松木です。
トーケンから注目のカーボンクリンチャーホイールが発表されました。
『KONAX PRO(コナックスプロ)』
(チューブレスにも対応)
正直に言って、
トーケンのカーボンクリンチャーに持っていたイメージは、
「性能はそこそこの割に、価格が安い訳でもない」でした。
ですが、今回の新作には相当気合いが入っていて、
有名ブランド以上の性能なのではないかと思います。
では、見ていきましょう。
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目次
『KONAX PRO』の特徴
「軽量化」と「剛性」を両立するシームレスカーボン
上の写真のように、カーボンホイールは
カーボンシートを何枚も貼り付けて作られるのが一般的ですが、
『KONAX PRO』の場合は、
カーボン繊維を円形に編み上げたシームレスになっています。
TIMEフレームなんかに似た構造なのかもしれませんね。
カーボンシートをシームレスにすることで、
無駄な材料が減って「軽量化」につながるだけでなく、
「強度」「重量剛性比」も高くなります。
空力が最適化されたワイドリム
前作も外幅24mmのワイドリムではありましたが、
それが27.4mmへと拡張。
リム内幅も20mmあります。
リム幅を広げた最大の狙いは「エアロの向上」でしょうが、
「リム剛性が上がる」「25mmタイヤとの相性が良い」といったメリットもあります。
具体的な空力学的データは発表しないことに決めたそうですが、
「最も知られたエアロホイールブランドの結果に近い」のだそう。
おそらくZIPP、SPECIALIZEDあたりのホイールでしょうね。
横剛性を高める新形状のハブ「Z1」
現行のホイールに採用されている「アーセナルハブ」。
そして、こちらが「Z1」と名付けられた新型ハブです。
スポーク穴の機械的(で掃除しにくそう)な造形がシンプルになりました。
最大の違いは赤い両矢印の「フランジ幅」。
前後ハブともにフランジ幅を広くすることで、
横剛性が大きく改善されています。
そのおかげで、性能は落とさずに
後輪のスポークを24本から21本に減らすことに成功。
それから、ハブに使われているカートリッジベアリングを
耐久性を高めるためにより大きいものに変更しながらも
ハブ全体の重量は前作と同じに抑えられているそうです。
TFTベアリング
トーケンには「TBT」というセラミックベアリングがあるのですが、
更にその上に位置付けられているのが、
「TFT(Token Free-Speed Technology)」ベアリングです。
- 1つだけ小さなセラミックボールを入れることで、
グリスが適度に攪拌されて、ベアリング内のクリーンに保てる - ゴム製シールの内側0.5mmにステンレス鋼を挟むことによって、
接触面積を小さくし、回転摩擦を極限まで減らしている - グリスには最高品質のクリューバー(会社名)潤滑剤を使っている
というように、
トーケン独自の技術が詰め込まれたTFTベアリングが、
フロントハブに2つ、リアハブには4つ使われています。
左右のスポークテンション差を減らす「2to1」組
『KONAX PRO』のリアホイールは、
フリー側のスポーク本数を反フリー側の半分とする「2to1」組。
Shimano、Specialized、Campagnolo、Fulcrumなどの
トップモデルのホイールにも採用されている組み方です。
通常は、左スポークのテンションが低くなってしまいますが、
「2to1」組にすることで左右のスポークテンション差が小さくなり、
”剛性”と”強度”に優れたホイールになるとされています。
熱変形を抑えるエポキシ樹脂「TgX」
カーボンホイールは、ヘタなブレーキをしてしまうと
摩擦熱によってリムが溶けてしまう恐れがあります。
実際、何人もカーボンリムをダメにした人を見てきましたし、
たとえ気を付けてブレーキしていても、
下りの後にブレーキ面を触ってみると凄く熱くなっていて
あまり心臓に良いものじゃありません(^^;
その点、『KONAX PRO』に使われているエポキシ樹脂は、
ガラス転移点(=Tg:性質変化が生じる温度)の高い「TgX」が使われ、
耐熱性に優れた壊れにくいリムになっているので安心感があります。
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Roval『Rapide CLX 50』との比較
現時点で、最強だと思うカーボンクリンチャーホイールは
ロヴァールの『Rapide CLX50』です。
『roval CLX 50』インプレ。2017年最強カーボンクリンチャーホイールの予感。
そこで『KONAX PRO』と比較してみます。
『RAPIDE CLX 50』 | 『KONAX PRO』 | |
重量 | 実測1408g(F:624g/R:784g) | 公表1452g(F:654g/R:798g) |
リム高 | 50mm | 52mm |
リム幅 | 29.4mm(内幅20.7mm) | 27.4mm(内幅20.0mm) |
スポーク数 | F:16本/R:21本 | F:18本/R:21本 |
スポークパターン | F:ラジアル組 R:2to1クロスラジアル組 |
F:ラジアル組 R:2to1クロスラジアル組 |
スポークメーカー | DT SWISS AEROLITE |
SAPIM CX-RAY |
ハブベアリング方式 | カートリッジベアリング方式 (F:2個/R:4個) |
カートリッジベアリング方式 (F:2個/R:4個) |
ベアリング | Ceramic Speed製 | TFT |
ハブ | オリジナルエアロハブ (DTスターラチェット構造) |
オリジナルハブZ1 |
税込定価 | 297,000円 | 259,200円 |
細かい違いはありますが、ほぼ一緒のスペックですね。
重量は『Rapide CLX50』のほうが軽いですが、
その原因はリムではなくてハブの重さによるところな気がしますし、
先に話したように『KONAX PRO』のリアハブの設計は
『Rapide CLX50』よりも優れているように思います。
また、税込価格が¥259,200となっており、
『Rapide CLX50』と比べて¥37,800お手頃。
さらに、定価販売のみのSpecializedと違って、
トーケンなら安く手に入れる方法がありますから、
『KONAX PRO』はカーボンクリンチャーの
相当良い選択肢になるのではないでしょうか?
乗車インプレッション
シクロワイアードの当たり障りのない乗車レビュー(笑)
リムハイト異なるのラインナップ
別の2種類のカーボンクリンチャーも発表されましたが、
リムハイト以外は完全に同じです。
『Ventous(ヴェンタス)』
36mmハイト、公表重量1342g(F:599g/R:743g)。
リム高が40mm近くあるので、
”山岳モデル”というよりは”オールラウンド”の位置づけになるかと思います。
ロヴァール『RAPIDE CLX32』の実測重量が1336gですから、
『Ventous』が公表通りの重さなら相当良いホイールですね。
『Konax Tri(コナックストライ)』
76mmハイト、公表重量1592g(F:724g/R:868g)。
名前の通り、トライアスロン、TT用のモデルです。
現行の90mmハイトのホイールと同等の空力性能があるそうです。
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