松木です。

 

 松木です。 発売開始して間もないSACRAのホイール『KYLE(カイル)』をお借りしました。 SACRA KYLE5 チューブレスレディ シマノ/スラム用 前後セットposted with カエレバ楽天市場AmazonYahooショッピング名前の由来は、30年前の1980年代より”エアロ”を研究し続け、その道の第一人者であったChester R Kyle氏。 その事から『KYLE』の「空力性能」に関して相当な自信を持っていることが伺えます。  SACRAのHPのほうに『KYLE』の「風洞実験データ」「実測ホイール/リム重量」「構成パーツ」などの詳細情...

 

今回は『KYLE 5』の実走インプレッション

 

SACRAの新作『KYLE5』ホイール【乗車インプレッション】

先にインプレのハイライトをまとめておきます。

 

 

  • 「巡航性能」「煽られにくさ」は”さすが”の一言に尽きる。
  • 非常に軽快。初作から-81gのリム重量434gは伊達じゃない。
  • 欠点は皆無。ただ「強く踏んだ時のかかり」に若干物足りなさを感じた。
    ⇒リア21H/2:1組ではなく、24H/左右クロス組の方が印象良さそう。

 

 

個人的には、”ドッシリ”と安定した走りの前作も好みでしたが、

「軽快さ」が際立つ新作『KYLE(カイル)5』は、
よりオールラウンドに、万人受けしやすくなったように感じます。

 

借していただいている身ではありますが、

”良い所” ”標準的な所” ”物足りないと感じた所”

ありのまま、掛け値なしで話していきたいと思います。

 

【関連記事】

 松木です。 【前回の記事】『SACRAホイール50mmをインプレ・レビュー「横風」「ブレーキ」「急登坂性」「快適性」』 現在、SACRAホイールには、何かと話題が集まっています。 それは、SACRAのHPを読んだら抱くであろう「元シマノ技術者の田中さんへの関心」に始まり、「サイスポ」や「ロードバイク本音のホイール論」の本の反響と、有名な人物がブログでSACRAホイールを取り上げたことによって一気に知名度が上がった相乗効果からだと思います。 そして、興味が高まったSACRAホイールに対して世間の中で「SA...

 

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【走りの印象】軽快(前作との一番の違い)

SACRAの新作『KYLE5』ホイール【乗車インプレッション】 全体的な挙動

434gのリム重量が効いていて、
50mmディープリムとは思えない程に軽快。

 

35~40mmクラスと比べて、なんら遜色ありません。

 

走行中、リムから”コォォー”と独特の反響音が発せられ、
そこからもリムが軽い(もしくは薄い)ことが感じ取れます。

 

50mmが避けられる最大の理由が「走りの重さ」ですから、
「軽やかな走り」を実現している『KYLE5』は、
誰にでも受け入れられやすいだろうなと思います

【加速性】低~中出力では俊敏、高出力ではやや物足りない

SACRA『KYLE(カイル) 5』を徹底インプレッション【サクラホイール】 横剛性

「少しペースを上げようか」と脚に力を込めると、
ペダルが”スッ”と下りてくれて、リニアに反応します。

 

「加速性」においても、リムの軽さが活きてます。

 

 

ただ、「コーナーでの立ち上がり」「アタック」「スプリント」など、

バイクを振りながら高出力で踏むようなシチュエーションでは、
「かかりの良さ」「切れるような加速」は発揮されなかったです。

 

例えば、「スプリント」ならば、
”ジワジワ~”と伸びていって頭打ち感が少ない反面、
”スパーーンッ”と鋭い加速感は感じ取れません。

 

この点は物足りなく思ったところ。

 

 

SACRAの新作『KYLE5』ホイール【乗車インプレッション】 剛性

おそらく自分の「体重」「パワー」だと、
リアホイールの『横剛性』が足りていないのが原因の一つかと……

 

なので、必要最小限の21H/2:1組ではなく、
24H/左右クロス組であれば、良い印象を得られそうな気がします。

 

SACRAホイールは、スポークの「本数」「組み方」を選択可能で、
各々の”ニーズ”、”好みの乗り味”に寄せられるのは有難いですね(^^)

 

SACRAの新作『KYLE5』ホイール【乗車インプレッション】 カイル3

もしくは『KYLE 3』にするのもアリか……

 

リムハイト38mm、リム重量401gで、
『KYLE 5』よりも「加速性」重視のホイールです。

【巡航性】真骨頂

SACRAの新作『KYLE5』ホイール【乗車インプレッション】 平地巡航

 

疾走感がハンパじゃない!!

 

まるで路面を”滑走”しているかのよう……

 

3~4%ぐらいまでの緩斜面・中速域でも、
「エアロ効果」は体感できる大きさで残っていましたから、

「巡航性」は相変わらずバッチリかと。

 

 

ただ、前作とは”伸びる感覚”が異なっていました。

 

前作は「エアロ」に加えて
「重めのリムによる回転慣性」が働いているイメージでしたが、

リムの軽い『KYLE 5』では、「回転慣性」はあまり作用せず、
その代わりに「エアロ」にますます磨きがかかっている印象を受けました。

 

SACRAの新作『KYLE5』ホイール【乗車インプレッション】 平地巡航
(※体重65kg、バイク7kg、装備1kg、速度48km/hでの走行を想定)

JAXA調布航空宇宙センターにおける
『KYLE 5』他2種類のホイールの風洞実験データです。

 

『BORA 50』はまだしも
世界最高クラスのROVAL『CLX50』以上というのは素晴らしい!

 

「ここまで良い結果が出るとは……」と、田中さんも嬉しい誤算だったそう(笑)

 

 

少し余談になりますが、
SACRAが実施しているホイールの風洞実験に関して
面白いコラムがUPされてましたので良かったら(^^)

今回はホイールの風洞試験についてです。自転車の抵抗の80%は空気抵抗と言われるほど重要なエアロですが、エアロの研究は古くは1980年ごろから活発になっていきます。SACRAでの風洞実験は風速と車輪速度を時速48km/hにしてヨー角を2...

【登坂性】10%でも引きずる感じは無い

SACRAの新作『KYLE5』ホイール【乗車インプレッション】 緩斜面

やはり実測1355gというホイール重量は、
50mmチューブレス対応クリンチャーとしては優秀なのでしょう。

 

ホイールに”引きずるような重さ”は感じませんでした。

 

ただ、普通にダンシングする分には問題ありませんが、

ダンシングで力強くアタックしようとする際、
抜群の加速を魅せてくれることは無かったです。

 

 

ちなみにですが、この『KYLE 5』の続く使用者は、
SACRAがサポートしているプロ選手だったのですが、
200回以上登っている峠で、自己新が出たらしいです。

【乗り心地】普通

SACRAの新作『KYLE5』ホイール【乗車インプレッション】 快適性 乗り心地

前輪が、コンチネンタル『4000sⅡ』25mm+パナレーサー『R’Air』、
後輪は、シュワルベ『ONE』25mm+ミシュラン『Air Comp Latex』。

そして、空気圧が前後ともに7bar。

 

この状態での『KYLE 5』の「乗り心地」は、
可もなく不可もなくといった”並”

 

「快適だな~」と感じることも無ければ、かと言って
「振動がコツコツ伝わってきて不快……」ともなりませんでした。

 

SACRAの新作『KYLE5』ホイール【乗車インプレッション】 チューブレスタイヤ

乗り心地を求めるなら、
”チューブレスタイヤ”を装着すれば良いでしょう。

 

「パンクしているのか??」と疑うほどの”快適性”が手に入ります。

【ブレーキ】問題無し

SACRAの新作『KYLE5』ホイール【乗車インプレッション】 制動力 ブレーキ

「ブレーキ」に関しては、カーボンリムの平均

 

制動力に特別不満を感じることは無く、
下りでも「効かなくて怖い……」となることもありません。

 

また、”ムラ”のある掛かり方はせずに一定。
(ブレーキ面が平滑でないと脈動する)

 

 

「雨」の中では使用していませんが、
ブレーキ面に特殊加工は施されていないことから察するに、
カーボンリムなりの”制動力の低下”は起こると考えられます。

【横風】不思議な程あおられない

SACRAの新作『KYLE5』ホイール【乗車インプレッション】 横風

この日、旗が”バタバタ”とたなびく
強め風が吹いていたのですが……

 

全然あおられない(゚∀゚d)サイコー!

 

大型トラックが通り過ぎる際の突風でさえも、
ハンドルが少し揺れる程度。

 

横風に対する強さは、もはやアルミリムと同等ですね。

「ディープリムはハンドルが取られて怖い」は、もはや過去の話。

 

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【まとめ】満足度を最大化しうるホイール

SACRAの新作『KYLE5』ホイール【乗車インプレッション】

『KYLE 5』ホイールを試すにあたって
自前の『Aeolus 5 TLR』と比較しながら走ってましたが、
各性能、全く遜色ないと感じました(少しばかり複雑な気持ちw)。

 

  • Bontrager『Aeolus 5 TLR』368,000円
  • SACRA『KYLE 5』197,640円

 

『Aeolus』はちょっと高すぎだとしても、
『KYLE 5』のコスパが相当に良いのは間違いありません。

 

 

SACRAの新作『KYLE5』ホイール【乗車インプレッション】

とは言え、
「体重」「脚質」「パワー」「乗り味の好み」「用途」によっては、
物足りないと感じる部分は少なからずあるでしょう。

 

そういった際、既に話した

  • スポークの本数&組み方
  • チューブレスタイヤ対応

 

さらには、

  • 振動吸収層「DBR」の追加(詳しくはSACRAのHP
  • 車体にマッチさせられるカラーバリエーション

 

「高水準にある各性能レベル」「良心的な価格」に加え、
これら数多くのオプションから適切に選び取ることにより、

『KYLE』は、大手30~40万ハイエンドクラスにも一切引けを取らない
極めて満足度の高いホイールになりうる可能性を秘めていると思います。

 

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