松木です。
ローラー台Blackburn(ブラックバーン)『Raceday Portable Trainer』。
先日発売したばかりのアイテムですが、
「これは!」とビビッときまして、早速購入しました。
フォーク固定、後輪ローラーのハイブリッド式は
他のメーカーからも出ていますが、
『Raceday』一番の特徴は、その”コンパクトさ”。
縦52×横18cm×高さ19cmで世界最小のローラー台です。
スペック上は、機能的にも優れているようですが、
実際に使ってみると、果たしてどう感じるでしょうか‥‥
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目次
ブラックバーン『Raceday Portable Trainer』の特徴・スペック
実測重量(クイック込み)は6.6kgでした。
その他の基本的な機能や動作チェック動画は、
下のシクロワイアードの記事に任せるとして、
自分はもう少し突っ込んだ話をしたいと思います。
準備、収納にかかる時間を調べてみた
この状態からスタートして、
『Raceday』に乗り始められる状態にするまでの秒数を計測してみました。
最初の数回こそモタついたものの、
3回もすると勝手が分かってきて、
最終的に落ち着いた時間は70秒。
収納にかかる時間もまったく同じです。
固定ローラーでアップしていた時は、
タイヤの摩耗を避けるために後輪を交換していましたから、
それと比べると、かなり時間短縮できました。
負荷のかかり方
マグネット式の場合、
”ムラのある不自然な負荷のかかり方”をします。
「激坂を上っているかのような感じ」
と言えば、少し分かりやすいでしょうか?
対する、この『Raceday』のローラーには、
”フルード式”が採用されています。
実際に乗ってみてると、
負荷のかかり方に脈動は少なく、
謳い文句通り実走感は高めでした。
負荷(出力)と速度の関係を調べてみた
『Raceday』のサイトには、
負荷(w)を速度(マイル)のグラフが載っています。
メーカーはすぐ”サバ読み”しますから、
このグラフが真実なのかを確かめてみようと思いました。
使うのはPioneerのパワーメーター。
2×10=20段すべてで、
ケイデンスを一定に保った時のパワーを記録していきました。
(ギア比とケイデンスが分かれば、速度は算出できる)
【ケイデンス90の場合】
歯数 | 28T | 24 | 21 | 19 | 17 | 15 | 14 | 13 | 12 | 11 |
34T | 13.8km/h 85w |
16.1 100 |
18.4 115 |
20.3 125 |
22.7 145 |
25.8 170 |
27.6 175 |
29.8 200 |
32.2 215 |
35.1 235 |
50 | 20.3 115 |
23.6 135 |
27.1 160 |
29.9 175 |
33.4 200 |
37.9 235 |
40.6 260 |
43.8 285 |
47.4 300 |
51.7 355 |
【ケイデンス100の場合】
歯数 | 28T | 24 | 21 | 19 | 17 | 15 | 14 | 13 | 12 | 11 |
34T | 15.3km/h 95w |
17.9 110 |
20.5 125 |
22.6 140 |
25.3 160 |
28.7 190 |
30.7 195 |
33.1 220 |
35.7 235 |
39 255 |
50 | 22.6 130 |
26.3 155 |
30.1 185 |
33.2 200 |
37.1 230 |
42.1 260 |
45.1 290 |
48.6 315 |
52.7 350 |
57.5 400 |
以上の数値をグラフにプロットしていきます。
(黄緑:インナー×90rpm、深緑:アウター×90rpm、薄紫:インナー×100rpm、紫:アウター×100rpm)
40km/hまではグラフ以上のパワーが出ますが、
それよりも速度を上げると”サバ読み”が始まることが判明ww
グラフに載せ切れなかった
50/11T、120rpm(≒69.0km/h)で、およそ500w、
50/11T、135rpm(≒77.5km/h)で、およそ600w。
最大負荷は650wとなっていますが、
コンパクトクランクだと、ケイデンス的に
600w以上の出力を維持するのは厳しかったです。
ノーマルクランクなら、なんとか650wは可能かと‥‥
ちなみに、50/11Tで思いっきり漕いだ場合、
瞬間的にだったら728wまでは出てくれました。
以上の結果から、
やはり負荷に”サバ読み”はあったものの、
ウォーミングアップで入れたい400~500wは
『Raceday』でカバーできることが確認できました。
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フロントフォークを固定する脚部のつくり
続いて、脚部のつくりを見ていきます。
ホイールの大きさに応じ、
上の5つの穴で高さを調整します。
25cタイヤをはめたロードバイクの場合、
一番下の穴にしてようやく車体が水平になりました。
少し華奢なつくりにも見えますが、
ローラー台に乗っていて、
フロント周りがグラつくような不安定感はなかったです。
脚の 横幅は、88cmとかなり広くなります。
ミノウラのトレーニングマットから
微妙にはみ出してしまいましたね(^^;
騒音
タイヤとローラーの摩擦音、
ローラー自体の回転音。
それらの騒音は、
大きくもなければ、小さくもないといったところ。
それよりも気になるのは、ローラーから発生する振動。
結構大きいです!
普段使っている「Neo Smart T2800」に比べれば、雲泥の差。
おそらくGrowtacを除く
ハイブリッドローラー全般がこんなものなんでしょう‥‥
賃貸マンションである程度負荷をかけて乗るには
厳しい(=少なくとも自分なら使いたいと思わない)レベルだと感じますが、
それでも室内トレーニングに使いたいなら、
マットはもちろん「ブルカット3」なんかの強力な防振対策は必須かと。
その名の通り「レースデイ」に使いたい”機能美”と”造形美”
他のハイブリッドローラーの中で、
『Raceday』とほぼ同じ構造であり、
一番のライバルであるFeedback(フィードバック)「Portable」。
性能だけ見れば、「Portable」のほうが
やや高い負荷をかけることができて優勢。
300w出すために『Raceday』なら52.4km/h必要なのに、
「Portable」のほうは50.3km/hで可能ですし(←実際に測定した結果)、
『Raceday』は650w維持が限界なのに対して、
「Portable」のほうは750w維持することもできます(動画)。
重量面でも「Portable」に比べて数百グラム重いです。
なぜ後出しの『Raceday』が、そういった面で
「Portable」に勝ちにいかなかったのでしょう?
思うにBlackburnが目指したのは、
世界最小の中に詰め込んだ”機能美”と
軽量化以上の価値を見い出せる”造形美”だったのではないかと思います。
車に入れるならスペースを取らず、
輪行でさえ持っていけるであろう極小のサイズ感。
フルード式のローラーが自然な負荷を実現し、
400~500wのインターバル強度を入れることもできます。
「レースデイポータブルトレーナー」の名の通り、
ウォーミングアップ&ダウン用として考えるなら、
およそ完璧にニーズは満たす機能を備えているわけです(機能美)。
それ以上の性能は要るかと考えてみると、確かに必要ありません。
輝くブロンズとガンメタリック。
ヘタに削ぎ落とさないおかげで漂っている”重厚感”。
ローラー台を入れるバッグはスタイリッシュで、
内部のデザインまでが、いちいちカッコ良いという。
ただ単にルーチンのようにこなすウォーミングアップも
『Raceday』を取り出し、その高級なボディを見れば、
レースに向けて自然と心は引き締まり、
集中力が上がりやすくなる気がしなくもありません(造形美)。
(「勝負ウェア」ならぬ「勝負ローラー」)
今後は、この『Raceday』と共にレースに向かうことになります。
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