松木です。
Cycling Weeklyによるベロドローム実験
「最速のエアロロードバイクがどれ?」第二弾が行われました。
(第一弾はこちら)
用意されたのは次の4台です。
- Bianchi「Oltre(オルトレ) XR4」
- Scott「Foil (フォイル)」
- Merida「Scultura(スクルトゥーラ)」
- Specialized「S-works Venge Vias(ヴェンジヴァイアス)」
サンプルは少なめですが、
中でも「Oltre XR4」「Foil」の2台は、
個人的には興味のあるモデルです。
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実験される4台の特徴
ビアンキのエアロロードには「Oltre XR3」「Aria」もありますが、
「Oltre XR4」はそれらを押さえて、
最も空気抵抗の小さいフラグシップモデルです。
ビアンキOLTRE(オルトレ)『XR4』と『XR3』を比較インプレッション
【2018年モデル】ビアンキのフルエアロロードバイク『AIRA』のインプレ。
ですが、あくまで”全体バランス”を重視したフレームであり、
「Venge Vias」「Foil」なんかに比べると、
”エアロ”の突き詰め具合は甘いです。
2016年に初披露された新型「Foil」。
”バランス”を重視している点では「Oltre XR4」と同じですが、
「Oltre XR4」に比べ、細かい所まで”エアロ”が意識されています。
「Venge Viasに匹敵するのか?」という部分が注目です。
エアロロード「Reacto(リアクト)」は、
諸事情で用意できなかったそうです(^^;
代わりに「一般的なロードバイク」という位置づけで、
「Scultura」が今回の実験に加えられています。
第一段でも登場した「Venge Vias」。
「Madone 9」と肩を並べる最高クラスの「空力」を備えています。
第一弾で使われたモデルを再び実験することで、
第一弾と第二弾の間で比較しやすくする狙いがあります。
実験方法
実験場所は、1周250mの「ダービーベロドローム」。
「ブラケット」「ドロップ」「エアロフォーム」の
3種類のポジションで、速度、パワーなどを計測します。
そうして得られたデータを
「Watt Shop」という機関が開発したソフトウェアに入力し、
45km/h走行で「空気抵抗」を切り裂くために必要な出力
「Aero Watt」を算出していきます。
「Aero Watt」とは、あまり聞き慣れない言葉ですが、
「Aero Watt」=「45km/h走行に必要な出力」-「転がり抵抗」-「駆動抵抗」
という、「空気抵抗」だけを抽出したような値です。
乗り手、ポジション、ホイールなどはもちろん、
サイコン、ボトルといった小物まで統一し、
可能な限り同条件になるように気遣われました。
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結果
一番注目すべきは、黄緑で囲んでいる「Aero Watt@45km/h」。
「Foil」≒「Venge Vias」>「Oltre XR4」>「Scultura」
わずかながらも「Foil」が、
「Venge Vias」を上回ったのは意外でした。
※補足しておくと、
1wの違いによって、1km走行で約0.1秒の差が生まれます。
つまり、「ドロップ」ポジションを取って「Foil」「Scultura」で走った場合、
371.27-336.32≒35wですから、1kmで3.5秒もの差が付くことになります。
先日発表された2018年モデル「Foil RC Premium Disc」は、
ディスク化に伴って”空力性能”は、更に少し上がっています。
また「Venge Vias」と比べて”乗り心地”は良いですし、
同じコンポ、ホイールで組んだとしても、
「Foil」のほうが300g前後軽く仕上がるはず。
つまり、今回の実験結果を信じるならば、
総合的な性能は「Foil」に軍配が上がると思いますね(^^)
もう一つ、今回試されなかった新型「Reacto」について。
45km/hで「Scultura」に比べて18w削減できると、
メーカーは発表しています。
ですから、「Scultura」の実験結果を参考にするならば、
新型「Reacto」の「Aero Watt@45km/h」は、
「Foil」「Venge Vias」以下、「Oltre XR4」以上だと予想されます。
以上、Cycling Weeklyによる
「どのエアロロードバイクが最速?」第二弾でした。
施設での”風洞実験”は面白いですが、
より実際の走行に近い状況下でデータを得る
”ベロドローム実験”も、かなり重要だと思います。
風洞実験なら「Foil」より「Venge Vias」のほうが良い結果が出るでしょうが、
今回のベロドローム実験では「Foil」≒「Venge Vias」でしたからね。
- Pinarello「F10」
- Giant「Propel Disc」
- Merida「Reacto」
- Lapierre「Aircode」
- Factor「O2」
このあたりを候補にした第三弾の予定もあるそうです。
期待しておきましょう。
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