松木です。

 

 松木です。 リムの設計を見直すことで、抜群の”タイヤの嵌めやすさ”、”空気の入れやすさ”を実現しているMAVICのチューブレスホイール「UST」。 1年ほど前に、アルミリムの『キシリウム プロ&エリート』のUST版を皮切りに  アルミリムのミドルディープ『コスミックエリート UST』 カーボンリムのディープリム『コスミックプロカーボンSL UST』 カーボンリムのスーパーディープリム『コメットプロカーボンSL UST』 と、着実にUSTホイールのラインナップを増やしてきました。 そして今回、満を持し...

 

至高のチューブレス対応クリンチャー
MAVIC『Cosmic Ultimate UST』が来年初頭に発売を控えていますが、

 

2019年モデル最新カーボンクリンチャー3選比較 エンヴィ『SES 5.6』ゼンティス『Squad 4.2 SL』 プロファイルデザイン『TwentyFour Ⅱ』

他社からも続々と、2019年モデルの
カーボンクリンチャーホイールが登場中。

 

「チューブレス対応」「ワイドリム化」

 

やはりこの2点が大きな柱。

 

ですが、各メーカー、独自の工夫を凝らし、
更に新たなテクノロジーを開発・投入して差別化を図ろうとしています。

 

今回取り上げるのは、以下の最新3モデル。

  • Enve『SES 5.6』
  • Profile Design『TwentyFour Ⅱ』
  • Xentis『Squad  SL & Race』

 

果たして『Cosmic Ultimate UST』を脅かすことはできるのか?

”スペック”や”特徴”を確認しながら検証してみたいと思います。

 

スポンサーリンク

各ホイールのスペックまとめ

画像クリックで拡大。

赤文字は大きな特徴。

Enve『SES 5.6』
Enve『SES 5.6』ホイール
Profile Design『38/TwentyFour Ⅱ』
Profile Design『TwentyFour Ⅱ』 ホイール
Profile Design『58/TwentyFour Ⅱ』
Profile Design『TwentyFour Ⅱ』 ホイール
仕様
クリンチャー
チューブレス対応
クリンチャー
チューブレス対応
クリンチャー
チューブレス対応
重量 DT Swiss 240
1579g(F:700g/R:879g)
Cris King R45

1549g(F:695g/R:854g)
1610g
(F:695g/R:915g)
1695g
(F:770g/R:925g)
リム高 F:54mm/R:63mm 38mm 58mm
リム外幅 F:29mm/R:28mm 24.5mm 24.5mm
リム内幅
F:20mm/R:20mm 17mm
17mm
リム重量 F:489g/R:513g N/A N/A
スポーク数 F:20本/R:24本 F:20本/R:24本 F:20本/R:24本
スポークパターン F:ラジアル
R:タンジェント
F:ラジアル
R:フリー側タンジェント
反フリー側ラジアル
F:ラジアル
R:フリー側タンジェント
反フリー側ラジアル
スポーク Sapim CX-Ray
首折れ
Sapim CX-Ray
ストレート
Sapim CX-Ray
ストレート
ハブ DT Swiss 240
Cris King R45
6061-T6アルミ製オリジナル 6061-T6アルミ製オリジナル
税込定価 DT Swiss 240
421,200円
Cris King R45
486,000円
220,687円 226,584円
Xentis『Squad 4.2 SL』
Xentis『Squad 4.2 SL』Xentis『Squad 4.2 SL』
Xentis『Squad 5.8 SL』
Xentis『Squad 5.8 SL』Xentis『Squad 5.8 SL』
Xentis『Squad 4.2 Race』
Xentis『Squad 4.2 Race』 ホイールXentis『Squad 4.2 Race』 ホイール
Xentis『Squad 5.8 Race』
Xentis『Squad 5.8 Race』 ホイールXentis『Squad 5.8 Race』 ホイール
仕様
クリンチャー
チューブレス対応
クリンチャー
チューブレス対応
クリンチャー
チューブレス対応
クリンチャー
チューブレス対応
重量 1332g
(実測1378g)
1447g 1543g 1663g
リム高 42mm 58mm 42mm
58mm
リム外幅 24.6mm 24.6mm 26mm
26mm
リム内幅
N/A N/A N/A N/A
リム重量 N/A N/A N/A N/A
スポーク数 F:20本/R:24本 F:20本/R:24本 F:20本/R:24本 F:20本/R:24本
スポークパターン F:ラジアル
R:タンジェント
F:ラジアル
R:タンジェント
F:ラジアル
R:タンジェント
F:ラジアル
R:タンジェント
スポーク Sapim CX-Ray
ストレート
Sapim CX-Ray
ストレート
Sapim CX-Ray
ストレート
Sapim CX-Ray
ストレート
ハブ F:XH003-Carbon
オリジナル
R:DT Swiss 240
F:XH003-Carbon
オリジナル
R:DT Swiss 240
DT Swiss 350 DT Swiss 350
税込定価 421,200円 442,800円 302,400円 324,000円

 

スポンサーリンク

Enve『SES 5.6』

Enve『SES 5.6』ホイール

「『SES 4.5』の改良版」という位置付けのようですが、
『SES 4.5』はラインナップに残ったまま。

 

つまり、純粋に『SES 4.5』の後継モデルという訳ではない模様。

 

Enve『SES 4.5』ホイール リム形状Enve『SES 5.6』ホイール リム形状
左が『SES 4.5』、右が『SES 5.6』。

 

『SES 5.6』のリムは、
リム高が『SES 4.5』よりも6~7mm高く
また、「チューブレス対応」というのが大きな違い。

 

Enve『SES 5.6』ホイール ブレーキトラック

水分の素早い除去を目的とした
網目状のテクスチャーが特徴的なブレーキトラックや、
(また、リムの破損を防ぐ高耐熱性レジンを使用)

 

Enve『SES 5.6』ホイール dt swiss ハブEnve『SES 5.6』ホイール chris king ハブ

『DT Swiss 240』又は『クリスキング』の
2種類のハブから選択できる点などは変わらず。

 

Enve『SES 5.6』ホイール 空力

メルセデスF1の風洞実験施設で開発を進めたとされる
リム形状は「空力」面で申し分無さそうですし、

 

Enve『SES 5.6』ホイール データEnve『SES 5.6』ホイール データ

反応性に関わる「横剛性」も良好

 

おまけに「チューブレス対応」によるリム重量増も見られず、
およそ欠点らしい部分は見当たりませんね(^^)

 

ただ、DT Swiss 240ハブモデルの重量が、
1579g(Fリム:489g/Rリム:513g)とやや重く、
峠を含むコースで使うには、ちょっと厳しいか……

 

『Cosmic Ultimate UST』よりも平地向きのホイールで、
「万能性」にはやや劣る印象です。

Profile Design『TwentyFour Ⅱ』

Profile Design『TwentyFour Ⅱ』 ホイール Profile Design『TwentyFour Ⅱ』 ホイール

 

ロゴとハブ形状を少し変えただけ。

 

”Ⅱ”と名乗る割には、リム形状は全く変わっていないですし、
(チューブレス非対応、リム外幅24.5mmのまま)
それどころか、公表重量が大幅に増加(38:1465g⇒1610g、58:1630g⇒1695g)。

 

Profile Design『TwentyFour Ⅱ』 ホイール

こちらは『TwentyFour Ⅱ』のリムですが、
「ブレーキトラック」や「それ以外の部分」の質感も改良無く……

 

Profile Design『TwentyFour Ⅱ』 ホイール ハブ Profile Design『TwentyFour Ⅱ』 ホイール ハブ

Profile Design『TwentyFour Ⅱ』 ホイール ハブ Profile Design『TwentyFour Ⅱ』 ホイール ハブ

上は旧型、下が新型。

 

寸法の大きな変更は目につかず、
よって、性能アップも無いはず。

 

カーボンクリンチャー群雄割拠の今の時代、
この旧態依然と思えるホイールに22万払う人がいるでしょうか?

Xentis『Squad(スクワッド) SL & Race』

Xentis『Squad 4.2 SL』 Xentis『Squad 4.2 SL』

Xentis『Squad SL 4.2』公表1332g/実測1378g

 

”SL”はハイエンドモデルです。

リム素材が「UDカーボン」で非常に軽く、

 

Xentis『Squad 4.2 SL』

「Active Tubulator」と呼ばれる波状の段差を設けています。

これは「空力」と「放熱性」、両方にメリットがあるのだそう。

 

ちなみに『Squad』ホイールのリム全てに
アルミリム用ブレーキシューが利用可能という
「超強強度」且つ「超放熱性」のカーボン素材を使用。

 

Xentis『Squad 4.2 SL』 カーボンハブ

フロントハブに使用されているのは、
僅か59gのオリジナルカーボンボディハブで、

 

Xentis『Squad 4.2 SL』 DT Swiss 240

リアハブのほうは『SES 5.6』と同じ『DT Swiss 240』

 

Xentis『Squad 5.8 SL』 Xentis『Squad 5.8 SL』

Xentis『Squad SL 5.8』

 

58mmにして公表1447gはなかなかに優秀。

“本格的な峠の無いロードレース”でしたら、
『Squad SL 4.2』より楽に走れそうな気さえします。

 

Xentis『Squad 4.2 Race』 ホイール Xentis『Squad 4.2 Race』 ホイール

Xentis『Squad Race 4.2』 公表1543g

 

Xentis『Squad 5.8 Race』 ホイール Xentis『Squad 5.8 Race』 ホイール

Xentis『Squad Race 5.8』公表1663g

 

”SL”に対して”Race”はセカンドモデル

リム素材が「3Kカーボン」

リム全域に渡ってのカーボン柄が目立ちますね。

 

Xentis『Squad 4.2 Race』 DT Swiss 350Xentis『Squad 4.2 Race』 DT Swiss 350

ハブは前後とも『DT Swiss 350』です。

 

『Race 4.2』は『SL 4.2』より+211g、
『Race 5.8』は『SL 5.8』より+216g。

ハブだけでこの重量差は生まれないと考えられますから、
おそらくリムも『Race』のほうが若干重めなのではないかと予想。

 

Xentis『Squad』2018 ホイール リム Xentis『Squad』2018 ホイール リム Xentis『Squad』2018 ホイール リム Xentis『Squad』2018 ホイール リム

こちらは『Squad』シリーズのリム断面図。

左から順に
『SL 4.2』(前後共通)『SL 5.8』(前後共通)
『Race 4.2 Front』『Race 4.2 Rear』
『Race 5.8 Front』『Race 5.8 Rear』

 

『Race』シリーズは、

  • 「Active Tubulator」が無い
  • リアリムが左右非対称形状(スポークテンション是正のために半フリー側にオフセット)
  • 『SL』シリーズよりもリム幅が+1.4mm

以上のような違いがあります。

 

『Race』は『SL』よりも重くなる代わりに、
「コスパ」「ワイドリム」に重点を置いたモデルと言えそうですね(^^)

 

 

Xentisの4モデルの中だったら、
個人的には『Squad SL 4.2』が良さげ。

 

『Cosmic Ultimate UST』みたく一体型カーボンスポークではないものの、
リムを猛烈に硬く作ることで「軽やかな走り」を実現。

 

チューブレスタイヤを使うならば、
やはりUSTに一日の長があると思いますが、

クリンチャーを嵌めて乗るならば、
『Cosmic Ultimate UST』に引けを取らない
運動性能を発揮してくれるのではないでしょうか?

 

スポンサーリンク