松木です。
首を長~くして待っていたBicycle Rolling Resistanceによる
Vittoria『CORSAグラフェン2.0』の転がり抵抗・耐パンクテスト……
「耐摩耗性」UP
「転がり抵抗」~40%減
「空気保持力」~30%UP
「グリップ力」~30%UP
「耐カット性」~40%UP
全方位に大幅な進化を遂げ、
「50km走行で1分20秒速い」とも豪語している
Vittoria『Corsa Graphen2.0』の実力やいかに?
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目次
グラフェン2.0とは?
実験より先に、前知識として「グラフェン2.0」について簡単に。
こちらはグラフェンの分子構造モデル。
なんだか小難しい物質のように聞こえますが、
単に炭素原子が六角形につながったシート状物質です。
これをコンパウンドに練り込んでいるのです。
そして肝心の「グラフェン1.0」と「グラフェン2.0」の違い。
それはグラフェンそのものの進化ではなく、その”運用法”。
これまではグラフェンをコンパウンド全体に満遍なく含ませていたのを、
グラフェンの配合率を1~10%の間で変えた4種類のコンパウンドを計画的に配置。
Vittoriaはこの技術を「4Cテクノロジー」と名付けました。
つまり、効率的なグラフェンの使い方をするようになった訳ですね(^^)
「転がり抵抗」「耐パンク性」の実験方法
【空気圧】4.1bar、5.5bar、6.9bar、8.3barの4段階
【速度】約29km/h
【荷重】42.5kg(人+車体を85㎏と想定し、片輪なので÷2)
【気温】21~23℃
【チューブ】Continental『Race』ブチルチューブ(約100g)
この条件で、凹凸のあるドラムの上を回転させて「転がり抵抗」を測定します。
そして「耐パンク性」は、1mmのスチールニードルを押し付け、
刺し込むのに必要な力を測定し、その力に応じて点数付け。
(例えば、10点は5点の2倍の力を要することを意味する)
このテストは「路面接地面」と「サイド」の2箇所で実施します。
実験結果
まさかの期待外れの結果。
コンチ『GP5000』(青)にはもちろん、
旧『Corsa G+』(緑)にさえ劣っているという……orz
25cタイヤ | 実測幅 | 実測重 | 8.3bar | 6.9bar | 5.5bar | 耐パンク |
『GP5000』 | 26mm | 221g (-34g) |
10.0 (-18.0%) |
10.7 (-17.1%) |
12.1 (-14.1%) |
10/4 |
『Corsa G+』 | 27mm |
255g |
12.2 | 12.9 | 14.1 | 11/5 |
『Corsaグラフェン2.0』 | 27mm | 260g (+5g) |
13.0 (+6.5%) |
14.0 (+8.5%) |
15.5 (+9.9%) |
12/5 |
『Corsaグラフェン2.0』は「耐パンク性」が高いものの、
それは「重量」とトレードオフの関係になっているだけ。
1本260gはチューブラータイヤ並み重量で、さすが重すぎます!
以下、Bicycle Rolling Resistanceのまとめ部分を転載。
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ビットリアは「コンパウンドがあらゆる面で改善している」と大胆に主張していましたから、
私たちは『Corsaグラフェン2.0』に対して大きな期待を寄せていました。
ですが、「グリップ」や「耐寿命」を調べるテストは行っていないものの、
「転がり抵抗」に関しては、前世代『Corsa G+』と比較して上がっている事が判明しました。
「グラフェン2.0」コンパウンドに関する主張(転がり抵抗)が一つ真実ではないならば、
他の主張(耐摩耗性、グリップ力、空気保持力、耐カット性)を信じる事も難しくなります…
本当は3.5点/5点満点を付けるべきだとは思っているのですが、
コットンタイヤを探しているならば、まだ『Corsaグラフェン2.0』は最善の選択肢ですし、
「4点」を付けることにしました。
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控えめには書いてますけど、平凡な成績の『Corsaグラフェン2.0』に対して
「そこまでオススメではない」と感じているのが伝わってきますね(^^;
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何故-40%のはずの「転がり抵抗」が+8.5%(6.9bar)に?
-40%⇒+8.5%の原因の一つは、
「-40%というのは条件を整えた最大値」に過ぎないのだろうという事。
平たく言ってしまえば「誇大広告」
それから「実験条件の違い」も大きいのではないかと考えられます。
上の写真はVittoria施設内にある「転がり抵抗」測定装置なのですが、
Bicycle Rolling Resistanceと違って、ドラムの表面は”ツルツル”です。
以前にも、このような実験の施設・方法・条件の違いによって
「転がり抵抗」の結果も変わってしまうという事を話しました↓
……とは言え、
どれだけ『Corsaグラフェン2.0』に有利な条件でテストしたとして、
12.9w(『Corsa G+』6.9barの転がり抵抗)×0.6=7.74w!?
Bicycle Rolling Resistanceのデータ内だとダントツのTOPに……
『Corsa G+』比-40%の「転がり抵抗」はあまりにも現実味に欠け、
やはり「誇大広告」という部分が大きいような気がします。
クリンチャータイヤなら『GP5000』にすべき
タイヤに造詣が深い「ロードバイク徹底比較.com」さんの実走インプレを読んでも、
「グリップ力が良くなっているだけで期待したほどではなかったよ」という感想。。。
『Corsaグラフェン2.0』が発表された当初は、
「いきなりGP5000の対抗馬が出てきちゃった……」と
自分の中にあった”GP5000最強説”が大きく揺らだもの。
ですが今回の実験結果を受けて、クリンチャータイヤならば、
「優秀な実験結果」と「実走感の素晴らしさ」の両面から全幅の信頼の置ける
『GP5000』一択だなと再認識することになりましたね(^^)
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アワーレコードで使われないハズですね…(´д`|||)
そうですね…(^^; やはり『Corsa』より『Pista Evo』の方が良いデータが出ているようですし↓
https://www.cyclingpowerlab.com/TyreSelection.aspx