりもスピードに乗っている感じがしなかったので、
自己ベスト更新スレスレの微妙なラインな気がします‥‥

 

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レース後

【レースレポ】2017年『ヒルクライム大台ケ原』。昔の自分を越えたくて。

【リザルト】
1時間12分52秒、チャンピオンクラス5位(総合6位)

 

2年前の記録を26秒更新

一番の目標を達成できて嬉しい~~\(^o^)/

 

 

3位の仙田さんとは49秒、4位の梅ぴょんとは47秒の差でした。

正直に言うと、これは絶対に埋められないタイム差だったとは思いません。

ですが、「入賞」と「自己ベスト更新」という目標にした時点で、
4位以上になるチャンスを完全に放棄してしまっていました。

 

「レースの臨み方次第で、順位は変わり得る」のだと分かり、
一つ良い経験ができましたね(^^)

結果自体には十分満足しています。

 

 

ところで、
「よこやんに1分差付けること」が、
なぜ重要だったのかと言うと、


【レースレポ】2017年『ヒルクライム大台ケ原』。昔の自分を越えたくて。【レースレポ】2017年『ヒルクライム大台ケ原』。昔の自分を越えたくて。

吉野のケーキ屋『ラ・ペッシュ』のモンブランを賭けていたからw

 

例年、大台ケ原ヒルクライム前日に解禁となる激旨モンブランで、
前日に予約しておいて、レース後の帰りにご褒美として買うのがベターです。

 

 

 

さて、2年間叶わなかった「自分越え」を成し遂げた今、
次なる目標は何なんだろうかと考えました。

 

 

ある一定以上速くなろうとすると、
ただ単に練習すればいい訳でもないし、
むやみに減量すればいいというものでもありません。

 

何かを犠牲にして練習しないといけない時もありますし、
疲労感でやる気が出ない時もありますし、
思うようにパフォーマンスが上がらずに落ち込む時もありますし、
食欲にさいなまれて抑えられない時もあります。

 

「辛い思いをしてまで、なんで速くなりたかったんだろう?」

 

こんな疑問が沸き起こってくることは当然のことで、
”生き方””考え方”といった部分にまで向き合う必要が出てきます。

 

【レースレポ】2017年『ヒルクライム大台ケ原』。昔の自分を越えたくて。

”強豪クライマー”と呼ばれている人たちはきっと
大なり小なり自分の精神的な「壁」と向き合い、
そして乗り越えているのだと思っています。

 

ただ単に我慢し続ければいいのではなく、
自分の精神的に弱い部分もちゃんと受け入れ、
どう折り合いを付けていくかということも考える。

 

その過程で、一時的に遅くなることもあるはずで、
そんな自分を許す寛容さなんかも必要でしょう。

 

【レースレポ】2017年『ヒルクライム大台ケ原』ただ昔の自分を越えたくて‥‥

”自分の心と正しく向き合うこと”

 

これがヒルクライムという競技の本質であって、
不思議とのめり込んでしまう魅力なんだと思います。

 

遠回りのように感じることもあるかもしれませんが、
心と正しく向き合うという過程を大事にしながらの「自分越え」。

 

この目標は、これからもずっと変わりません。

 

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