松木です。

 

以前、ビッグプーリーについて徹底比較してみました。

 松木です。 今まで、カーボンドライジャパン(初期型とV2)、BERNER、TNI、RIDEAの計5種類のビッグプーリーを使ったことがあります。 2010年にBERNERから始まったビッグプーリーですが、そろそろ出揃った感があるので、代表7メーカーのものについて話そうと思います。 なるべく客観的な情報を詰め込んでいきます。 【関連記事】    ビッグプーリーの3つのメリット チェーンのアールが緩やかになる結果、チェーンの摩擦抵抗が減る プーリーの回転数が減る結果、その分ベアリング抵抗が...

 

今回は、その中でも9100/9150用(32Tまで対応)にフォーカスしてみます。

 

【関連記事】

 松木です。 リデアのビッグプーリーに新たなラインナップが追加されました。『C38 AERO』&『C88 AERO』 その特徴を見ていきましょう。 【関連記事】『ビックプーリー頂上決戦。大手7社20種類を徹底比較してみた。』『18T-18TのビッグプーリーRIDEA『C88 AERO』の駆動抵抗をテスト。』『【実走インプレ】RIDEA『C88 AERO』はビッグプーリーの最終到達点。』 『C88 AERO』『C88 AERO』の特徴は?『C88』は、18T-18Tの世界最大ビッグプーリーです。9100系以外のあらゆるグレード、メーカーに広く対応します...

 

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RIDEA『C38』

リデア(RIDEA) ビッグプーリー C38

歯数:13-18T
重量:88g
税抜:35,000円(フルセラミックは+3,600円
オススメ度:★★★★★

 

一見、カーボンケージでヤワそうですけど、
裏のプレートは強度重視で金属製にしていて、
かつ剛性が出るプレート形状なので、「たわみ」が少なく、
純正と変わらないほどに変速性能は高いです。

 

他のメーカーと違って、
プーリーは肉抜きしていないですから、

摩耗して最悪割れたりする心配はないですし、
汚れが溜まりにくいメリットも多少あります。

 

 

見た目もカッコいいですし、価格も比較的安いですね。

やや重めなところを除けば、欠点らしいところは見当たりません。

 

セラミックスピード『oversizedプーリー13-19T』

セラミックスピード「oversizedプーリー13-19T」

歯数:13-19T
重量:75.6g(実測)
価格:およそ64,000円
オススメ度:★★

 

セラミックスピードのオーバーサイズドプーリーは17-17Tが有名で、
純正のデュラエースに比べて60%、2.37wの摩擦削減効果があります。

対して、この13-19Tは純正に比べて
30%(単純計算で1.16w)の摩擦削減効果があるそうです。

 

つまり、セラミックスピード社自らで、
前作よりも効果が減っていることを告白しているわけですね(^^;
(第三社機関が実験すれば、違う結果になるかもしれません)

 

 

なぜ、あえて効果の低い歯数を選択したのか?

 

それは、9100の設計上、
アッパープーリーを13T以上にしづらいからです。

 

そして、アッパープーリーが13Tの条件下では、
最適なテンションプーリーの歯数の組み合わせが19Tだったそうです。
(RIDEAは13-18T。9100用に限らず、
セラミックスピードとRIDEAは歯数の近いラインナップが多いですが、
お互いに歯数の多さを競い合っているように感じます。)

 

 

次にケージ。

一部の噂で「すぐ折れる」ようなことが囁かれていたりしますが、
あれは眉唾だと思ったほうがいいです。

 

ケージ素材はカーボンのように見えますが、
カーボンを強化した「ポリアミド素材」で、強度は高い上に軽いです。

 

それより、プーリーの肉抜き具合のほうが、個人的には気になります。

摩耗してきたら、割れそうで少し怖い‥
(ただ、メーカーとしては「大きいプーリーは寿命も長い」とフォローしている)

 

 

Ceramic Speedのビッグプーリーは、
科学に裏打ちされた最高の設計、セラミックベアリング、ケージ素材ではありますが、
ほとんどの人は、価格が高すぎて手が出せないでしょうね。

 

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カーボンドライジャパン『R9100/R9150用』

カーボンドライジャパン「R9100/R9150用」

歯数:11-15T
重量:60~65g
税抜:48,500円(フルセラミック仕様)
オススメ度:★★★★

 

現在進行形で、個人的に使用しているのがカーボンドライジャパン。

 

初期型は微妙でしたが、
選手からのフィードバックと、測定実験を製品に活かし、
ケージを変更してからは随分良くなりました。

 

使用していての不具合はなく、
純正に近いフィーリングの変速性能に感じています。

 

カーボンドライジャパン「R9100/R9150用」 ビッグプーリー
※フルセラミックプーリーだと表の結果-2~3%

 

ビッグプーリーは、「アウター×ロー」の組み合わせで
最も効くということを裏付ける実験です。

52-36Tのフルセラミック仕様で、
純正よりも最大20%の摩擦抵抗が見込める結果になっています。

 

 

逆に、デメリットを上げると、
他のメーカーに比べて歯数が小さい(=効果が小さい)ことと
価格が高めであること。

 

リデア C38 ビッグプーリー プーリー

変速性能の低下を嫌って11-15Tにしているのですが、
可能ならば、もう少し攻撃的に摩擦削減を狙って、
プーリーを大きくしてもいいように感じます。

トーケン『Shuriken TK1729S Zenith 12-19T』

トーケン『Shuriken』和風金メッキが煌めく13-19Tビッグプーリービックプーリー頂上決戦。大手6社16種類を徹底比較してみた。 トーケン Shuriken TK1729S Zenith

歯数:12-19T
重量:74g(実測)
税抜:36,800円(フルセラミック仕様)
オススメ度:★★★

 

詳しくは以下の記事で取り上げていますので、そちらをどうぞ(^^)

 松木です。 台湾のパーツメーカーTOKENが、遅ればせながらビッグプーリーを発表。  金メッキ+『Shuriken(手裏剣)』  ”和”を強く意識したテイストに目を奪われてしまいます…… 「12-19Tという歯数の意味するところは?」「PVDコーティング、TBTベアリングとは?」「競合他社のモデルと比較してどうなのか?」そういった気になる事柄を中心に取り上げてみましょう。 【関連記事】 トーケン『Shuriken』の基本スペック TOKEN『Shuriken TK1729S Zenith』【歯数】12-19T【プレート素材】...

まとめ

リデア C38 ビッグプーリー

カーボンドライジャパン(CDJ)も良いとは思いますが、
客観的に見れば、RIDEAの「C38」が一番優れていると思います。

 

リデア C38 ビッグプーリー プーリー

実はプーリーの歯の形状にもこだわりがあって、
隣り合う歯の厚さを変え、プーリーの歯をチェーンのコマに合わせた形にすることで、
チェーンの暴れを押さえる「X-SYNC構造」になっています。

 

これは、チェーンの暴れるシクロクロスのチェーンリングに採用されていたりしますが、
チェーンの保持を確実にして、変速性能の高めるための工夫です。

 

リデア ビッグプーリー リデア C38 ビッグプーリー

RIDEAは、カーボンドライジャパンやセラミックスピードのように
科学的な実験は行っていないのか、そういった資料はありませんが、
しっかり物理学的なアプローチを考慮して設計されていますから、
見た目以上に、性能もしっかりしています。

 

ちなみに、
自分が今まで触り、乗ってきた5社(TNIとBERNERも)のビッグプーリーの中では、
最もフィーリングが良かったのが「RIDEA」です。

だから、理論上だけでなく、
実際に使う上でもオススメできるビッグプーリーメーカーではあります。

 

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