松木です。

 

【2018年モデル】コルナゴ『V2-R』。空力、ディテールを改善し、更なる高みを目指した軽量エアロロードバイク。

コルナゴが「V1-R」の後継モデル『V2-R』を発表しました。

 

「C60」「CONCEPT」などもある中、
この『V2-R』の位置付けはどういったものなのか?

 

そして、「V1-R」と比べて、

どこが変わったのか?

それが”進化”を言える変化なのか?

 

SPECIALIZED、MERIDA、BMC、LAPIERREなど、
各メーカーが意欲作となる2018年モデルを発表する中、
コルナゴ『V2-R』は割って入れるような存在なのか?

 

『V2-R』という次世代機の正体を暴いていきましょう。

 

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COLNAGOにおける「V2-R」の位置づけ

コルナゴのラインナップは3本柱です。

 

コルナゴ c60

コルナゴ創業60周年の節目に生み出された絶対的ハイエンドモデル「C60」。

 

他のモデルが一体成型される”モノコック構造”なのに対し、
「C60」は、各チューブをラグで接着している”ラグ構造”なのが特徴です。

 

乗り味は、剛性が高く、レーシーなものとなっており、
ハイエンドにふさわしい味付けになっています。

 

コルナゴ concept コンセプト エアロロードバイク

続いては、フェラーリと共同開発された、
コルナゴ初のエアロロードバイク「CONCEPT」。

 

2017年モデルとして披露されました。

 

【2018年モデル】コルナゴ『V2-R』。空力、ディテールを改善し、更なる高みを目指した軽量エアロロードバイク。

そして、最後はこの『V2-R』です。

 

NACA カムテール 【2018年モデル】エアロと運動性能が大幅に向上したラピエール新型『AIRCODE』

上の「NACA翼型」から後ろの水色の部分を切り落とした
「カムテール」形状なのが特徴。

”エアロ” ”剛性” ”重量”のバランスが最適な形です。

 

塗装前835g(48サイズ)と、コルナゴ史上最軽量のフレームでもあります。
(「C60」は1,050g、「CONCEPT」が990g)

 

UAEチーム・エミレーツ コルナゴ『V2-R』

来月のツール・ド・フランスに出場する「UAEチーム・エミレーツ」は、
「C60」でも「CONCEPT」でもなく、この『V2-R』を使用する予定です。

 

剛性なら「C60」、圧倒的エアロなら「CONCEPT」ですが、

コルナゴ史上最も軽く、剛性が抑えられて乗りやすい『V2-R』は、

アップダウンの多いコースを長時間乗り続けるロードレース、
特に、ツールのようなステージレースに向いています。

 

 

その上、『V2-R』のオールラウンドな乗り味は、
乗り手のレベル、走るコースを選びませんから、

どんなホビーレーサーでも受け入れる”懐の深いバイク”と言えるでしょう。

「V2-R」と前作「V1-R」の違い

【2018年モデル】コルナゴ『V2-R』。空力、ディテールを改善し、更なる高みを目指した軽量エアロロードバイク。 v1-r 違い

まずは前作の「V1-R」。

 

【2018年モデル】コルナゴ『V2-R』。空力、ディテールを改善し、更なる高みを目指した軽量エアロロードバイク。 マットレッド

こちらが『V2-R』。

 

大きな変更点は以下の4つです。

 

  1. ケーブルルーティンのダウンチューブへの変更
  2. リアブレーキがBB下からシートステイへ移動
  3. ヘッドチューブ下部の剛性+4%、BBの横剛性+13%
  4. シートクランプ内蔵化

剛性は上がったものの、
フレーム内部のカーボンのシワを減らす新しい成形方法によって
フレーム重量は変わらずに維持できています。

 

では、順番に見ていきます。

①ケーブルルーティンのダウンチューブへの変更

ケーブルルーティンのダウンチューブへの変更

元々、ヘッドチューブに近い位置にケーブル入り口がありましたが、
それがダウンチューブへと変更されました。

 

「MERIDA」「BMC」「TREK」など、
2018年モデルから、この位置を採用するフレームが一気に増えました。

 

ケーブルの露出は増えてしまいますが、
その分自由度も増して、ケーブルルーティンに余裕が生まれるからでしょう。

②リアブレーキがBB下からシートステイへ移動

リアブレーキがBB下からシートステイへ移動 【2018年モデル】コルナゴ『V2-R』。空力、ディテールを改善し、更なる高みを目指した軽量エアロロードバイク。

リアブレーキは、BB下からシートステイへと移動されました。

 

BB下へブレーキを持っていくメリットは、
「空力」と「低重心化」ですが、
ガノーの風洞実験によると「空力」は0.2%しか良くなりません。

「低重心化」の効果も、それほど大きいとは考えられません。

 

それに対して、ブレーキをBB下に持っていくと、
メンテナンス性を大きく損なう上に、
BB付近のフレームのたわみによってシュータッチしてしまうという、
明らかなデメリットがあります。

 

泥なども溜まりやすいですし、
リアブレーキをBB下へ配置して良いことは皆無だと思っています。

③ヘッドチューブ下部の剛性+4%、BBの横剛性+13%

ヘッドチューブ下部の剛性+4%、BBの横剛性+13% 【2018年モデル】コルナゴ『V2-R』。空力、ディテールを改善し、更なる高みを目指した軽量エアロロードバイク。

見た目は大きく変わっていませんが、
使用するカーボンのブレンドを見直すことで、
「V1-R」比、ヘッドチューブ下部の剛性+4%、BBの横剛性+13%となっています。

 

高過ぎる剛性は乗りにくさにもつながりますが、

ヘッドチューブ下部の剛性が高いと、コーナリングは安定しますし、
BB剛性が高いと、ぺダリングロスが減って加速性が上がります。

 

 

BBはコルナゴ独自構造「スレッドフィット82.5」ですね。

この「スレッドフィット82.5」について、少し説明しておきましょう。

 

BB82.5 【2018年モデル】コルナゴ『V2-R』。空力、ディテールを改善し、更なる高みを目指した軽量エアロロードバイク。

①がフレームに固定されている金属筒ですが、
ここに②のアダプタを固定するためのネジ山が切られています。

つまり、「V2-R」はパッと見だと、普通のスレッドBBに見えます。

 

付属する工具③を使って、②のカップを①へとねじ込んでいくと、
写真の状態となり、これが「BB86」フレームとまったく同じ状態というわけです。

 

フレームに直接ベアリングを圧入しないので、
フレームへのダメージが少なくて済むメリットがあります。

④シートクランプ内蔵化

シートクランプ内蔵化 【2018年モデル】コルナゴ『V2-R』。空力、ディテールを改善し、更なる高みを目指した軽量エアロロードバイク。

クランプ式だったシートポスト固定方式は、
写真のような臼式へと変わり、シートクランプは内蔵化。

 

フレームと融合するデザインは美しいんですが、
「確実な固定」という実用面を考えると、クランプ式のほうが優れていましたね。

 

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販売価格とラインナップ

『V2-R』の日本販売価格について、
まだ発表されていませんが、推測ならできます。

 

海外価格では「CONCEPT」は$4,600、「V2-R」が$4,400で、
「CONCEPT」の日本販売価格は¥450,000(税抜)。

それから「V1-R」のフレームセット価格は¥450,000です。

 

このことから判断すると、『V2-R』の日本価格は、
「V1-R」と同じ¥450,000ほどになると予想できます。

 

 

カラーは5色展開で、マットレッドを除いてフレームセットの販売。

マットレッドのみ完成車での販売です。

 

【2018年モデル】コルナゴ『V2-R』。空力、ディテールを改善し、更なる高みを目指した軽量エアロロードバイク。 マットレッド
マットレッド(※画像クリックで拡大します)

 

【2018年モデル】コルナゴ『V2-R』。空力、ディテールを改善し、更なる高みを目指した軽量エアロロードバイク。 マットレッド 専用ステム

こちらが、完成車に付いてくるオリジナルのステム。

「R41カーボンステム」と言うそうです。

 

このステム、一見しただけでは
どうやってハンドルを固定しているのかよく分かりません。

 

【2018年モデル】コルナゴ『V2-R』。空力、ディテールを改善し、更なる高みを目指した軽量エアロロードバイク。 マットレッド 専用ステム R41

緑の部分の隙間か、写真では見えない下側に
臼式の固定パーツが埋め込まれていて、
シートポストと同じ方式で固定する構造なのではないかと思います。

 

【2018年モデル】コルナゴ『V2-R』。空力、ディテールを改善し、更なる高みを目指した軽量エアロロードバイク。 ブラック/ゴールド
ブラック/ゴールド

 

【2018年モデル】コルナゴ『V2-R』。空力、ディテールを改善し、更なる高みを目指した軽量エアロロードバイク。 ブラック/レッド

ブラック/レッド

【2018年モデル】コルナゴ『V2-R』。空力、ディテールを改善し、更なる高みを目指した軽量エアロロードバイク。 マットブラック
マットブラック

【2018年モデル】コルナゴ『V2-R』。空力、ディテールを改善し、更なる高みを目指した軽量エアロロードバイク。 ホワイト
ホワイト

 

最初に見たときは、あまり何とも思いませんでしたが、

「オールラウンドに乗りやすい軽量エアロロード」であることに加え、
「見た目」と「メンテナンス性」の良さも兼ね備えた『V2-R』は
所有欲をかき立てるような魅力があり、実際に乗ってみても良いバイクだと思います。

 

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