松木です。
リムの設計を見直すことで、
抜群の”タイヤの嵌めやすさ”、”空気の入れやすさ”を実現している
MAVICのチューブレスホイール「UST」。
1年ほど前に、アルミリムの『キシリウム プロ&エリート』のUST版を皮切りに
- アルミリムのミドルディープ『コスミックエリート UST』
- カーボンリムのディープリム『コスミックプロカーボンSL UST』
- カーボンリムのスーパーディープリム『コメットプロカーボンSL UST』
と、着実にUSTホイールのラインナップを増やしてきました。
そして今回、満を持して
MAVICの最高峰である『コスミックアルチメイト』が
待望のUSTモデルを発表(2019年1月デリバリー開始予定)。
MAVICファンからすると、垂涎の的となるでしょうね(^^)
現行のチューブラーモデルと比較すると、
”リム”だけではなく、”ハブ”、”スポーク”など、
あらゆる箇所にアップデートが加えられています。
『コスミックアルチメイト』とは名ばかりで、
もはや「完全に別物」と言っても過言ではありません……
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目次
MAVIC「Cosmic Ultimate UST」のスペック
【仕様】クリンチャー or チューブレス「UST」(ディスクブレーキも予定)
【公表重量】前後1330g(⇔『コスミックプロカーボンSL UST』1490g)
【リムハイト】40mm(外幅26mm、内幅19mm)
【リム形状】リアは左右非対称(反フリー側へオフセット)
【ブレーキ面加工】レーザー加工「iTgMax」(他のカーボンホイール同様)
【ハブ機構】Instant Drive 360(「FTS-L」からグレードアップ)
【スポーク】リム・ハブ一体型カーボンスポーク
【スポーク数】F/Rともに20本
リムにはプリント、ステッカーなどは皆無。
リム全周に渡ってカーボン柄のシンプルなデザインです。
リムハイトはチューブラーモデルと同じ40mmですが、
リム外幅は+1mmの26mm(『コメットプロカーボンSL』と同じ)。
リム内幅は『コスミックプロカーボンSL UST』と同じく19mm。
最近のトレンドである
「リム外幅20mm後半、リム内幅19~20mm」に寄せてきていますね。
リム・ハブ一体型カーボンスポーク
スポークは、リム・ハブに接着されたUDフルカーボン製。
カーボンスポークは、
スチールスポークよりも35%軽量にもかかわらず、
金属のように伸びたりしません。
このリム・ハブ一体型のカーボンスポークこそが、
「剛性」の高い、つまり、ペダリングパワーをロスなく推進力へと変換し、
『アルチメイト』の名を付けられるにふさわしい
”軽快な走り”を実現するホイールへと昇華させています。
ちなみに、「剛性」が高いホイールと聞いて、
「乗り心地は大丈夫?」という心配があるかもしれませんが、
テンションがかからなくなった時には、
金属スポークと同じように”たわむ”ことは可能なため、
「快適性」が犠牲になってしまうこともありません。
70g軽量化された新型ハブ
まずは、現行の『コスミックアルチメイト』チューブラーのハブ。
フロントこそ”フルカーボン”ですが、
リアのシェルは”アルミ製”。
そして、フリーボディの構造は、
ごく一般的な、2つの爪があるラチェット式「FTS-L」です。
続いて、新しい『コスミックアルチメイト UST』のハブ。
フロントハブこそ似ていますが、
リアハブは共通点を探すほうが至難。
- ハブシェルのフルカーボン化
- 反フリー側のテンション調整機構の排除
- スリム化&肉抜きされたフリーボディ、小型のベアリング
以上により、『コスミックアルチメイト』チューブラーと比べて
70gもの軽量化に成功。
そして、「インスタントドライブ360」の採用が大きなポイント。
3つ爪とは比較にならない、40もの歯が装備されており、
見るからに”駆動剛性”が高そうな作りをしています。
360度÷40=9度ごとに爪が引っ掛かるため、
漕ぎだしのかかりが速くなり、スムーズな加速が可能。
以前、「インスタントドライブ360」搭載の
『キシリウムプロカーボンSL』を使っていましたが、
はっきりと体感できるレベルで違います。
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ウェット時の制動力が劇的に向上している新型パッド
これまで、MAVICカーボンホイールに付属していたのは
黄色のパッドでしたが、
『コスミックアルチメイト UST』に付属するブレーキパッドは、
このホイールために新たに作られたもの(Swiss Stop製)。
- これまでの物よりも柔らかく、リムへのダメージ(熱の発生など)が少ない
- リム面が黄色くなったり、カスが飛び散って汚くなる黄色ではなく黒色
- ドライ時の制動力は従来よりも若干向上、ウェット時の制動力は劇的に向上
これまでの黄色パッドも使えるそうですが、
ブレーキ面はレーザー加工「iTgMax」によって
レジン(樹脂)が取り除かれているため、
長年使用していると、ブレーキ熱によってカーボン柄が変形してしまうこともあります。
MAVIC曰く、この「カーボン柄の変形」は普通のことで、使用上問題は無いそうですが、
やはり避けたほうが良く、そのために新型ブレーキシューの使用が推奨されています。
ZIPP 303、AEOLUS 3、ENVE SES 4.5と比べた空力データ
パッ見だと『コスミックアルチメイト UST』の空力は、
『Aelous 3』と比較して若干劣っている印象ですが、
ZIPP『303』やENVE『SES 4.5』よりは上。
ですが、低いヨー角(現実世界で大半の時間を占める)ほど重み付けして付けた
赤で囲んだ空気抵抗の値は、4種類の中で最低。
つまり、現実世界のライドにおいては”最速”であると主張します。
「ワイドリム化したリム」は、
”エアロ”の面において、ちゃんと効いているようです(^^)
見た目には分かりづらいですが、
スポークもよりエアロ効果の高い「楕円形状」へと改良されてる模様。
日本販売価格
最後に価格ですが、
『コメットプロカーボンSL チューブラー』が300,000円(税抜)、
『コメットプロカーボンSL UST』が290,000円と、10,000円差。
そして、
『コスミックアルチメイト チューブラー』が480,000円で、
『コスミックアルチメイト UST』は500,000円。
消費税を入れると、現実味の乏しい54万(^^;
さらに
「フレ取り不可能」=「1本でもスポークが折れたら使用不可」
ということ考えると、
購入に踏み切るのは、非常に勇気がいるでしょうね……
「アルチメイト」の名の通り、
あらゆる性能が”究極”に近いホイールではあると思うのですが、
「もの凄く欲しい!だけどなぁ……」というジレンマを抱えながら
ほとんどの人にとっては”憧れ”、”高嶺の花”どまりかもしれません。
ですが、その”ハードルの高さ”もまた良い、と思ってしまいます(笑)
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現行のコスミックプロカーボンSL USTのリム内幅は公式情報も実測も19mmなので、一緒だと思います。
たかにぃさん、貴重な情報ありがとうございます(^^)
どうやら勘違いしていたようです。リム内幅19mmに訂正いたしました。
文中のFTL-Sは3つ爪というのは誤りです。名前も数も違っています。正しくはFTS-Lで2つ爪です。
ツヨシさん、ご指摘ありがとうございます(^^) 訂正しました!