松木です。

 

デメリット 徹底解剖!MAVIC(マヴィック)の2018年チューブレスロードホイール。

リムの設計を見直すことで、
抜群の”タイヤの嵌めやすさ”、”空気の入れやすさ”を実現している
MAVICのチューブレスホイール「UST」

 

1年ほど前に、アルミリムの『キシリウム プロ&エリート』のUST版を皮切りに

 

  • アルミリムのミドルディープ『コスミックエリート UST』
  • カーボンリムのディープリム『コスミックプロカーボンSL UST』
  • カーボンリムのスーパーディープリム『コメットプロカーボンSL UST』

 

と、着実にUSTホイールのラインナップを増やしてきました。

 

MAVIC『コスミックアルチメイト』待望のUST化!重量、リム、ハブ、ベアリングなどの詳細。

そして今回、満を持して
MAVICの最高峰である『コスミックアルチメイト』が
待望のUSTモデルを発表
(2019年1月デリバリー開始予定)。

 

MAVICファンからすると、垂涎の的となるでしょうね(^^)

 

MAVIC『コスミックアルチメイト』待望のUST化!重量、リム、ハブ、ベアリングなどの詳細。MAVIC『コスミックアルチメイト』待望のUST化!重量、リム、ハブ、ベアリングなどの詳細。

現行のチューブラーモデルと比較すると、
”リム”だけではなく、”ハブ””スポーク”など、
あらゆる箇所にアップデートが加えられています。

 

『コスミックアルチメイト』とは名ばかりで、
もはや「完全に別物」と言っても過言ではありません……

 

【関連記事】

 松木です。 MAVICがロードバイク用チューブレスホイールを発表しましたね。  7月中旬に2モデルが先行発売されて、9~10月以降にかけて他のモデルも順次発売していく予定です。   上の「シクロワイアード」と「バイクラ」の記事を読んでもらうと、基本的な情報が手に入ります。 マヴィックチューブレスリムの設計図を頭に入れると理解しやすいですね。  2010年前後ぐらいには、一部のプロの間でも使われていた”ロードチューブレス”。 ただ、タイヤとリムの気密性を正確に保てる...

 

マヴィックから遂に登場したロード用チューブレスタイヤホイールシステム「ロードUST」。vol.3ではレース現場における本命ホイールとも言えるカーボンディープホイール、COSMIC PRO CARBON SL USTとCOMETE PRO CARBON SL USTをインプレッションした。

 

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MAVIC「Cosmic Ultimate UST」のスペック

MAVIC『コスミックアルチメイト』待望のUST化!重量、リム、ハブ、ベアリングなどの詳細。

【仕様】クリンチャー or チューブレス「UST」(ディスクブレーキも予定)
【公表重量】前後1330g(⇔『コスミックプロカーボンSL UST』1490g)
【リムハイト】40mm(外幅26mm内幅19mm
【リム形状】リアは左右非対称(反フリー側へオフセット
【ブレーキ面加工】
レーザー加工「iTgMax」(他のカーボンホイール同様)
【ハブ機構】Instant Drive 360(「FTS-L」からグレードアップ)
【スポーク】リム・ハブ一体型カーボンスポーク
【スポーク数】F/Rともに20本

 

 

MAVIC『コスミックアルチメイト』待望のUST化!重量、リム、ハブ、ベアリングなどの詳細。

リムにはプリント、ステッカーなどは皆無。

リム全周に渡ってカーボン柄のシンプルなデザインです。

 

リムハイトはチューブラーモデルと同じ40mmですが、
リム外幅は+1mmの26mm(『コメットプロカーボンSL』と同じ)。

リム内幅は『コスミックプロカーボンSL UST』と同じく19mm

 

最近のトレンドである
「リム外幅20mm後半、リム内幅19~20mm」に寄せてきていますね。

リム・ハブ一体型カーボンスポーク

MAVIC『コスミックアルチメイト』待望のUST化!重量、リム、ハブ、ベアリングなどの詳細。 MAVIC『コスミックアルチメイト』待望のUST化!重量、リム、ハブ、ベアリングなどの詳細。

スポークは、リム・ハブに接着されたUDフルカーボン製

 

カーボンスポークは、
スチールスポークよりも35%軽量にもかかわらず、
金属のように伸びたりしません。

 

このリム・ハブ一体型のカーボンスポークこそが、
「剛性」の高い、つまり、ペダリングパワーをロスなく推進力へと変換し、

『アルチメイト』の名を付けられるにふさわしい
”軽快な走り”を実現するホイールへと昇華させています。

 

 

ちなみに、「剛性」が高いホイールと聞いて、
「乗り心地は大丈夫?」という心配があるかもしれませんが、

テンションがかからなくなった時には、
金属スポークと同じように”たわむ”ことは可能なため、
「快適性」が犠牲になってしまうこともありません。

70g軽量化された新型ハブ

まずは、現行の『コスミックアルチメイト』チューブラーのハブ。

 

MAVIC『コスミックアルチメイト』待望のUST化!重量、リム、ハブ、ベアリングなどの詳細。 ハブ MAVIC『コスミックアルチメイト』待望のUST化!重量、リム、ハブ、ベアリングなどの詳細。 ハブ
MAVIC『コスミックアルチメイト』待望のUST化!重量、リム、ハブ、ベアリングなどの詳細。 ハブ

フロントこそ”フルカーボン”ですが、
リアのシェルは”アルミ製”

 

そして、フリーボディの構造は、
ごく一般的な、2つの爪があるラチェット式「FTS-L」です。

 

 

続いて、新しい『コスミックアルチメイト UST』のハブ。

 

MAVIC『コスミックアルチメイト』待望のUST化!重量、リム、ハブ、ベアリングなどの詳細。 70g軽量化された新型ハブMAVIC『コスミックアルチメイト』待望のUST化!重量、リム、ハブ、ベアリングなどの詳細。 70g軽量化された新型ハブMAVIC『コスミックアルチメイト』待望のUST化!重量、リム、ハブ、ベアリングなどの詳細。 ハブ インスタントドライブ360

フロントハブこそ似ていますが、
リアハブは共通点を探すほうが至難。

 

 

MAVIC『コスミックアルチメイト』待望のUST化!重量、リム、ハブ、ベアリングなどの詳細。 ハブ インスタントドライブ360 肉抜きされたフリーボディ、小型化したベアリング

  • ハブシェルのフルカーボン化
  • 反フリー側のテンション調整機構の排除
  • スリム化&肉抜きされたフリーボディ、小型のベアリング

 

以上により、『コスミックアルチメイト』チューブラーと比べて
70gもの軽量化に成功。

 

MAVIC『コスミックアルチメイト』待望のUST化!重量、リム、ハブ、ベアリングなどの詳細。 ハブ インスタントドライブ360

そして、「インスタントドライブ360」の採用が大きなポイント。

 

3つ爪とは比較にならない、40もの歯が装備されており、
見るからに”駆動剛性”が高そうな作りをしています。

 

360度÷40=9度ごとに爪が引っ掛かるため、
漕ぎだしのかかりが速くなり、スムーズな加速が可能。

 

 

以前、「インスタントドライブ360」搭載の
『キシリウムプロカーボンSL』を使っていましたが、

はっきりと体感できるレベルで違います。

 

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ウェット時の制動力が劇的に向上している新型パッド

MAVIC『コスミックアルチメイト』待望のUST化!重量、リム、ハブ、ベアリングなどの詳細。 新型パッドMAVIC『コスミックアルチメイト』待望のUST化!重量、リム、ハブ、ベアリングなどの詳細。 新型パッド

これまで、MAVICカーボンホイールに付属していたのは
黄色のパッドでしたが、

 

MAVIC『コスミックアルチメイト』待望のUST化!重量、リム、ハブ、ベアリングなどの詳細。 新型パッド

『コスミックアルチメイト UST』に付属するブレーキパッドは、
このホイールために新たに作られたもの(Swiss Stop製)。

 

  • これまでの物よりも柔らかく、リムへのダメージ(熱の発生など)が少ない
  • リム面が黄色くなったり、カスが飛び散って汚くなる黄色ではなく黒色
  • ドライ時の制動力は従来よりも若干向上、ウェット時の制動力は劇的に向

 

これまでの黄色パッドも使えるそうですが、

 

MAVIC『コスミックアルチメイト』待望のUST化!重量、リム、ハブ、ベアリングなどの詳細。 新型パッド

ブレーキ面はレーザー加工「iTgMax」によって
レジン(樹脂)が取り除かれているため、
長年使用していると、ブレーキ熱によってカーボン柄が変形してしまうこともあります。

 

MAVIC曰く、この「カーボン柄の変形」は普通のことで、使用上問題は無いそうですが、
やはり避けたほうが良く、そのために新型ブレーキシューの使用が推奨されています。

ZIPP 303、AEOLUS 3、ENVE SES 4.5と比べた空力データ

MAVIC『コスミックアルチメイト』待望のUST化!重量、リム、ハブ、ベアリングなどの詳細。 Zipp 303、Aeolus 3、ENVE SES 4.5と比較した空力データ

パッ見だと『コスミックアルチメイト UST』の空力は、
『Aelous 3』と比較して若干劣っている印象ですが、
ZIPP『303』やENVE『SES 4.5』よりは上。

 

ですが、低いヨー角(現実世界で大半の時間を占める)ほど重み付けして付けた
で囲んだ空気抵抗の値は、4種類の中で最低。

 

つまり、現実世界のライドにおいては”最速”であると主張します。

 

「ワイドリム化したリム」は、
”エアロ”の面において、ちゃんと効いているようです(^^)

 

Zipp 303、Aeolus 3、ENVE SES 4.5と比較した空力データ 楕円スポーク

見た目には分かりづらいですが、
スポークもよりエアロ効果の高い「楕円形状」へと改良されてる模様。

日本販売価格

最後に価格ですが、
『コメットプロカーボンSL チューブラー』が300,000円(税抜)、
『コメットプロカーボンSL UST』が290,000円と、10,000円差。

 

そして、
『コスミックアルチメイト チューブラー』が480,000円で、
『コスミックアルチメイト UST』は500,000円

 

消費税を入れると、現実味の乏しい54万(^^;

 

MAVIC『コスミックアルチメイト』待望のUST化!重量、リム、ハブ、ベアリングなどの詳細。

さらに
「フレ取り不可能」=「1本でもスポークが折れたら使用不可」
ということ考えると、

購入に踏み切るのは、非常に勇気がいるでしょうね……

 

「アルチメイト」の名の通り、
あらゆる性能が”究極”に近いホイールではあると思うのですが、

「もの凄く欲しい!だけどなぁ……」というジレンマを抱えながら
ほとんどの人にとっては”憧れ”、”高嶺の花”どまりかもしれません。

 

ですが、その”ハードルの高さ”もまた良い、と思ってしまいます(笑)

 

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