この記事の所要時間: 411

 

松木です。

 

Encapsulator Aeroswitch d2z

先日の記事でも登場したEndura D2Z『エンカプスレーター』スキンスーツ。

 

風洞実験!エアロ集団D2Zが紐解く伝説的オブリーポジションの空気抵抗。
 松木です。 グレアム・オブリーという人をご存知でしょうか? 今から25年も前の1990年代前半に、トラック競技で活躍したスコットランド人。 そし...

 

世界最速を決定。Endura D2Z Encapslatorを王者スキンスーツと闘わせる実験。

肩から脇にかけて無数に配置された、山型のシリコン『SST』

 

Endura×D2Z『エンカプスレーター』を紹介しているIT技術者さんの記事↓

SMART ENVEの生みの親が開発!世界最速のエアロスーツENDURA D2Zとは
SMART ENVEの名前の由来にもなったSIMON "SMART"(サイモン・スマート)氏が開発協力したエアロスーツが......ヤバイ。Endura D2Zには新開発のSSTが...

 

理想的なエアロ効果を生み出させるために
「効果的なシリコンの形」「SSTを配置させる場所」
「縫い目の位置」「異なる生地の使い分け」など、
80種類ものバリエーションを試した末に完成。

 

さらに、世界最速”であることを証明するために
Castelli、Rapha、Specialized、Nopinz、Bioracer、Assosなど、
名だたる有名ブランドのスキンスーツと比較したデータを取っています。

 

世界最速を決定。Endura D2Z Encapslatorを王者スキンスーツと闘わせる実験。
※画像クリックで拡大

『エンカプスレーター』のターゲットである速度域46~58km/hで、
最速のライバル(黄緑のBioracer?)よりも-1.4~21.8wの削減。

 

速度48.3km/hで40kmTTを行った場合、
100秒ものアドバンテージが得られます。

 

適当なダブダブジャージと比べているならいざ知らず、

各メーカーが長年に渡る研究と、
風洞実験を繰り返して生み出された自信作の中でも
特に優秀なスキンスーツとの比較です。

 

そう考えれば、100秒という数字がいかに凄いか……

 

Endura D2Z Encapslatorを世界最速のスキンスーツと闘わせる実験

そんな『エンカプスレーター』を
Cycling Weeklyがベロドロームにて実走テスト。

 

2017年10月に実施された6種類のスキンスーツを競わせたテスト動画
においてNo.1、2であったBioracerVelotecのスキンスーツを用意し、
40km/h、45km/h、50km/h、55km/hで走るために必要なパワーを調査しました。

 

世界最速を決定。Endura D2Z Encapslatorを王者スキンスーツと闘わせる実験。

これまでで「最も速く走れるウェア」であったのは、
トム・ドュムランを始めとする多くのプロ選手が着用している
Bioracer『Speedwear Concept TT Suit』だと考えて間違いないでしょう。

 

つまり、今回の実走テストによって、
「世界最速のエアロウェア」が判明すると言っても過言ではありません。

 

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実験方法

エアロロード対決「Venge Vias」vs「Foil」vs「Oltre XR4」

実験を行う場所は、
Cycling Weeklyお馴染み「ダービーベロドローム」1周250m。

 

Endura D2Z Encapslatorを世界最速のスキンスーツと闘わせる実験
※このテストのライダーは一人

40km/h、45km/h、50km/h、55km/hそれぞれの速度で4周ずつ走り、
その際の「速度」「パワー」などを記録していきます。

 

そのデータを「Watt Shop」が開発したソフトウェアに入力し、
「空気抵抗」だけを抽出した値「Aero Watt」を実験結果とします。
(「Aero Watt」=「〇〇km/h走行に必要な出力」-「転がり抵抗」-「駆動抵抗」

 

Bioracer Speedwear Concept TT Suit

エントリーNo.1:Bioracer『Speedwear Concept TT Suit』

 

Bioracer Speedwear Concept TT Suit

最大の特徴は、首~肩~肘にかけて見られる「Air Stripe」

 

「S-RIDE」の肩部分に見える模様は”Air Stripe”か? bioracer

「溝を設ける」⇒「そこで空気が乱れる」
⇒「乱流が、身体から空気が剥離するのを抑える」
⇒「身体の後ろに、”低圧の空間”が出来るを抑えられる」
⇒「後ろに引っ張る力(=空気抵抗)の発生を抑えられる」

 

この辺りの詳しい理論について
下の記事で話してますので、気になるならどうぞ参考に。

「空力性能を高める」として物言いがついたボルテックスジェネレーターとは?
 松木です。 ツール・ド・フランス2017、第一ステージの個人TTは、チームスカイのゲラント・トーマスが制しました。 しかも、10位までの間にチームスカ...

 

Velotec『Elite Pro Speeds』uit

エントリーNo.2:Velotec『Elite Pro Speeds』

 

Velotec『Elite Pro Speeds』

Bioracerで言う所の「Air Stripe」にあたる加工が、
上半身の広範囲に渡って(背中にも)施されています。

 

果たして「多けりゃ良い」ってものなのかどうか……

 

Endura D2Z Encapslator

エントリーNo.3:Endura D2Z『Encapsulator』

 

Endura D2Z Encapslator

「SST」が配置されているのは肩~肘、それから脇腹です。

 

Endura D2Z Encapslator

「SST」を前面に配置していない理由は、
前面に乱流を発生させても、あまり意味がないから。

 

「SST」を背面に配置していない理由は、
背中が後方に向けてなだらかな曲線となっているために、
「SST」を配置しなくても空気の剥離が起きづらいから

 

「SST」を太腿の側面に配置していないのは、
下半身はペダリングによって激しく動くために、
「SST」の効果を測定することが困難であるから。

 

論理的に必要最小限に抑えているのは好印象。

むやみに「SST」を配置するのがカッコ良いとは思えませんからね(^^;

 

ちなみに、『Encapsulator』は、Bioracerの真似をしていました。

 

ですが、生地に溝を設ける「Air Stripe」には2つの問題があったのだそう。

 

  1. 空気抵抗を抑えられる速度域が限定されてしまう
  2. 厳密に配置されないと十分な効果が発揮されない

 

②の問題に関して、もう少し考えを進めると
ライダーの姿勢、ポジションにも影響を受けやすい」
といった事も言えるかと思いますね。

 

世界最速を決定。Endura D2Z Encapslatorを王者スキンスーツと闘わせる実験。 SST

そこで、両方の問題をクリアするために
数年間に及ぶ試行錯誤によって生み出されたのが「SST」でした。

 

「SST」は特許を出願されているため、
「Air Stripe」のように他メーカーは真似できません。

 

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実験結果

Endura D2Z Encapslatorを世界最速のスキンスーツと闘わせる実験Endura D2Z Encapslatorを世界最速のスキンスーツと闘わせる実験

 

VelotecとBioracerを比較すると、ほぼほぼ互角です。

ですが、Enduraだけはどの速度域においても明らかに優位。

 

Endura D2Z Encapslatorを世界最速のスキンスーツと闘わせる実験

こちらは冒頭で載せたEndura自社の測定結果ですが、

「Best Competitor」というのがBioracerであると仮定するならば、
今回のベロドローム実験とは、かなり食い違っています。

 

例えば、50km/hの結果に注目すると、
両実験は-7.0wと-21.8wで、14.8wもの開きがあります。

 

Endura D2Z Encapslatorを世界最速のスキンスーツと闘わせる実験

それでも、Endura D2Z『Encapsulator』が、
相当優れていることに変わりはありません。

 

速度40km/hならば、VelotecとBioracerに比べて-5w削減できます。

 

『Encapsulator』を着て40km/hで1時間走った場合、
他の2種類のスキンスーツよりも20秒早くゴールに辿り着き、
距離にして200m以上のリードを得ることが可能となります。

 

特にシリアスライダーにとって、この-5wは大きいでしょう。

 

勝つか、負けるか?
入賞できるか、逃してしまうか?
自己ベストを更新できるか否か?

 

そのように命運を分けるに十分な差だと思います。

ロード用のEndura D2Z『Road Suit』

ロードレース用Endura D2Z『Road Suit』

『Road Suit』の『Encapsulator』との違いは、

 

  • 32~50km/hという低めの速度域に最適化されている
  • 肩~脇に「SST」は無く、代わりに網目模様の生地を使用している
  • 下半身の外側に「SST」を配置している
  • 3つのバックポケットがあり、入り口をカバーしてエアロ効果を高めている

 

 

生地には”スイートスポット”と呼べる速度域があります。

 

例えばBioracerなら、

  • 一般的な速度域である38~45km/hに適した生地
  • プロロード選手のために48~53km/hに最適化された生地
  • 60~73km/hのトップスプリンター用に開発された生地

 

このような3種類の生地を「選手」「用途」によって使い分けているそうです。

 

ロードレース用Endura D2Z『Road Suit』

そして、『Road Suit』に採用される「網目」は、
「SST」よりも”スイートスポット”である速度域が低い模様。

 

『Road Suit』は意図して「網目模様」を選択している訳ですね。

 

ロードレース用Endura D2Z『Road Suit』

また、『Road Suit』には、便宜性を図って
バックポケットが設けられているのですが、

入り口から空気が流れ込んで抵抗を生まないように
「Spoiler Cover」で覆っているという徹底ぶり。

 

使い勝手が落ちてしまうデメリットは多少あるでしょうが、
”細かい部分に工夫を凝らす姿勢”みたいなものは嫌いじゃありません。

 

ロードレース用Endura D2Z『Road Suit』
※画像クリックで拡大

『Encapsulator』同様、『Road Suit』の自社データも公開しています。

比較しているのは、SpecializedCastelliAssosのエアロジャージ。

 

『Encapsulator』の時のことを思い出すと、
(実験条件にも左右されるのでしょうけど)
100%正確だと考える訳にはいきません。

 

ですが、速度38km/hの所に注目すると、
強豪ライバル製品より-7.4wも削減できてしまう
結果が出ているのは、かなり魅力的に感じます。

 

 

世界最速ウェアが判明!Endura D2Z Encapslator VS 王者スキンスーツ

 

「ウェアは、機材や他のアイテムの進歩に比べて5年遅れている」

 

そのように話すサイモン・スマート氏(Smart Enve生みの親)が
『Encapsulator』『Road Suit』を世に送り出したことで、
”ウェア”という分野は、これまでにない飛躍的な発展を遂げました。

そして、これから先もその発展は加速していくことでしょう。

 

 

現在のところ、国内正規代理店が存在せず、
海外通販からしか手に入りません(^^;

とりあえず『RoadSuit』のほうを注文しておきました。

 

Wiggleの『Encapsulator』販売ページへ

 

Wiggleの『RoadSuit』販売ページへ

 

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