松木です。
前作の2014年から4年、
BMCの新型「teammachine SLR」が発表されました。
早速色んなところで紹介記事が上がっていますが、
正直、よく分かりません‥‥(^^;
どれを読んでみても、
「で、結局のところ、どこが変わってるの?」
という疑問が少なからず残りました。
ACE(Accelerated Composites Evolution)テクノロジーを使い、
34,000通りのフレームの中から”最適”だと結論付けられた旧モデル比べ、
「どこが変わったのか」に焦点を当てて説明していきます。
ディスクブレーキモデルではなく、
ほとんどの人の興味があるであろう
キャリパーブレーキモデルにのみ考えてます。
前作からの流れもあるので、下の旧型「チームマシン」に関する
シクロワイアードの3つの記事を読むと、より理解が深まるはずです。
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目次
2018年モデル「teammachine」の6つの改良点
先に、改良点を箇条書きにしておきます。
- 前作同様、”ACEテクノロジー”を使い、フレーム形状が全体的に見直された
- ステム周りがスマートになった
- ジャンクションAのダウンチューブ内蔵化
- シートクランプの内蔵化
- ケーブル入り口にボールジョイントを用意し、ケーブルの割れ・折れ問題を解消
順番に説明していきます。
①ACEテクノロジーによるフレーム形状全体の見直し
まずは前作の「チームマシン」。
そして、2018年モデルの新型「チームマシン」。
違いが分かりますか?
目で見て分かる部分は、上の3カ所。
”ヘッド” ”シート集合部” ”フォーク上部”
「ヘッド部分」に関しては後で説明するとして、
まずは「シート集合部」。
BMCの”アイデンティティ”とも言えた
ブリッジが埋められてしまいました。
性能的にはあまり意味のある構造では無かったんでしょうね‥‥
そして、フォーク上部に見られた「後方への出っ張り」も無くなり、
スッキリした見た目になっています。
他にも、ACEテクノロジーを推し進めた結果、
「非対称化の促進」
「BB部の見直し」
など、パッと見では分からない微調整が、フレーム全体に加えられています。
その結果、フレーム重量は変わらず(56サイズ790g)に、
「加速性」につながる”BB剛性”が+10%アップし、
「ハンドリング」に関わるヘッド周辺の”ねじれ剛性”も微増しています。
②インテグレートデザインのステム
ケーブルが露出しないように設計されたステムとコラムスペーサー。
トレックの「MADONE9」なんかと非常に似ていますが、
BMCはこのステムのことを
「ICS (
と名付けていました。
写真のように、
内蔵できるのは「Di2ケーブル」と「ディスクブレーキケーブル」の2種類で、
「機械式ディレイラーケーブル」と「キャリパーブレーキケーブル」は内蔵できません。
後者の2種類は、通常通りの外出しになります。
ちなみに、MADONE9と違って、普通のステムにも対応しています。
③ジャンクションAのダウンチューブ内蔵化
新型「チームマシン」は、
新しいジャンクションA「EW-RS910」を
ダウンチューブに埋め込むことができます。
このジャンクションAから
「電池残量の確認」「内部バッテリーの充電」はもちろん
「変速調整」「マニュアルシフトモード⇔シンクロシフトモードの切り替え」も行えます。
これは完全に「DOGMA F10」と一緒ですね。
本来はエンドプラグにはめ込むための形なのですが、
これからはこの「ダウンチューブにジャンクションAを内蔵」
というのが主流になってきそうです。
④シートクランプの内蔵化
ステム同様、インテグレートデザインのシートクランプを採用。
BMCの特徴だったブリッジが廃止された代わりに、
その場所に、臼式でシートを止める部品が内蔵されます。
臼式は、見た目はスマートなんですが、
どうしてもクランプ式よりも固定力が劣り、
”ズレ問題”が起こらないのかが気になります。
「見た目が良くなる」というのもありますが、
シートポストがしなりやすくなって「快適性が上がる」というもの
臼式のシートクランプが採用された理由です。
⑤
シートポストは、後方へとしなりやすい”D”の形になっています。
でも‥‥旧型もそうだったような気が‥‥
こちらが旧型「チームマシン」のシートポストです。
やはり”D”型です。
ただし、新型のほうがもっと極端に横に平たくなっていて、
より一層”しなり”を生み出しやすいように改良されています。
ちなみに、BMCのシートステイがシート集合部よりも下にあるのは、
やはりシートポストの後方への”しなり”を考えてのこと。
- シートポストのD型形状
- 臼式シートクランプ方式
- シートステイの下方オフセット
- 極細のシートステイ
新型「チームマシン」は、この4つの方面から、
”快適性” ”路面追従性”を獲得しようとしていることが分かりました。
結果、前作に比べ、
シートポストの縦方向の柔軟性を向上させることに成功しています。
⑥ケーブル入り口にボールジョイントを用意し、割れ・折れ問題を解消
ヘッドチューブ近くにリアブレーキケーブルの入り口があると、
ハンドルを切ったときの横への負担で、
入り口付近でケーブルが折れてしまいます。
そこで、通常ならば、
上の写真のように「フレキシブルケーブル」を使ったり、
「リンク式アウターケーブル」を使って対処しなければなりません。
Alligator(アリゲーター) フレキシブルガイドパイプ 2個入 LY-VBP08
新型「チームマシン」では、
ケーブルを入れる穴の内側に「ボールジョイント」を用意。
ハンドルを切っても
ケーブルが、その方向へと向いて負担を軽減させてくれます。
ヘッドチューブだけでなく、
後ろ側の出口にも「ボールジョイント」が埋め込まれています。
出口のほうは、ケーブルが折れることはありませんが、
アールがキツくなって引きが重くなることはありえますから、
出口にもボールジョイントはあったほうがいいですね。
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まとめ
BMC『teammachine SLR』の6つの改良点を見てきました。
前作からの4年の間に進化したパーツに対応したフレームへと作り直し、
『MADONE 9』や『DOGMA F10』に似たギミックを取り入れていました。
それだけでなく、
「ACEテクノロジー」「D型シートポスト」「ケーブル入り口のボールジョイント」など
BMC独自の観点からの進化も、様々な部分に確認できました。
現代の流れに沿った”スマートな見た目”と”突き詰められた基本性能”。
「乗ってみたい」と強く思わせる一台です。
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