Panaracer『R’Airブチルチューブ』

  • 従来ブチルに比べて2.1倍もの伸縮性をもつ特殊なブチル『Air Flex Lite Butyl』
  • 23-28c、60㎜バルブ長の実測重量は74.5g「重くもなければ軽くもない」
  • 18-23cの3週間の空気圧変化6.90bar⇒4.76bar。一般的なブチル並みに抜けにくい
  • 実売価格は1300円台とかなりお手頃
  • Panaracerのチューブラーに採用されているチューブ


 

なかなかにバランス良きチューブだ……

これで「ラテックス並みの転がり抵抗」を持つのであれば、
”決戦用チューブ”として選択肢に入りうるんですが、どうなんだろう?

 

 

………と、長らくそんな妄想していたのですけど、

かの有名なBicycle Rolling Resistanceが何年も前にテストしておりましたこちら

 

今回はその実験結果をまとめていきましょう!

 

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比較する4種類のチューブ

 

  1. Panaracer『R’Air』18-23c バルブ長不明 実測70g
  2. Continental『Race Light』20-25c バルブ長42㎜ 実測70g
  3. Continental『Race』20-25c バルブ長42㎜ 実測100g
  4. Michelin『Air Comp A1 Latex』22-23c バルブ長40㎜ 実測80g

 

①と②の比較⇒「同gの標準ブチルと比べてどうか?」
①と④の比較⇒「ラテックスチューブと比べてどうか?」

 

この2点をチェックできるGOODなラインナップです(^^)b

「転がり抵抗」の実験方法

【タイヤ】Schwalbe『One』クリンチャー23c
【空気圧】4.1bar、5.5bar、6.9bar、8.3barの4段階
【速度】
約29km/h
【荷重】42.5kg(人+車体を85㎏と想定し、片輪なので÷2)
【気温】21~23℃

実験結果&考察「R’Air」は決戦用チューブとなりえるのか?

 
※上記の数値は、タイヤの転がり抵抗を引いた「チューブ正味の転がり抵抗」

 

  • 一般的なブチル素材チューブ(コンチ Race Light)と限りなく同じ
  • 故に、ラテックスチューブの低い転がり抵抗には全く及んでいない

 

……まぁ、そう都合よく期待通りにはなってくれんわなぁ… ( ´ᾥ` )ヌヌヌ

 

『R’Air』の「転がり抵抗」は、ラテックスはおろか
一般的なブチルチューブと比べても特に優れてはいない、という結果に。。。

 

それから「転がり抵抗」に付け加えて
商品説明にある「高い振動吸収性」に関して。

 

素材の特徴にて「従来ブチル比2.1倍の伸縮性」とは謳っているものの
触ってみた感じではラテックスみたく”ボヨンボヨン”した感触はありません。

 

実際に装着して走った際の「乗り心地」「路面追従性」についても
標準的なブチルチューブを「5」、ラテックスチューブを「10」とした場合、
『R’Air』は「6」ひいき目に言って「7」といった所。

 

それに、経験上「耐パンク性能」も重量相応。

特別パンクしづらいチューブでもないですね。

 

 

 

「ラテックスは空気が抜けやすいし、ブレーキ熱が気になってどうにも好かない!」

「乗るごとに空気を入れるのが必須なラテックスは面倒……」

「数日間の旅ライド!数日フロアポンプを使わなくても問題無いブチルの方が良い。」

 

こういった事情があるのであれば、
『R’Air』はニーズに合うチューブだと思います。

 

ですが、ちょっと厳しい言い方をすれば、
結局は「少し良いブチルチューブ」に過ぎないとも言えるでしょう。

 

 

ロードバイクチューブ頂上決戦Ver2020!猛者7社11種をテスト。

「速い」「乗り心地が良い」「軽い」などの”レース要素”を求めるのであれば、
やはりラテックスチューブ、もしくは近年台頭してきているTPUチューブがベスト。

 

これらの魅力的なチューブたちが鎬(しのぎ)を削っている中で、
残念ながら『R’Air』は選択肢にすら入ってきません。

 

「空気が抜けにくい」っていうのは何かと助かるんですけどねぇ…(^^;

仕方ない。大人しくラテックス、もしくはTPU素材から次期チューブを検討するかぁ~



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