松木です。
「東京プレミアムバイクインプレッション2018 Vol.2」試乗インプレ最終回です。
最後に15台の内で、個人的BEST5を決定します。
今回のラインナップ
- Canyon『Ultimate CF SLX』
- Thompson『Force』
- Bottecchia『EMME 4 Superlight』
【前編、中編、後編】
【過去試乗したハイエンドバイクのインプレッション】
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目次
試乗インプレッション最終編
キャニオン『アルティメイト CF SLX』推定43.6万
【加速性】8.25点
【剛性】8.25点
【振動吸収性】8.5点
【巡航性】9.25点
【お気に入り度】8.75点
(※8点で「なかなか良い」)
バルベルデが世界選手権を獲ったフレーム。
悪い訳がありませんが、
走り始めると、意外と大人しめ。
”スーーッ”と加速していくものの、異次元という訳でもなく。
その代わりに、スピードが乗ってからの「高速巡航」が良好。
不快な振動も少なめ。
これは紛れもなく……
Mavic『Cosmic Pro Carbon Exalith』の影響。
ホイールの特徴が、色濃く出ちゃってますね(^^;
『Ultimate CF SLX』自体は、あまり特徴の無いフレームと見た!
フレーム単体だと、オール8.5点程度の性能だと思います。
そして、この完成車パッケージで43.6万(←かなりお買い得)。
つまり、フレームが占めるのは正味20万ぐらいですから、
オール8.5点なら「コスパの良いフレーム」ぐらいには言えるかなと。
もし『Ultimate CF SLX』フレーム単体での購入を考えた時、
「比較的お手頃で、ソツの無い高性能フレームを」という希望ならば”アリ”。
何台カーボンを所有してきた人が、過度な期待を抱いて購入するのは”ナシ”。
付属してくる一体型『H36 Aerocockpit CF』。
無理無く、かつスマートにDi2ジャンクション、ケーブルを収納可能。
トンプソン『フォース』60万
【加速性】8点
【剛性】8点
【振動吸収性】7.75点
【巡航性】8.25点
【お気に入り度】7.25点
(※8点で「なかなか良い」)
赤、黒、黄。超ド派手なカラーリングに加え、
尋常じゃなく極太のダウンチューブ。
石畳大国ベルギーで生まれたが故の強度重視設計だそう。
見た目のインパクトは◎
肝心の性能の方はと言えば、
今回試乗した15台の中で最も”普通”。
取り立てて話すこともありません。
「見た目だけかい!」っとズッコケル(笑)
特徴と言えば、フォークの直進性が高く、
ふらつきにくかった事ぐらいか……
(トライアスリートへの供給が多いのも頷けます)
DT SWISS『PR1600 Spline 32』公表1737g。
大手メーカーにハブを供給しているDT SWISSですが、
自社の完組ホイールの出来はそれなり。
風洞実験には熱心に取り組んでいるため、
トライアスリートには良い選択肢かもしれません。
ただ、重量は重めで、走りに”モッサリ感”を感じますから、
ロードレーサー向きではないホイールメーカーだと思います。
ボッテキア『エメ4スーパーライト』60万
【加速性】9.5点
【剛性】8.5点
【振動吸収性】9点
【巡航性】9点
【お気に入り度】9.5点
(※8点で「なかなか良い」)
抑えきれない爆発力!!
ホイールが『Racing 7』であることなどお構いありません。
車体が前へ前へと進んで行きたがり、
グングンとスピードが乗っていきます。
他の追随を許さない、ズバ抜けた「加速性」……
何気なく乗った車体だっただけに、
受けたインパクトもひとしおでした。
だからと言って、いたずらに硬い訳でもありません。
「剛性感」は必要十分といった所。
ありきたりですが”羽が生えたような感覚”というのが最も近い。
もし体重が7~8kg軽くなったらとしたら、
似たような感覚を味えるんだろうか……
驚きは続きました。
高速域に入ってからの「安定感」が桁違い。
「エアロフレーム」「ディープリム」であるかのような「巡航性」を発揮し、
軽量フレームにありがちな失速感とは、まるで無縁。
また、「ハンドリング」もドンピシャに調整されていて扱いやすい。
「路面からの大きな衝撃」に対しては、
細身のシートステイが完璧に機能しています。
「微細な振動」は『Zaffiro』25cタイヤがカット。
「乗り心地」に関しても、何も言う事ありませんでした。
あらゆる要求に応えてくれる万能性を備え、しかも
そのすべてを高次元にこなしてくれるパーフェクトフレーム。
(フレーム:公表780g/フォーク:公表330g)
この衝撃は『PROTOS』や『785 Huez RS』と同等か?
いや、『EMME 4 Superlight』の方が上の可能性すらありえる。
この3台を同スペックで乗り込んでみたい(笑)
あらかた高性能フレームは試したと思っていましたが、
まだこんな名作が隠れていたとは……
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総論:個人的フレームランキングTOP5
いや~、今回はかなりの粒揃いでしたね(^^♪
最後に、試乗した15台に順位を付けてしまいましょう!
【1位】TREK『Madone SLR Disc』9.75点
【2位】Bottecchia『Emme 4 Superlight』9.5点
【3位】Cannondale『SystemSix』9点
【4位】LOOK『785 Huez』8.75点
【5位】Gusto『RCR Team Duro Sports Ultra』8.75点
【敢闘賞】Niner『RLT 9 Steel』9点
リニューアルされた”スピードモンスター”
性能面での進化は、正直乏しいと感じましたが、
「2ピースハンドル」「スライダーの追加」「ディスク仕様」によって
その完成度に更に磨きをかけてきたのは間違いありません。
『Aeolus XXX 6』だと坂道で置いてけぼりを喰らうため、
『Aeolus XXX 4』を選択するのはほぼ必須。
純然たるスピードとなるとエアロロードに一歩及びませんが、
その秘めたる性能は『Madone SLR Disc』以上。
特に、異彩を放つ凄まじい「加速性」は当代随一。
生粋のヒルクライマーにとっては”鬼に金棒”ですし、
軽量オールラウンドながら、高速域での「巡航」「安定感」も申し分なく、
ロードレース的な走りにも対応できてしまう幅広い能力も持っています。
BOTTECCHIA。本試乗会のダークホース。
「フレーム形状」「カラーリング」「乗り心地」「作り込みの甘さ」など
先のインプレでは、辛口なことも言いましたが、やはり”速さは正義”。
という訳で、Cannondale『SystemSix』が、第3位にランクイン。
ホイール『Hollowgram KNOT 64』+タイヤ『Rubino Pro Speed』23c
この足回りの「登坂力」「振動吸収性」が残念過ぎるため、
「軽量ホイール」「25cタイヤ」に改装すれば、イメージもグッと良くなろう。
フレームセットで購入し、自分好みに組み上げていくのが吉。
これから先、どれだけ新しいロードバイクが生み出されようとも
このフレームが持つ「官能的な乗り味」の価値が下がるは無いでしょう。
LOOKフレーム独自の良さは不変不滅。
それに、『785 Huez RS』との明確な差は感じなかったですし、
一台目に、少々奮発して『785 Huez』を購入し(完成車32万なら現実的)、
徐々にパーツをグレードアップすれば、長く愛用できるのではないかと。
”走りの滑らかさ”を実現する「トップチューブ~シートステイ、チェーンステイ」
そして、DUROという名を裏切るように
”速さ”、”俊敏さ”を演出する「ダウンチューブ~BB」
思わず「上手い!」と唸りたくなるフレーム設計。
そして、いじる必要がない程のスペック&性能にして24万。
もはや暴挙でしかない(笑)
安上がりで助かる反面、これは考え方によってはデメリット。
なぜなら、グレードアップの楽しみが小さいと言えますから。
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松木さま
おつかれさまです。 いよいよBEST5の発表ですね!
これまでの記事にて、MadoneSLRの1位は揺らぎないと思っておりましたが、SystemSixの3位、そして当方が気になっている785Huezが4位というのが驚きでした。逆に、2位のEmme 4 Superlightは、あらたに気になる存在になりました。
そのMadoneですが、2018のリム版と、今回のDisk版。 松木さんは、「強いて」優劣付けるなら、どっちがどうでしょうか(笑)。
僕はSLRにも試乗して、なんかしっくりこず、あえて初めてMadoneに感激した2018リム版を買いました。 ヤフオクでフレームだけ買って、コンポはeTapにしました。 ホイールはアイオロス7をヤフオクで落札しました。 僕にとっては最高の組み合わせだと思います。
「Madone+Aeolus7」は平地反則の組み合わせです(笑)
ブレーキに関して、基本的に私は”リム派”です。
ただ、Madoneの専用リムブレーキはなかなか調整がシビアで、
セルフメンテナンスする身としては、ちょっと敬遠してしまいますね(^^;
だからと言って、ディスクはもっとメンテ慣れしていないため、
そちらにしたい訳でもなく……といった悩ましい選択になります。
松木様
お忙しいところ、いつも返信を付けていただきありがとうございます。
いつも明確にコメントしていただけるので、僕のような素人には非常に
参考になります。
機材の使い回しができない、からではないですが、どうもディスクに
行く踏ん切りがつきません(笑)。 しかも、自分の用途ですと、ディ
スクが必要になる機会も限りなく少ないですし。
今回のMadoneもそうですが、初めてDisk化するなら、名前ごと替えて
出すべきかと思います。 785なんかもそう、せっかくリムで最高の
バランスを完成したのですから、それを無理にディスク化するために、
あえてバランスを崩す必要もないのでは?とか思います。 もちろん、
大きなメリットもあるとは思いますが・・・。
なんて、買い換えできない自分に歯止めをかけておりますw。
「自分の用途ですと、ディスクが必要になる機会も限りなく少ないですし。」
「無理にディスク化するために、あえてバランスを崩す必要もないのでは?とか思います。」
まさにおっしゃる通りかと。
以下のフリーダム店長さんのブログでも同じようなことを話されています。
http://freedomtencho.hatenablog.com/entry/2018/10/27/181146
市場の流れが”ディスク化”にあるため、
メーカー、そして販売店舗は、上のデメリットにはほぼ触れずに
「よく効く」「ケーブルの取り回しがスマート」「エアロ」
というメリット面をアピールしているのが現状だと思います。
その点、フリーダム店長さんは”ディスク否定派”と話しているのは潔いですね(笑)
松木様
いつもレスを付けていただきありがとうございます。
フリーダム店長さんのブログも拝読しました。 機材販売というビジネス的要素もあると思いますので、本音と建前はなかなか共存できないでしょうね(笑)。
ところで松木さん、SCOTTなどは試乗等されておられませんか? ふと、FOILとかはどう書かれてるかな?と思って探したら見当たらなかったもので・・・(笑)。
今週末はサイクルモードですね。 初日がちょうど会社の公休日なので、ちょっくら顔を出してこようかと思っております。
もちろんFOILにも興味はあるのですが、
試乗会で用意されているものが毎回セカンドモデル以下のため、
まだトップモデルには乗れていないという状況ですね(^^;
私もサイクルモードには行くつもりですので、そこで置いてあると嬉しいんですが(笑)
松木様
おつかれさまです!
そうでしたか、各ブランドのトップモデルに乗られるのがこのサイトの決まりでしたね(笑)! さしずめFOILだとRCですかね。
今日も仕事先からの帰り道、銀座のスペシャストアにフラッと入ってしまいました。 Tarmacの試乗車が置いてあったのですが、実際に試乗できるのはまだ先だそうで。 15分で500円ほど料金を取るそうです。 100万以上のバイクを買うためなのですから、そのあたりはロハにしてもらいたいところですねw。
Vengeの評で「乗り心地が・・・」とのコメントがありましたが、リアチューブのくっつき方からすると、なんとなくわかるような気がしました。
加えて、スペシャは完全にディスク化に舵切っていますねw。