松木です。
モデルチェンジには、大きく二通りあります。
「正当進化」と「作り直し」。
各性能を底上げしている場合が「正当進化」で、
前作と同じところがほとんど無い場合が「作り直し」です。
そして、Cerveloの新型『R5』は完全に後者。
ロードバイクにとって本当に重要なことは何かを考えて
「自然なフィーリングを実現する」というコンセプトで一から作り直しました。
そんな新型『R5』の特徴を見ていきます。
【R5開発者インタビュー&インプレッション】
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新旧比較
旧型。
特に代わり映えがしない「標準的なロードバイク」といった印象。
形状の変化は少ないですが、
「全体的にフレームが太くなっている」ことに気づきます。
新型に採用されているのが「スクオーバルマックス」形状。
「空力」「剛性」「重量」のバランスに優れた「スクオーバル」形状を
さらに大口径化(上図の赤色部分)しました。
その結果、「空力」「剛性」が向上しており、
旧型に比べ、40km/h走行で-4wの出力削減、
BB剛性は+13%アップさせることに成功しています。
また、ヘッドチューブ下側ベアリングを
1-3/8インチから1.5インチに大きくすることで、
ヘッド剛性が21%も向上。
ヘッド周辺の”たわみ”が抑えられ、
コーナーを曲がる際のハンドルの安定感が増しています。
フレームが太くなることで重くなってしまいそうですが、
最大0.2mmまで極薄にすることで、
フレーム重量は据え置き(56サイズ850g)です。
ジオメトリーの大幅な変更
新型では「走行安定感」が増す狙いで、
BBドロップを+4mmして低重心化。
また「直進安定性」を重視して、
チェーンステイも5mm長くしました。
セオリーから考えると「反応性」は落ちてしまいますが、
コンセプトである「自然なフィーリング」を実現させるためには、
このジオメトリーになるのでしょう。
プロの要望から、ヘッドチューブは一気に2cm以上短くなり、
低いポジションが取りやすくなっています。
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D型シェイプのシートポスト
シートポストは「27.2mm丸型」から「D型」に変更。
これは「空力」のメリットもありますが、
路面からの突き上げに対して
シートポストが後方にしなりやすく、
「快適性が高くなる」というメリットのほうが大きいです。
同じ2018年モデルだったら、
BMC「Teammachine SLR」やスペシャライズド『S-WORKS ターマック SL6』
なんかもD型シートポストを採用しています。
シートクランプ方式が斬新で「臼式+クランプ式」。
基本は、フレームに埋め込まれた「臼式」だけで固定しますが、
シートクランプを取り付けて二重で固定しておくこともできる仕組みです。
シートポストのズレ問題には悩まされますから、
これは良いアイデアだなと思います(^^)
新開発の「AB06」エアロハンドルと「CS29」ステム
新開発のエアロハンドルとステム。
バーエンドキャップ型のジャンクションAを使うことで、
Di2ケーブルを完全に内蔵化できます。
ちなみに、新しいPRO「VIBE」ハンドルとステムを使っても
同様のスッキリした取り回しができますね。
シマノプロ VIBE ステム -10°1-1/4インチ 31.8mm
新型『R5』を機械式で組んだ場合、
上のような残念な見た目になってしまいますから、Di2組が必須でしょう。
サーベロが考えるロードバイクの理想形
サーベロの中で最も古い規格で作られていた”R”シリーズ。
それを、現在のコンポ、ホイール、タイヤ(28cまで対応)のトレンドに適応させるため、
また、サーベロが考えるロードバイクのあるべき姿を実現するため、
サーベロの技術力を集結して完成させたのが新型『R5』です。
旧型の『R5』は軽量フレーム特有の少々”クセ”のあるバイクでした。
ですが、2018年の『R5』は乗りやすさを重視したジオメトリーを採用し、
また、どのサイズでもベストな走行性能が発揮されるよう
各サイズ毎に別々に設計されていますから、
誰が乗っても違和感の無い「自然なフィーリング」を体感できるでしょう。
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