松木です。
FSAから電動コンポーネント「K-Force WE(ケーフォ-スウィー)」
が9~10月頃発売されます。
その最大の特徴が、”セミワイヤレス”。
「シマノ Di2」がワイヤー有、「スラム eTap」が完全ワイヤレスで、
そのどちらとも違う形式なわけです。
「なんでeTapみたいに完全ワイヤレスじゃないの?」と不思議でしたが、
そこにはちゃんと理由がありました。
今回は、その理由と、「K-Force WE」の特徴を見ていきましょう。
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目次
K-Force WEの基本情報
下のシクロワイヤードの記事に、
基本的なところは書いてくれてます。
セット重量2,090g、税抜価格¥380,000ですが、
これは、DURA-ACE Di2よりも5%ずつ大きいぐらい。
ちなみに、チェーン、スプロケット、クランク、ブレーキなどは、
「シマノ製のものを使いたい!」と考えた場合、普通に使えるようです。
変速スイッチがシーソーのようになっている
変速スイッチが少し変わっていて、
シフトアップとダウンが「前後」ではなく「上下」になっています。
これは「面白いなー」とは思うんですが、
使い勝手を考えると、正直微妙でしょうね(^^;
例えば、上の写真のような変速設定にした場合、
「下ハンドルを握ってのシフトアップ」は問題ないですが、
「ブラケットポジションでのシフトアップ」には、指を伸ばさないといけません。
逆に、ブラケットポジションでのシフトダウンは簡単ですが、
下ハンドルを握ってしまうと、シフトダウンはしづらくなります。
1つのボタンにすると、見た目はシンプルになります。
でも、それならeTapのように
「右レバーがシフトアップ、左レバーがシフトダウン、両方押しでフロントディレイラーの変速」
というふうに完全に分けたほうが、使いやすいように思います。
フロントディレイラーが中枢的機能を担う
フロントディレイラーが「K-Force WE」における、一番の”頭脳”です。
右のボタンで主電源をオン・オフし、
左のボタンで「変速調整セッティング」と「バッテリー残量の確認」の両方ができます。
これは、Di2のジャンクションAの機能が、
フロントディレイラーにひっついているようなものですね。
配線と充電の方法
ワイヤー部分の配線は、こんな感じです。
フロントディレイラーとリアディレイラーのそれぞれからケーブルが伸び、
フレーム内部を通って直接バッテリーへとつながっていきます。
充電するときは、リアディレイラーのケーブルをぶっこ抜いて、
そのケーブルを、下図の充電器の金色部分につなげます。
そして、赤丸の部分がUSBポートになっていますから、
スマホなどと同じように充電するんですね。
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”セミ”ワイヤレスの理由
完全ワイヤレスにしないのは、
次のような理由があるからです。
- なるべくシンプルにしつつ、バッテリーだけは別体にすることで、
一回の充電で可能な走行距離が長くなる - セミワイヤレス方式は、多くの国の法基準に準拠する
- 完全ワイヤレスにするよりも変速の信頼性が高い
この中で特筆すべきは「一回の充電で可能な走行距離」です。
スラムが1000km、シマノが700km(メーカー発表)なのに対し、
FSAはなんと4,000~6,000km。
使われるバッテリーは、
シマノDi2の内臓バッテリーとほぼ同じ大きさ、形のものです。
それなのに、シマノの5倍以上の距離を走れるんだから、
大した持久力だと思います。
とは言え、プロ並みに走り込んだとして、
シマノDi2でも1週間に1回の充電で十分ですから、
そこまでありがたさを感じないかもしれませんね(^^;
毎日の充電が、5日に1回になるのと、
1週間に1回の充電が、1ヶ月に1回になるのとでは、
同じ5倍でも意味合いが違いますよね。
「K-Force WE」の競争力
開発期間5年、路上テスト2年を費やして開発された
「Di2」「EPS」「eTap」に続く、第4の電動コンポーネント。
かなり完成度は高そうです。
でも、他のメーカーに比べて競争力があるのかは少し疑問に感じます。
コンポの”信頼性”という点ではシマノが圧倒的ですし、
スラムの「完全ワイヤレス」のインパクトと、メンテナンス性の高さにも負けてしまいます。
それに、カンパニョーロみたいに
一部の熱いファンがいるようなメーカーでもありません。
そう考えると、
「よし、K-Force WEを買おう!」と思う人は、決して多くはなさそうです。
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