松木です。
スペインのブランド「ORBEA(オルベア)」が
エアロロード『Orca Aero(オルカエアロ)』を発表。
猛獣スプリンター「ブアニ」擁するコフィディスが
ツール・ド・フランスで『Orca Aero』に乗って戦っています。
風洞実験800回以上、開発期間18カ月にも及んだ
『Orca Aero』の詳細を見ていきます。
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コンセプトは「圧倒的エアロ」と「パワー負けしない剛性」
始めにOrbea『Orca Aero』を見た時、
Canyon「Aeroad CF SLX」が思い浮かびました。
”フレーム全体の輪郭”
”ダイレクトマウントブレーキ方式”
”下方にオフセットされたシートステイ”
といった共通点が見て取れます。
『Orca Aero』のフレーム全体に渡って採用されるのは、
”エアロ” ”剛性” ”重量”のバランスが最適とされる「カムテール」。
流線型の後ろをスパッと切り落とした形(濃い青色部分)です。
『Orca Aero』開発を始めるにあたり、
「圧倒的エアロロードバイク」 「剛性と重さも考慮したエアロロードバイク」
どちらが欲しいか選手たちに質問を投げかけた結果、
「剛性と重さも考慮したエアロロードバイク」だと答えたそうです。
その答えを受けての「カムテール形状」採用だったのでしょう。
「エアロ」と同時に「剛性」も重視した『Orca Aero』は、
”トップチューブ~ダウンチューブ~BB(386EVO規格)~チェーンステイ”
のフレーム下半分が、意図的にごつく作られています。
ヘッドチューブ下側ベアリングのサイズが、
ロードバイク最大の1-1/2インチなのも、
エアロよりもハンドリング剛性を優先してのこと。
結果、オルベア史上最高剛性(104Nm)を獲得。
そして、フレーム単体重量は1,150g。
軽くも重くもない重さに落ち着いています。
この『Orca Aero』最大の特徴と言える部分がフォークです。
今年初め頃、UCIルールが変更になり、
過度なエアロ形状を禁止していた
「フレーム縦横比3:1ルール」が撤廃されました。
そこで『Orca Aero』では、
フォーク形状を薄く、そして後方へと長く伸ばて、
理想的な流線型を追求。
さらに、OrbeaのTTバイク「Ordu(オルドゥ)」や
軽量オールラウンドバイク「Orca OMR」同様、
「フリーフローコンセプト」も取り入れました。
フォークを外側への弓なり形状にして前輪との隙間を確保することで、
空気の乱流を抑えるという考え方です。
これは、GARNEAUのエアロロード「GENNIX A1」にも採用される技術で、
前方のみならず、斜めからの風に対しても空気抵抗削減効果があります。
ヘッドチューブ上部は、「AIRCODE」と似た
フレームにめり込んだような一体感あるデザイン。
コックピットは、ステム一体型エアロハンドルの
Vision「Metron 5D」をアッセンブルするように推奨されています。
(普通のハンドル、ステムも使えます)
写真のように、「Metron 5D」の裏側には
ジャンクションA、Di2ケーブルを収納できるギミックが設けられています。
高剛性の代わりに、395g(420mm)と特別軽くはありませんが、
スプリンターにうってつけのハンドルだと思います。
Orbea『Orca Aero』のその他の特徴
リアブレーキとDi2ケーブルは、
トップチューブ右側からフレーム内へと入っていきます。
そして、新しいジャンクションA「EW-RS910」は、
「Dogma F10」や「Teammachine SLR」と同じように
ダウンチューブに埋め込みできる構造です。
ここのポートに使用するカバーは、
Di2、eTap、機械式、どの方式で組むかによって3種類用意。
こちらは、シートポストのヤグラ部分。
サドルレールの前後位置を決めるネジと、
サドル角度を決めるネジが別々になっていて、
位置調整はしやすそうに見えます。
シートポストの固定方法は、
フレームと統合されたデザインながら、
臼式ではなく、クランプ方式。
確実な固定力を考えると、これは正解ですね(^^)
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まとめ
一般的なステム、ハンドル、ブレーキが使える汎用性の高さを兼ね備えつつも、
3:1ルールに縛られない扁平フォークと、独自の空力理論に基づくフレーム形状によって
「Madone 9」や「Venge Vias」にも匹敵するエアロ効果を獲得した『Orca Aero』。
50kmTT(50km/h)をした場合、
『Orca Aero』は、「Orca OMR」に比べて27wセーブ、
時間にして82秒、距離にして1000m以上のアドバンテージを生み出します。
スピードマンには最適な1台と言えるのではないでしょうか?
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