松木です。
サイクルモードライド大阪で、
100万円はくだらないであろう車体に試乗しました。
『FUJI SL ELITE』
コンポがスラムレッド、ホイールがWH-R9100-C40-TUという超絶スペック‥‥
持った感覚は6kgという、反則級のヒルクライム仕様でした。
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フジというメーカー
フジは1899年創業の日本メーカーでしたが、1997年に倒産。
アメリカの会社が引き継いで、現在に至ります。
ロードバイクメーカーとしては、
トレックやスペシャのような最大手ではなく、
車で言うところの「スズキ」のような立ち位置です。
フジのロードバイクは、価格に対する性能は抜群に良く、
コスパはジャイアント、メリダを上回るほどです。
「SL ELITE」の特徴
このフレームは、2017年の新製品ではなくて、
2016年モデルチェンジにもありました。
ただ、2016年モデルは「SL 1.1」という名前でしたね。
以下のサイスポの記事と、ユーチューブの動画で、
「SL ELITE」の特徴は、ほぼ完璧に把握できますから、
是非見てみてください。
(※字幕ボタンを押せば、日本語が表示されます)
「SL ELITE」の特徴をまとめると、
軽くて硬い
これを徹底的に突き詰めたバイクです。
695g(56サイズ)というフレーム重量は、
2011年の発表当時、一世を風靡した
キャノンデール「SUPERSIX EVO」と同じ重量。
6年経っても重量に変化はないんですけど、
重量剛性比で考えれば、圧倒的に「FUJI SL ELITE」のほうが上。
EVOが”70”の剛性とすれば、SL ELITEは”100”。
それぐらいの違いがあって
時間とともにフレーム成型技術は間違いなく進歩してます。
「カーボン素材」
「フレーム設計」
「チューブ形状」
「リブ加工」
こういった部分の技術の蓄積によって
695gとは思えない剛性感溢れるフレームに仕上がっています。
「SL ELITE」の乗車インプレ
素直な第一印象は、
「あぁ、やっぱりね」
軽くて、剛性の高いフレームに共通する
強いペダルへの入力に対して、
パワーロスなく”スッ”と前へと押し出されるような感覚。
特に、登りのダンシングやアタックの際に、その感覚は顕著で、
フレームが遅れることなく、イメージした通りの加速を決めることができます。
まるで人馬一体になったよう。
そして、”ソリッド”という言葉がしっくりくる乗り味。
ただ、こういったフレームの乗り味は、
好き嫌いが分かれやすいと思っています。
軽いことによる「微妙な不安定さ」。
硬いことによる「ハードな脚当たり」。
こういった部分は避けようがなく、
低~中強度で乗っている分には、
「気持ち良さ」は、ほとんどありません。
なので、激しく乗るような機会のない人にとっては、
このフレームの持ち味を発揮させることがあまりなくて、
逆に、軽量、高剛性による嫌な部分ばかり目立って感じるかもしれません。
他人に対して、良い所よりも欠点にばかりが目につきますけど、
自分が言いたいことは、そんな感じのです(笑)
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「SL ELITE」はどんな人に向いているか
「SL ELITE」は、
踏んだ力を、限りなく100%に近い効率で推進力に変換し、
身体をスイスイ前へと運んでいってくれます。
スコット「ADDICT SL」も似たようなフレームですが、定価は2倍。
「SL ELITE」は、コスパも申し分ありません。
ただし、「ロングライドがメインの使い方」なんていうのはもっての他だし、
強強度で乗るにしても、平地メインなら微妙です。
アップダウンがあるコースが、このフレームの主戦場であり、
そして、一瞬の反応の遅れで勝負が決するような走りをする際に
「SL ELITE」の性能が本当の輝きを放ちます。
そういった用途の人はロードバイク人口全体で考えれば数%ぐらいで、
その意味では、誰にでもオススメできるフレームではありません。
もっとオールラウンドに使いたいなら、
同メーカーの「TRANSONIC」のほうが向いています。
「何が何でも坂でライバルに差を付けたい!」
熱く、強い想いを持っているヒルクライマーにとっては、
「SL ELITE」は、期待を裏切ることなく力になってくれるはずです。
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