松木です。
「東京プレミアムバイクインプレッション2018 Vol.2」に行ってきました。
試乗した車体は、次の15台。
- TREK『Madone SLR Disc』
- TREK『Emonda ALR 5』
- Pinarello『Dogma F10』
- Pinarello『Prince Disk』
- Cannondale『SystemSix』
- BH『Ultralight EVO』
- BH『G7 Pro』
- Bixxis『Phatos』
- LOOK『785 Huez』
- Gusto『RCR Team Legend』
- Gusto『RCR Team Duro Sports Ultra』
- Niner『RLT 9 Steel』
- Canyon『Ultimate CF SLX』
- Thompson『Force』
- Bottecchia『Emme 4 Superlight』
以上15台を複数回に分けてインプレして、
最後にはBEST5を決めていきたいと思います。
今回のラインナップ↓
- TREK『Madone SLR Disc』
- TREK『Emonda ALR 5』
- Pinarello『Dogma F10』
- Pinarello『Prince Disk』
【中編、後編、最終回】
【過去試乗したハイエンドバイクのインプレッション】
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目次
試乗インプレッション前編
トレック『マドン SLR ディスク』125万(税抜)
【加速性】8.5点
【剛性】8.5点
【振動吸収性】9点
【巡航性】10点
【お気に入り度】9.75点
(※8点で「なかなか良い」)
最大の目的だった『Madone SLR』
いの一番に試乗しましたが、
相変わらずのモンスターバイクっぷりでしたね(^^)
軽やかに、そして青天井にスピードを上げることができ、
その後の速度維持もこの上なくラク。
エアロ形状のロードバイクは世の中に数多くあれど、
Madoneの持つ「空力性能」こそが、”真”のエアロロードだと痛感させられます。
BB周りの「剛性感」も、ちょうど良い塩梅に調整されており、
脚への嫌な跳ね返りを感じることもありません。
メンテナンス性UPのために2ピースに分割されたハンドル。
実物はかなりゴツイな……
見た目通り、下ハンドルで力一杯スプリントをかけても
ほとんど撓(たわ)まずに「剛性」高し!
シートチューブのしなり量を調整するトップチューブの「スライダー」。
試乗車は真ん中あたりにセットされており、
旧「Madone」と同程度の「振動吸収性」だと感じました。
また試乗できる機会があれば、最前/最後状態でも試してみたい所。
新型『Aeolus XXX 6』
前後1575gと重め。
やはり以前試乗した
「旧型『Madone 9』+『Aeolus 5 チューブラー』」
に比べて”モッサリ”した「加速感」でしたね……
「エアロ」に関してはフレームが十二分に役割を果たしてくれるため、
「加速性」「登坂性」を強化できる『Aeolus XXX 4』の方が相性は良いはず。
正直、旧『Madone』と比べて走行性能面での進化は感じませんでした。
既に”完成の域”でしたから、こればっかりは仕方ありませんね(^^;
ただ、「2ピースハンドル」「スライダーの追加」「ディスク仕様」
その他諸々の改善によって、過去最高の『Madone』なのは明白です。
トレック『新型Emonda ALR 5』17.2万
【加速性】7.25点
【剛性】7.5点
【振動吸収性】8.25点
【巡航性】7.75点
【お気に入り度】7点
(※8点で「なかなか良い」)
7月にフルモデルチェンジを果たした『Emonda ALR』。
旧型。
アルミ溶接はさらに目立たなくなり、
よりエッジの効いた形状へとブラッシュアップ。
さすがにBB周りの溶接跡は……
普段クランクで隠れている箇所ですから大目に見ましょうか(笑)
あとは「ケーブルルーティンの変更」と
「ブレーキのダイレクトマウント化」。
この辺は、”進化”よりは”変化”という気がします。
さて、肝心の走行感ですが…………点数通り、全体的に”そこそこ”。
特に秀でたものは何も感じませんでしたね(^^;
アルミカテゴリーでは最高峰の運動性能ではあるのですが、
他のハイエンドカーボンとは比ぶべくもありません。
時に”カーボンキラー”という言葉を耳にしますが、
近年GUSTOに代表されるような
「アルミ並みに手頃なのに速いカーボンバイク」が現れてきました。
これにより、
数年前、コスパ面で一時カーボンに近づいたアルミも、
再びカーボンに引き離されてしまったように思います。
ただ、『Emonda ALR』には変なクセが無く、
全体的なバランスは整っていて乗りやすいですから、
「10万台で初めてのバイク」という条件であれば、最善の一手。
ホイールには、1800~1900gと思しき『Affinity TLR』を装備。
これが、走りの足枷となっている印象を受けますから、
なるべく早く変えた方が良いでしょう。
タイヤ『R1』25cは、ゴムが厚いためか「振動減衰性」は高かったです。
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ピナレロ『ドグマ F10』推定135万
【加速性】9点
【剛性】9.5点
【振動吸収性】7.75点
【巡航性】8.5点
【お気に入り度】7.75点
(※8点で「なかなか良い」)
みんなが「良い!」と感激しながら、
自分はそう思えないフレームNo.1です(笑)
懲りずに3度目の試乗。
ちなみに前回試乗時のインプレ↓
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「あらゆる性能が高いレベルでまとまっている」と感じさせるバイク。
この点は『ターマック』に近いです。
ですが……
「剛性感」がかなり強い。
当然、脚に感じる反発もそれなりにある訳でして、
個人的には、好きな感触のフレームではありません(^^;
プロのようにパワーのあるライダーならば、
フレーム剛性が高い(特にBB周辺)ほうが良いんでしょうけど、
多くのホビーレーサーにとっては硬すぎな気がします。
『ターマック』よりは万人受けしづらいフレームだと思いました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
う~~ん、今回の試乗でも全くの同感でして、
良くないイメージは払拭されず……
BB周りは特別ボリュームある感じでもないのですが、
やはり、自転車界で唯一ピナレロだけに提供されている
Toray「T1100」カーボン素材の「剛性」がハンパではない模様。
ホイールは、フルクラム『SPEED 40C』
フレーム「高剛性」×ホイール「剛性高め」
「休むことなく強く踏み続けろ!」と主張されているような
ゆとりの一切感じられない”ガッチガチ”のレーススペックです。
自分としては、『Dogma F10』には、
走りをマイルドにするMAVIC一択。
例えるならば、カレーに入れるリンゴやハチミツのようなイメージ。
そして、”チューブレス”なら尚良しです。
とにかく誰でも乗りこなせるフレームではないことは確か。
「選ばれし者しか許されないバイク」と言い換えれば、聞こえは良いですね(笑)
レースで表彰台に乗れるぐらいの脚力が最低ラインかと。
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ピナレロ『プリンスディスク』47.8万
【加速性】8点
【剛性】8点
【振動吸収性】8点
【巡航性】8点
【お気に入り度】7.75点
(※8点で「なかなか良い」)
今回の試乗会において、指折りの人気を博していた新生『Prince』です。
最近では珍しいホリゾンタルに近いトップチューブ。
走りは、『Dogma F10』を丸くしたフィーリング。
「剛性」は抑えられ、ペダリングしやすい!
ただ、「ケタ外れの加速性」も鳴りを潜め、
どこか”牙を抜かれてしまった感”があるのも事実です。
公表1610gのフルクラム『Racing 5 DB』
フレームカラーとは非常に合っているものの、
いざ漕ぎ始めると、少々重ったるさを感じますね……
リムが重いため?それとも「駆動剛性」が足りないため?
いずれにせよ”俊敏さ”には、やや欠けます。
もっと”レーシー”な乗り味を求めるなら『Racing ZERO DB』
もしくはカーボンディープホイールでないと実現できそうにありません。
ディスクブレーキには、どちらかと言えば否定派だったのですが、
近頃は「無しではない」ぐらいには思えるようになってきました。
やはり”低速時”や”パニックブレーキ時”など
「効き過ぎる」と感じるケースもある反面、
高速走行からの減速スピードが、明らかに楽な上に速い。
これは特に「高速ダウンヒル」において大きなメリット。
雨天時ともなれば尚更でしょう。
ですが、ブレーキ面の特殊加工によって
カーボンリムの制動力も十分上がってきてますから、
未だ「ディスクでないといけない」という程ではありません。
それでも、昨今のディスク化の激流により、
リムブレーキ仕様が用意されていないモデルが、
増えてきている市場状況に若干辟易してますね(^^;
「微振動が伝わってこないな」と思ってタイヤを見てみると、
『Zaffiro』が嵌められていた、ということが過去に何度もあります。
今回もそうでした。
なので、「ゴムの厚さ」と「微振動減衰性」には、
少なからず相関関係がある気がしてます。
『Prince Disc』は、性能チャートが綺麗な六角形になる優等生タイプ。
35~40km/h程度で走るなら、穴らしい穴は見当たらずに良いバイクです。
ただ、それ以上の速度となると「加速性」「巡航性」に物足りなさを感じます。
先程も話しましたが、
レースで激しく競いたいならば、ホイールのグレードアップは必須。
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