松木です。
以前、ビッグプーリーについて徹底比較してみました。
今回は、その中でも9100/9150用(32Tまで対応)にフォーカスしてみます。
【関連記事】
スポンサーリンク
目次
RIDEA『C38』
歯数:13-18T
重量:88g
税抜:35,000円(フルセラミックは+3,600円)
オススメ度:★★★★★
一見、カーボンケージでヤワそうですけど、
裏のプレートは強度重視で金属製にしていて、
かつ剛性が出るプレート形状なので、「たわみ」が少なく、
純正と変わらないほどに変速性能は高いです。
他のメーカーと違って、
プーリーは肉抜きしていないですから、
摩耗して最悪割れたりする心配はないですし、
汚れが溜まりにくいメリットも多少あります。
見た目もカッコいいですし、価格も比較的安いですね。
やや重めなところを除けば、欠点らしいところは見当たりません。
セラミックスピード『oversizedプーリー13-19T』
歯数:13-19T
重量:75.6g(実測)
価格:およそ64,000円
オススメ度:★★
セラミックスピードのオーバーサイズドプーリーは17-17Tが有名で、
純正のデュラエースに比べて60%、2.37wの摩擦削減効果があります。
対して、この13-19Tは純正に比べて
30%(単純計算で1.16w)の摩擦削減効果があるそうです。
つまり、セラミックスピード社自らで、
前作よりも効果が減っていることを告白しているわけですね(^^;
(第三社機関が実験すれば、違う結果になるかもしれません)
なぜ、あえて効果の低い歯数を選択したのか?
それは、9100の設計上、
アッパープーリーを13T以上にしづらいからです。
そして、アッパープーリーが13Tの条件下では、
最適なテンションプーリーの歯数の組み合わせが19Tだったそうです。
(RIDEAは13-18T。9100用に限らず、
セラミックスピードとRIDEAは歯数の近いラインナップが多いですが、
お互いに歯数の多さを競い合っているように感じます。)
次にケージ。
一部の噂で「すぐ折れる」ようなことが囁かれていたりしますが、
あれは眉唾だと思ったほうがいいです。
ケージ素材はカーボンのように見えますが、
カーボンを強化した「ポリアミド素材」で、強度は高い上に軽いです。
それより、プーリーの肉抜き具合のほうが、個人的には気になります。
摩耗してきたら、割れそうで少し怖い‥
(ただ、メーカーとしては「大きいプーリーは寿命も長い」とフォローしている)
Ceramic Speedのビッグプーリーは、
科学に裏打ちされた最高の設計、セラミックベアリング、ケージ素材ではありますが、
ほとんどの人は、価格が高すぎて手が出せないでしょうね。
スポンサーリンク
カーボンドライジャパン『R9100/R9150用』
歯数:11-15T
重量:60~65g
税抜:48,500円(フルセラミック仕様)
オススメ度:★★★★
現在進行形で、個人的に使用しているのがカーボンドライジャパン。
初期型は微妙でしたが、
選手からのフィードバックと、測定実験を製品に活かし、
ケージを変更してからは随分良くなりました。
使用していての不具合はなく、
純正に近いフィーリングの変速性能に感じています。
ビッグプーリーは、「アウター×ロー」の組み合わせで
最も効くということを裏付ける実験です。
52-36Tのフルセラミック仕様で、
純正よりも最大20%の摩擦抵抗が見込める結果になっています。
逆に、デメリットを上げると、
他のメーカーに比べて歯数が小さい(=効果が小さい)ことと
価格が高めであること。
変速性能の低下を嫌って11-15Tにしているのですが、
可能ならば、もう少し攻撃的に摩擦削減を狙って、
プーリーを大きくしてもいいように感じます。
トーケン『Shuriken TK1729S Zenith 12-19T』
歯数:12-19T
重量:74g(実測)
税抜:36,800円(フルセラミック仕様)
オススメ度:★★★
詳しくは以下の記事で取り上げていますので、そちらをどうぞ(^^)
まとめ
カーボンドライジャパン(CDJ)も良いとは思いますが、
客観的に見れば、RIDEAの「C38」が一番優れていると思います。
実はプーリーの歯の形状にもこだわりがあって、
隣り合う歯の厚さを変え、プーリーの歯をチェーンのコマに合わせた形にすることで、
チェーンの暴れを押さえる「X-SYNC構造」になっています。
これは、チェーンの暴れるシクロクロスのチェーンリングに採用されていたりしますが、
チェーンの保持を確実にして、変速性能の高めるための工夫です。
RIDEAは、カーボンドライジャパンやセラミックスピードのように
科学的な実験は行っていないのか、そういった資料はありませんが、
しっかり物理学的なアプローチを考慮して設計されていますから、
見た目以上に、性能もしっかりしています。
ちなみに、
自分が今まで触り、乗ってきた5社(TNIとBERNERも)のビッグプーリーの中では、
最もフィーリングが良かったのが「RIDEA」です。
だから、理論上だけでなく、
実際に使う上でもオススメできるビッグプーリーメーカーではあります。
スポンサーリンク