松木です。
2017年ツアー・オブ・ジャパンの京都ステージを観戦しに行きました。
各チームがどういったバイク機材で戦っているのかを
記事の分量によって、何回かに分けてレポートします。
前提として知っておいてもらいたいのは、
- ステージによって、フレームとホイールを使い分ける(エアロor軽量)チームが多い
- タイヤの太さに関して、90%以上、前後25cを付けていた
- ハンドル周りのメーカーは統一されているが、モデルや素材は比較的バラバラ
- サドルは、メーカーもかなりバラバラだったので、基本的に取り上げない
- 「バーレーン・メリダ」「NIPPOヴィーニファンティーニ」以外は「UCIコンチネンタルチーム」
【関連記事】
『【プロバイク機材レポート】2017年ツアー・オブ・ジャパンVol.2』
『【プロバイク機材レポート】2017年ツアー・オブ・ジャパンVol.3』
『【プロバイク機材レポート】2017年ツアー・オブ・ジャパンVol.4』
『【プロバイク機材レポート】2017年ツアー・オブ・ジャパンVol.5』
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目次
バーレーン・メリダ「REACTO TEAM-E」
新城選手も所属する、今大会唯一の最上位「UCIワールドチーム」。
フレーム:MERIDA「リアクト TEAM-E」
メインコンポ:DURA-ACE R9150(チェーンリング9000)
ホイール:FULCRUM「スピード55T」
タイヤ:Continental「コンペティション PRO LTD 25c」
ハンドル周り:FSA
パワーメーター:SRM
ホイールは、フルクラム「RACING SPEED 55T」で統一。
タイヤには、コンチネンタル「コンペティション」のプロ限定モデル。
市販品とは違う、よりハイグリップなコンパウンドを使用しているそうです。
また、市販品は全面ブルブルのトレッドパターン(模様)ですが、
この「PRO LTD」は、正面をスリック(ツルツル)にし、路面抵抗を減らしています。
ハンドル周りはFSA。
バーレーン・メリダは、アルミ中心でした。
「軽さ」よりも「硬さ」を重視しているのでしょう。
クランクアームに面白いものが付いていました。
SRM社のカーボンクランクアームです。
こクランクアームには、
LOOK社とコラボしているもう一種類のモデルがあり、
それには「クランク長が変えられる仕組み」が付加されています。
バーレーン・メリダが使っているのは、
この仕組みが無いほうのモデルですね。
重さに関して、
デュラエースのクランクアームが170gに対して
このSRMカーボンクランクアームはわずか127g。
クランク全体(クランクアーム/スピンドル+チェーンリング+SRM)で考えると、
通常のデュラエースSRMが750g以上あるのに対して、
バーレーン・メリダに取り付けられているほうは600g弱で、160gほど軽いです。
ただ、SRMカーボンクランクが採用されているのは、
「軽さ」以外の「SRMカーボンクランクでないとダメな理由」が、何かあるのだと思います。
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NIPPO・ヴィーニファンティーニ「新型PROTOS」
「UCIワールドチーム」の一つ下の「UCIプロコンチコンチネンタルチーム」。
このクラスまでが、現在開催中のジロ・デ・イタリアに出場する権利があります。
そんな「NIPPO・ヴィーニファンティーニ」が乗るのは、
4年ぶりにフルモデルチェンジし、
より速く、それでいて使い勝手も考えられた「プロトス」。
フレーム:DE ROSA「プロトス」
メインコンポ:SUPER RECORD EPS
ホイール:CAMPAGNOLO「ボーラウルトラ35(一部50)」
タイヤ:IRC「フォーミュラプロ 25c」
ハンドル周り:FSA
サドル:セライタリア
ペダル:TIME「エクスプレッソ 10」
パワーメーター:SRM
全車体に統一感がありますね。
ちなみに、ペダルはタイムのXPRESSOですが、
上から3つ目のグレードの「10」。
軸がチタンではなく、中空ステンレスのモデルです。
ハンドルは、モデルの違いはありましたが、
全車体カーボン素材でした。
サイコンマウントに使っているのはK-EDGEの「PRO MOUNT」ですが、
最近より軽量化されたマウント「RACE MOUNT」が発売されています。
タイヤは、市販品にはないIRCの「FORMULA PRO」チューブラー。
チューブレスしか無いモデルですが、
プロではチューブラータイプがほとんどですから、
レースの現場に合わせて、製造・供給しているんでしょう。
ブレーキアウターワイヤーと電動ケーブルをまとめるのに
「スパイラルチューブ」を使用。
熱収縮チューブでまとめているチームもありましたが、
組み立て時にしか取り付けできないのが難点です。
スパイラルチューブだったら、
組み立て後にも取り付けられますし、
長さの調整もしやすいです。
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ユナイテッドヘルスケアプロフェッショナルサイクリングチーム(UHC)「ORCA OMR」
屈強そうなアメリカ人が揃うチーム。
「UHC」が乗るのは、
PROTOS同様、フルモデルチェンジしたばかりの「オルカ OMR」。
前作と名前が同じなので分かりづらいですね‥‥
あと、洗練された結果、形の特徴もほどんどありません。
新型「ORCA OMR」の紹介記事↓
新型「ORCA OMR」のインプレ記事↓
フレーム:ORBEA「オルカ OMR」
メインコンポ:DURA-ACE R9150
ホイール:シマノ「WH-R9100-C40-TU」
タイヤ:MAXXIS「カンピオーネ 25c」
ハンドル周り:FSA
サドル:プロロゴ
パワーメーター:PIONEER
ホイールは「WH-R9100-C40-TU」。
タイヤは、マキシスのハイエンドチューブラータイヤ「CAMPIONE」。
一般で使っている人のほとんどいませんが、
「転がり抵抗」「乗り心地」「グリップ」「耐パンク性能」のバランスが良い
チェンシン製のタイヤです。
ハンドルはFSAのアルミの「ENERGY」で統一。
どの車体にも、カーボンモデルは使っていませんでした。
プロの世界では、剛性感のあるアルミハンドルが結構好まれます。
BBは「KOGEL」のセラミック。
日本には入ってきていないメーカーですね。
シートポストを見ていると、
ビニールテープを巻いているチームが散見できました。
サドル高の目印というよりは、
「シートポストのズレを検知すること」が主な目的だと思います。
臼式で固定するシートポストの場合、
段差などで少しずつ下がっていくことがありますからね(^^;
ちなみに、このビニールテープに
「シートポストを下がりにくくする効果」は期待できないでしょう。
PS
京都ステージ観戦後に、山岳賞の坂を走りました。
息を切れしつつも、走りながら解説しています(笑)
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