松木です。

 

4社ラテックスチューブ徹底比較インプレッション SOYO ミシュラン ビットリア

ロードバイクチューブと言えば、
ブチルが一般的ですが、
性能を考えると、ラテックス一択な気がします。

 

「乗り心地が良い」「転がり抵抗が低い」

 

こういったことは、もはや分かり切ったことですが、

 

「一日で何気圧抜けるのか?」

「パンクはどれぐらいの頻度でするのか?」

「何ワットの出力が抑えられるのか?」

「何℃まで耐えられるのか?」

「カーボンクリンチャーとの組み合わせは危険なのか?」

 

このあたりの疑問を
「SOYO(左下)」「ミシュラン(右下)」「ボントレガー(上)」「ヴェレデステイン」
のラテックスチューブを実際に使ってみて、検証していきます。

 

ラテックスチューブ5社比較インプレ。気になることも全て実験してみた。

「Vittoria」のラテックスチューブも比較対象とします。

 

【関連記事】

 松木です。 前回のタイヤ編に引き続き、今回はチューブ編です。AeroCoachが大手7社11種類の「転がり抵抗」を比較テスト。(実験方法はタイヤ編と同じなので省略(⇒こちら)) ~本日のお品書き11品目(製品名、実測重量、定価)~ラテックスVittoria Latex: 72g、1848円Challenge Latex: 74g、2420円Michelin Aircomp Latex: 81g、2200円ブチルContinental Race Supersonic: 55g、参考1990円Continental Race Light: 78g、参考1430円Continental Race: 104g、1980円Michelin Aircomp Ultra Light: 76g、1100円Schwalbe...

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ラテックスチューブ5種類のスペック

4社ラテックスチューブ徹底比較インプレッション SOYO ミシュラン ビットリア 重量 重さ

 

まずは、各チューブの詳細データを表にまとめておきます。

 

  SOYO ミシュラン ボントレガー ヴェレデステイン Vittoria
ラインナップ 23-25c 22-23c 25-30c 20-25c 19-23c/
25-28c
バルブ長(mm) 42/60 40/60 51 50 48
バルブコア 外せる 外せない 外せる 外せる 外せる
実測重量 51g(42㎜バルブ) 79.6g(40㎜バルブ) 公表重量83g 52.5g 公表重量75g(19-23c)
85g(25-28c)
実測厚さmm 0.4 0.65 0.6 0.4
実測幅mm 23 30 25 23
耐パンク性 やや弱い 強め 強め やや弱い
肌色 青緑 エメラルド 肌色 ピンク
7barからの
一日の減圧
3気圧 1.4気圧 1.4気圧 3気圧 約1気圧
税込定価 ¥2,700 ¥2,200 ¥3,080 ¥1,870 ¥1,848
オススメ度 ★★★★★ ★★★★★ ★★★

 

「SOYO」のラテックスは、一日で3気圧以上の空気が抜けます。

 

対して「ミシュラン」や「ボントレガー」のものは、
厚みがある分だけ空気抜けは遅く、
実際に測定した結果、両方とも同じ1.4気圧減でした。

 

4社ラテックスチューブ徹底比較インプレッション SOYO ミシュラン ビットリア vredestein ヴェレデスティン

それから、VREDESTEINのラテックスチューブですが、

 

4社ラテックスチューブ徹底比較インプレッション SOYO ミシュラン ビットリア vredestein ヴェレデスティン

SOYOと製造元は同じです(左:SOYO、右:VREDESTEIN)。

 

ですから、830円高いSOYOを選ぶ理由は、特に見当たらないです。

ラテックスチューブはパンクしにくいのか?

ラテックスチューブの耐パンク性 4社ラテックスチューブ徹底比較インプレッション SOYO ミシュラン ビットリア

SOYOの箱の横には、上のような写真が載せられています。

 

これは「伸びやすい=穴が開きにくい」という理屈です。

 

ラテックスチューブの耐パンク性 4社ラテックスチューブ徹底比較インプレッション SOYO ミシュラン ビットリア

写真と同じように、千枚通しを刺してみると、
確かにブチルよりは伸びますが、
これ以上刺そうとすると、普通に穴が開きます。

 

ラテックスチューブの耐パンク性 4社ラテックスチューブ徹底比較インプレッション SOYO ミシュラン ビットリア

3年ぐらいSOYOのラテックスチューブを使っていますが、
実際に使ってみて感じた耐久性は、
「薄い割には意外と強い」程度のものです。

 

今までSOYOで2~3回はパンクを経験していて、
ペース的にはおおよそ1000~1500km毎にパンクしていることになります。

 

 

それに比べると「ミシュラン」と「ボントレガー」の
ラテックスチューブはパンクしにくい気がします。

 

この2種類は、SOYOと同じぐらいの頻度で使っていますけど、
今まで1度しかパンクした記憶がありません。

 

「よほどのことが無い限りパンクはしない」といった印象で、
厚くて重い分、耐パンク性能は高いということですね。

”あの写真”は本当なのか検証してみた

4社ラテックスチューブ徹底比較インプレッション SOYO ミシュラン ビットリア

SOYOラテックスチューブに空気を入れたこの画像。

果たして本当なのでしょうか?

 

4社ラテックスチューブ徹底比較インプレッション SOYO ミシュラン ビットリア

穴は開いていないけども、
やたらと空気抜けが酷くなって使い物にならないSOYOで実験。

耳栓をセットして、割れるまで空気を入れてみようと思います。

 

極薄なので、少し空気を入れると、
写真のように、特に薄い部分から大きく膨れ上がってきます。

 

4社ラテックスチューブ徹底比較インプレッション SOYO ミシュラン ビットリア

大分とは入ってきましたね。

 

膨れ上がっている部分の厚さは、およそ0.01~0.02mm程度しかありません。

 

4社ラテックスチューブ徹底比較インプレッション SOYO ミシュラン ビットリア

おおぉ~凄い!!

どうやら最初の写真は本当だったようです(^^)

 

かなり危険な臭いがしますが、更に空気を入れていきます。

 

4社ラテックスチューブ徹底比較インプレッション SOYO ミシュラン ビットリア

すると、すぐに割れました(笑)

ラテックスチューブを使うと、どれ程度の出力を削減できるか?

ラテックスチューブによる「転がり抵抗削減効果」 

タイヤの”路面抵抗”、”耐パンク性能”に関して
おそらく世界一の情報を持っている第三者機関
「BICYCLE ROLLING RESISTANCE」の検証結果です。

 

【条件】
・時速29km/h
・負荷42.5kg(体重+車体÷2をと考えると、片輪にかかる負荷はこれぐらい)

 

【比較タイヤ】
・シュワルベONE チューブレス 25c
・シュワルベONE+ミシュランのラテックスチューブ
・シュワルベONE+コンチネンタルの軽量ブチルチューブ(70g)
・シュワルベONE+コンチネンタルの標準ブチルチューブ(100g)

 

【結果】

ラテックスチューブによる「転がり抵抗削減効果」 4社ラテックスチューブ徹底比較インプレッション SOYO ミシュラン ビットリア

 

ラテックスチューブを使用した場合、
標準的なブチルチューブと比較すると-1.7W
軽量ブチルチューブと比較しても-0.8W

 

これが両輪だとすると、
それぞれ2倍の-3.4W、-1.6Wということになります。

 

これはビッグプーリーなんかよりも効果が大きい数字です↓

ビックプーリー頂上決戦。大手7社20種類を徹底比較してみた。

 

「ラテックスチューブは熱で破裂する」は本当か?

”ラテックスチューブとカーボンクリンチャーの組み合わせは危ない”

 

これはブチルに比べて低い温度で解けるラテックスチューブと、
放熱性能の低いカーボンクリンチャーの相性が悪く、
「峠の下りでバーストする恐れがある」とされているからです。

 

4社ラテックスチューブ徹底比較インプレッション SOYO ミシュラン ビットリア 「ラテックスチューブは熱で破裂する」は本当か?

SOYOのラテックスチューブをライターで、軽く炙ってみました。

赤丸部分が、茶色く溶けているのが分かります。

下っている最中に、この現象が起こると考えるとゾッとしますね‥‥

 

 

しかしながら、

「下りのブレーキングによってカーボンリムは何度まで上がり、
ラテックスチューブは何度まで耐えられるのか」

という、具体的な数字というのは分かりません。

 

 

ただ、カーボンクリンチャーリムの温度上昇のほうは、
実際に検証した人がいます。

以下のサイトの記事です。

 

はじめに 某G社の積極的なプロモーションや某ITさんのブログの影響か、最近カーボンクリンチャーを使ってる方が増えてきました。 一時期のように、すぐに破損するというようなこともなく、そこそこ剛性があって...

 

この記事によると、チューブの触れるリムビート部分は
75℃以上(110℃未満)までは上がるということが明らかになっています。

 

 

では、ラテックスチューブのほうは、どうでしょうか?

 

天然ゴムの耐熱性を調べてみても、
65℃から110℃までの記述が見られ、かなり幅が広いです。

 

【攻略前編】獲得標高4,675mの『七葛』。七方から葛城山を攻めるクレイジーチャレンジ。

先日、『七葛』を行った際、
前輪「アルミリム+ボントレガーのラテックスチューブ」の組み合わせでしたが、
急で長い下りでも、時々停止してリムを休ませれば、何も問題は起きませんでした。

 

それでもアルミリムに指を当てると、
一瞬しか触れないほど熱くなっていたので、
少なくとも70℃ぐらいまでは上がっていたと思います。

 

(ちなみに、後輪に関しては、
「Aeolusカーボンクリンチャー+SOYOのラテックスチューブ」の組み合わせでしたが、
ずっとブレーキをかけっぱなしにでもしなければ、
前輪のように高温にならないので、まったく問題ありません。)

 

 

実際のところ、ラテックスチューブは何度まで耐えられるんだろうか‥‥

 

 

4社ラテックスチューブ徹底比較インプレッション SOYO ミシュラン ビットリア 「ラテックスチューブは熱で破裂する」は本当か?

そこで、SOYOラテックスチューブを1分間煮沸してみました。

まるでペンネ(笑)

 

これで100℃の温度にさらされた際の変化がはっきりします。

 

「ラテックスチューブは熱で破裂する」は本当か?

左が「煮沸無し」で、右が「煮沸有り」。

 

縮んだり変色したりせずに見た目は同じ、
手で伸ばしてみた弾力性も同じで、
まったく変化は見られませんでした。

 

結果、ラテックスチューブには、
予想以上の耐熱性があることが分かりました。

 

 

それでも、前輪のカーボンクリンチャーは
瞬間的に150℃以上にも達することもありえるようですから、

やはり、「前輪カーボンクリンチャー+ラテックス」が良くないのは間違いありません。

 

命を懸けてまで使うものでもありませんからね(^^;

 

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まとめ

4社ラテックスチューブ徹底比較インプレッション SOYO ミシュラン ビットリア 厚さ

色んな角度からラテックスチューブを見てきましたが、
やはり「使わない手はない」というのが結論です。

 

「SOYO」と「ヴェレデステイン」のものは、
軽さに特化させ、限界まで性能を高めている分、
「耐パンク性」は低めで「空気の抜けも早い」というデメリットがあります。

 

それでも明らかに速く走れるので、
ここ一番というときには「ヴェレデステイン」を使うのはアリだと思います。

 

対して、「ミシュラン」「ボントレガー」「Vittoria」の3種類は、
多少重たいことに目をつぶれば、バランスがとても良いですね。

 

「ボントレガー」は廃版になってしまっていますから、
「ミシュラン」か「Vittoria」がオススメで、
Amazonだと「Vittoria」は1,340円台で買えて、かなりお買い得です。

 

「ミシュラン」のラテックスチューブの推奨は23cまでですが、
25cのタイヤでも問題なく使えます。

 

明らかに薄いSOYOのほうは「25cまで使える」としていますから、
対応タイヤ幅は、あくまでメーカーの”自己申告”なのでしょう。

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