松木です。
前回のタイヤ編に引き続き、今回はチューブ編です。
AeroCoachが大手7社11種類の「転がり抵抗」を比較テスト。
(実験方法はタイヤ編と同じなので省略(⇒こちら))
~本日のお品書き11品目(製品名、実測重量、定価)~
ラテックス
Vittoria Latex: 72g、1848円
Challenge Latex: 74g、2420円
Michelin Aircomp Latex: 81g、2200円
ブチル
Continental Race Supersonic: 55g、参考1990円
Continental Race Light: 78g、参考1430円
Continental Race: 104g、1980円
Michelin Aircomp Ultra Light: 76g、1100円
Schwalbe Extra Light: 80g、1650円
Hutchinson Air Light: 80g、1100円
TPU(熱可塑性ポリウレタン)
Tubolito Tubo Road: 40g、5280円
Tubolito S Tubo Road: 22g 、4730円(ディスクブレーキでのみ使用可)
『ラテックスも種類によって「転がり抵抗」は異なるのか?』
『軽いチューブほど「転がり抵抗」も小さいのか?』
『TPU素材の超軽量チューブの「転がり抵抗」は実際どうなの?』
誰もが気になっているであろう、これらの疑問を解決する良いチョイス(^^)b
「鬼のように軽い」「空気があまり抜けない」が強みの
TPU素材チューブTubolito(チューボリート)は注目ですね~
TPU(熱可塑性ポリウレタン)は、
自動車業界や医薬品産業などでも多用されている素材。
触った感触は、ゴムというより”超柔らかいプラスチック”ですw
今回得られるTubolitoの結果は、
Wolfpack(TPU/25g)やREVOLOOP(TPU/39g)、FOSS(TPE/92g)などの
同系統のチューブを推しはかるのに役立つでしょう!
結果と考察
情報を付け加えると次のようになります。
- 同重量なら「転がり抵抗」はラテックス<ブチル<TPU
⇒”ブニブニ”のラテックス素材は「ヒステリシスロス」が小さいのだろう - ラテックスではVittoria≒Challenge≦Michelin
⇒「重量」が「転がり抵抗」にキレイに比例している - ContinentalのブチルではSupersonic<Race Light<Race
⇒「重量」が「転がり抵抗」にキレイに比例している - 76~80gの重量の近いブチル4種類の「転がり抵抗」に多少ばらつきが出た
⇒同じ「素材」「重量」でも「転がり抵抗」は異なる(中でもContinentalは比較的優秀)
同じブチルでも、メーカーによって微妙に違うのだろうと想像できる - Tubolitoの「転がり抵抗」は”可もなく不可もなし”
上の結果は45km/hという”平地の高速巡航時”を想定していますが、
”ヒルクライム”ならばどうでしょう?
もっと低速、しかも「軽さ」が活きる状況ならば、22gのTubolito Sは強いのではないか?
”勾配10%の上り坂を16km/hで走行する場合、
164gの軽量化は-0.8wの節約、+0.03km/hの速度UPにつながる”
AeroCoachのこのデータを基にVittoriaラテックスと比較してみると、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【軽量化】
前後輪2本分の重量差(72g-22g)×2=100g
よって、勾配10%、16km/hにおける100gの軽量化は、
Tubolito S:0.8w×100g/164g≒-0.49w
【転がり抵抗】
『「転がり抵抗」は「速度」の影響をほとんど受けない』という見解もあれば、
『「転がり抵抗」は「速度」に比例する』というデータもあるのだが、
今回はVittoriaに不利な後者の「比例する」パターンで考えると、
Tubolito S:(30.5w-27.2w)×16kph/45kph≒+1.17w
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
以上から、Vittoriaラテックスと比べて、
”勾配10%の上り坂を16km/hで走行する場合においてさえ
Tubolito Sの方が1.17w-0.49w=0.68w多く踏まないといけない”
チューブが100g軽くなれば、踏み込んだ際に「おっ!軽い!」とは感じられますけど、
ラテックスの「極上の乗り心地」「路面抵抗の低さ」とは釣り合わないと思いますねぇ…(^^;
…………いや、ここはやっぱり、
チューブはラテックスでしょと言い切っておこうw
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TPU系チューブの転がり抵抗気になってました。触った感じはそれほど柔らかくはないのですが薄いのでラテックスとブチルの間くらいと予想してました。
やっぱりしなやかなラテックスが最速なんですね。
TPU系チューブは軽いだけでなくパンクしたときに一気に空気が抜けないという利点があります。実際にパンクそのものにも強い印象です。
乗り心地もラテックスとブチルの間くらいな印象。たぶん薄いのでエアボリュームが増えるからでしょうね。
僕はSじゃなくて通常のチューボリートを常用してます。Sの方やウルフパックならラテックスに乗り心地もかなり近づくのでは?
あと、ラテックスチューブは同じチューブの切れ端とゴム糊で完璧に修理出来ますが、チューボリートも専用のパッチで完璧に修理出来ますね。修理したチューブを普通に使ってますが新品と変わらない感じで使えています。
修理したチューブをタイヤの寿命と同じくらい使えるなら特に割高ともに思わないですが。レボループのチューブなら定価もチューボリートよりかなりお安いですしTPU系チューブいいと思います。
なるほど~、TPU系は昔にFOSSを使っていた経験しかないので、すごく参考になりましたm(__)m TPU系は、パパちゃんさんみたいに修理しながら使い倒すのが一番合ってそうですねー(^^) SやWolfpackの乗り心地はきっと良いんでしょうけど…………パンクリスクを考えると常用は厳しい?(笑)
25gクラスのチューブはまだ使ったことがないので実際のところはわかりませんがパンクリスクはダイヤに依存する割合の方が圧倒的に高い気がします。
貫通パンクは運によるということもありますし。
今まで私自身は貫通パンクってほとんどなくて製品のバラツキによると思うのですがスローパンクの方が多いです。
今はメインバイクもサブもチューボリートを使っていますが製品のバラツキは感じません。
TPU系チューブはラテックス同様に熱に弱い弱点がありますがカーボンクリンチャーで六甲山のダウンヒルも普通にこなせています。
ポンピングのようなテクニックは一切使いません。ブレーキ多用してます。
真夏は厳しいかもしれませんが冬や春先ならディスク用の25gクラスのチューブでもいけるような気がします。
僕は当面リムブレーキでいくのでディスク用のチューブを常用はしませんがディスクロードに乗り換えたら常用するかもしれませんね。
さらに詳しく教えて下さり有難うございますm(__)m 色んなシチュエーションでハードユースされているからこそ、非常に説得力があって納得いたしました!カーボンクリンチャーで六甲のダウンヒルが普通にこなせるのなら、よっぽどの状況じゃない限りは”熱”も大丈夫ですね(^^)
ブログ復活ありがとうございます。
いつも参考にさせて頂いています。
某ラボ、ITさんと並んで密かに「大阪御三家 自転車ブログ」と呼んで楽しんでおります。
ところで私は、決戦用(ヒルクライム、エンデューロ)にチューブラー(Corsa G 23mm、Conti Comp 22mm)、
練習用にW/O GP4000SⅡ 23mm(90gブチルチューブ)、TLR Fusion5 11stm Perfom 25mm(No tubes シーラント2~30cc)等使用しています。
①W/Oでのラテックスチューブは、ビットリアを使用した事があり、快適性は認めますが、耐久性に不安があります。
使用期間が延びるとチューブの内側が、⬜ ⬜ ⬜ ⬜ ⬜ ⬜ みたいにビロビロになりませんか?そこからパンクしませんか?
②Fusion 5のテスト結果は良いようですが、走行感は余り軽くないですね。
グリップそこそこ、快適性はW/Oよりありますが、チューブラー程じゃないように感じます。
旧モデルのIRC formula pro RBCC 25mmの方が良かったです。
③今となってはGP4000SⅡ 23mmは、高耐久性以外はそこそこのタイヤですが、25mmのTLR Fusion5より走行感が軽い気がします。25mmが重いという先入観なのかもしれませんが、海外サイトにデータの無いIRC formula pro RBCC 25mm(旧モデル)はグリップも効いて走行感が軽かったです。
私見ですが、
転がり抵抗
チューブラー22~23mm<TL IRC Formula pro 25mm<W/O GP4000SⅡ23mmTL IRC Formula>TLR Fusion5>W/O GP4000SⅡ
のように感じます。
体重60kg弱、推定FTP200wそこそこの貧脚おじさんで、坂を良く登るからかもしれません。
TPUチューブは高価な事と、加水分解による劣化が心配なので、導入予定はありません。
Dreamerさん、はじめまして。楽しんで下さっているのであれば、嬉しいですね!有難うございます!
おっしゃられている各々のタイヤの感触は、私が抱いている印象とほとんど一緒でとても共感できました(^^)
それから、ラテックスチューブの内側(リムテープ側)のビロビロは……どうしてもなりますよね(笑)思うのですが、タイヤ内面のグリップが効くのでタイヤ側は膨らみにくいのに対し、リムテープ側は膨らみやすい。なので、走行中ずっとチューブ内側がより膨らんでいる状態(チューブ内側に大きな負担がかかってしまっている状態)が続いており、その結果ビロビロになったり、薄くなったりするのだろうと想像します。ラテックスの強みである「柔軟性の高さ」が仇となっているのでしょうね。。。経験上、ビロビロになっても(よっぽど使い込まない限りは)パンクにまで至ることはありませんが、正直気持ちの良いものではないのは事実です(^^;
ビットリアのラテックス、チューボリートを使う前に使ってました。ビロビロなりますね。そこからパンクした経験はないんですがなんか嫌ですね。
TPU系チューブは加水分解するんですね。知りませんでした。まだそこまで長期運用していないのですが、使い倒そうと思っています。
今のところパンクは軽量ブチル、ラテックス、TPUではTPUが一番頻度が少なくて軽量性、圧の持ち、乗り心地など値段以外は満足してます。チューボリートしか使ってませんが。
チューボリートは軽量ブチルの上位互換といった感じです。乗り心地はブチルよりいいけどラテックスのような心地よさとは違ってブチルの感触に近いです。
国内より海外通販でかなり安く入手できたのである程度ストックしていますが、めったにパンクしなさそうだしパンクしても修理して使い続けられるのでストックがなかなか減らなさそうです。
ちょっと付け加えておいたほうがいいかなと思ったのでご参考までに。
チューボリートを常用し始めて1年はまだ経っていないのですが使っていていいなと思ったのがパンク時の挙動です。
貫通パンクが1回だけあったのですがダウンヒルしていていた時のことでした。シューッという音がしてなんだろうと思って止まったのですがパンクでした。一気に圧が抜けずに安全に止まることが出来ました。タイヤを外すためにチューブのバルブを開けるまである程度の圧を保っていました。
これがゴム系のチューブだったら急に圧が抜けて危険な状況も起きていた可能性もあったと思います。
それと、TPUの加水分解について少し調べてみたのですが高温高湿度化に徐々に進むといった程度のもので80度以上の高温下に置かれているとよくないようです。
ハードブレーキングをして一時的に高温になることもありますがそれほど気にしなくてもよいかなと思います。今のところ使い続けているチューブに劣化は見られません。
使用している距離は分かりませんが普段の乗り方からすると平坦とヒルクライム(上り下り合わせて)の時間比率は半々といったところです。平坦は主にヒルクライムするための移動時間です。
ビロビロになるなど不可逆的に変形しても使えているラテックスチューブと同等以上の寿命、耐劣化、耐候性はあるかなというのが私の印象です。ゴムも酸化などで劣化していきますしね。他の素材と比べて寿命が短いということはないのではと思いますがいかがでしょうか。
パパさん、松木さんありがとうございます。
アパレル等に使われるポリウレタンは加水分解される事は広く知られていますが、ポリウレタン樹脂であるTPUには熱に強いのとか加水分解に強いのとかあるみたいですね。
自分の使い方には、ラテックスチューブが合っているように思いますので、久しぶりに使ってみますね!
ホントのとこはチューブラー派なんですが(昔はチューブラーしか無かった(^^;))、コストが厳しいので…。