松木です。
ツール・ド・フランス第4ステージ、
ゴール前のスプリント時にサガンと接触、落車したマーク・カヴェンディッシュ。
ゴール後の精密検査で右肩甲骨の骨折が判明し、
失格処分となったサガンとともにツールを去ることになってしまいました。
マイヨ・ヴェール有力候補であった二選手がいなくなる結果になり、
非常に残念なところです‥‥
ツールを走るカスタムカラーのバイクの中でも
一際目を引いていたカヴェンディッシュのバイク。
彼は一体どんなマシンで戦っていたのでしょうか?
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マーク・カヴェンディッシュの機材
フレーム:Cervelo「S5」
メインコンポ:DURA-ACE R9170(クランクのみ9000(スポンサーはROTOR)、11-28T)
チェーン:KMC「X11SL」
ペダル:DURA-ACE PD-R9100
ホイール:Enve「SES 7.8」リム+Chris King「R45」ハブ
タイヤ:Continetal「Competition ProLTD 25mm」
ハンドル:Enve「SES Aero Road Bar」
ステム:Enve「Carbon Road Stem」
サドル:Fi’zi:k「Arione」K:iumレール
バーテープ:Lizard Skins「DSP 2.5」
ボトルケージ:Tacx「Deva」
ヘルメット:MET「Manta」
チーム「ディメンションデータ」の乗るサーヴェロ「S5」は、
サドルのヤグラが、しなりを考慮してS字形状になった2018年モデルですね。
レールの固定方式も、
確実かつ、微調整ができる、良い方向に変わりました。
もう一つ気になるのが、ジャンクションAの取り付け場所。
”サドル後ろ”に配置されています。
時々この位置に取り付けているプロのバイクを見かけますが、
ステム下よりも空力学的に優れているのだと考えられます。
一見、キレイなだけに見えるの塗装ですが、これがかなり特殊なもの。
F1のエンジンに使われる遮熱材料に
緑色の染料を混ぜたものを使用しています。
厚さは0.01~0.02mmで、フレーム全体でたったの1g増。
フォーククラウン部分では、
内部のカーボン柄が見えてしまっていますね。
普通のペイントも全体の1/3にとどめており、合計塗装重量は26g。
市販されているものよりも、フレーム全体で75gも軽く仕上がっています。
(54サイズのフレーム実測重量は1065gですから、1kg以下)
この塗装、日本価格で50万以上するそうですよ‥‥(^^;
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足回りは、Enve「SES 7.8」リムを使った手組みホイール。
「Smart-Enve-System」と名付けられたリムは、
前後でリム高(前71mm/後80mm)のみならず、
リム幅(前29mm/後27.5mm)まで異なっています。
これは、前輪では「横風に強い操作性」を
後輪では「空力」を重視した結果の設計です。
スーパーディープながら、
リム重量は前436g、後ろ468gと超軽量なのも凄いところ。
ハブは、表面がグリーンに陽極酸化されたクリスキング「R45」。
通常状態でも、滑らかな回転に定評がありますが、
このハブは回転抵抗が限りなく小さくなるように
内部のシールやベアリングがチューニングされているそうです。
リアのノッチ数は名前の通り45。
踏み込んだ際の”かかり”が良く、駆動剛性は抜群に高いです。
脚を止めると、独特のラチェット音を響かせます。
タイヤはContinetal「Competition 25mm」。
グリップ力の高いコンパウンド(ゴム素材)を使用し、
中央のみスリックにして路面抵抗を減らしたプロ限定仕様です。
コックピットはエンヴィで統一。
ハンドルは、エアロかつ高剛性で、
かつ下ハンドルが”ハの字”に5cm開いている「SES Aero」で、
スプリンターにうってつけのモデルです。
サイコンマウントもEnve製。
エンヴィのエアロハンドル(重量233g)は、
通常のマウントを付けるスペースが無いため、
サイコンマウントはステムネジに共締めされる形になります。
スプリンタースイッチの位置は正面。
スプリント中にシフトアップする際は、
どうやら人差し指の根元あたりで押すようですね。
バーテープは、グリップ力の高いリザードスキンズで、
厚さは2.5mmをチョイス。
1.8mm厚のものもありますが、
やや厚めのほうが、しっかり握れてスプリントしやすいのかもしれません。
ヘッドとBBのベアリングは、CeramicSpeedのセラミック仕様、
チェーンは窒化チタンコーティングされたKMC「X11SL」と、
ハブ同様、回転系にはこだわりがあると感じられます。
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