松木です。
Cycling Weeklyによるエアロロードヘルメット実験。
Aero Helmets『Which is Fastest?』
前回(⇒こちらの記事)のNo1、2、4に
Specialized『Evade Ⅱ』
Bontrager『Ballista』
の二強者を加えた豪華ラインナップ。
これはまさに”頂上決戦”と言っても過言じゃないでしょう!
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目次
実験方法
場所は風洞施設ではなく、ベロドロームでの実走。
『Garmin Track Aero System』
ベロドームの実走から得た情報からCdA(空気抵抗係数)を算出。
そのCdAを元に、30km/h、45km/h走行に必要な出力wを計算。
James(右の男性)とMichelle(中央の女性)の2名。
ポジションは、
「腕を伸ばした状態の上ハンドル」
「腕を伸ばした状態の下ハンドル」
「腕を曲げた状態の下ハンドル」の3種類。
単純にヘルメット単体同士を比較するのでなく、
「人物(ヘルメットサイズ)による違い」「ポジションによる違い」
まで調べるのは斬新ですね!
実験に用いられる5種類のヘルメット
エントリーNo1:メット『トレンタ』(M:225g、L:265g)
何の変哲もないロードヘルメットに見えるも、
前回のテストで「最速」の座を手にしたモデルです。
エントリーNo2:レイザー『バレット』(M:315g)
前回のテストでは4番。
ハチの巣状の部分は、上下にスライドさせて風通りを調整できるのですが、
今回は、写真のように「下げた状態」でテストします。
エントリーNo3:ジロ『ヴァンキッシュ』(M:305g)
前回のテストでは2番。
他のモデルと公平を期すために、
専用のエアロバイザーは付けずにテストします。
エントリーNo4:ボントレガー『バリスタMIPS』(M:270g、L:310g)
ボントレガーが誇るエアロロードヘルメット。
自分も発売当初から長らく愛用中。
エントリーNo5:スペシャ『イヴェードⅡ』(M:280g、L:310g)
自社風洞施設で徹底的にエアロを突き詰めるスペシャライズド。
この『Evade Ⅱ』には”世界最速”というイメージがありますが、果たして?
実験結果&考察
Met『Trenta』の「上ハンドル」を基準値0.0として、
それに対して「何w削減できるか(つまり数字が大きいほど”速い”)」
をまとめたものが、以下の表となります。
【ジェームズの場合】
上ハンドル:Trenta>EvadeⅡ>Ballista>Bullet>Vanquish
下ハンドル:EvadeⅡ>Trenta>Bullet>Ballista>Vanquish
下ハン曲げ:EvadeⅡ>Trenta>Vanquish>Bullet>Ballista
【ミッシェル場合】
上ハンドル:EvadeⅡ>Vanquish>Ballista>Trenta>Bullet
下ハンドル:Ballista>Trenta>EvadeⅡ>Vanquish>Bullet
下ハン曲げ:Trenta>Vanquish>EvadeⅡ>Ballista>Bullet
ヘルメットの「空力の良し悪しの傾向」は見られるものの、
「人物(or ヘルメットサイズ)」「ポジション」によって
エアロの順位はかなり変わってしまうことが分かります。
これはとても興味深い知見ですけど、、、
エアロの優劣はちょっと判断しづらいですね…(^^;
そこで、2人×ポジション3種類=6パターン毎に
「1位⇒5点、2位⇒4点、3位⇒3点、4位⇒2点、5位⇒1点」を付与する方法で
エアロの優劣を点数化し、一目瞭然にしてみましょうか。
🏆『Evade Ⅱ』25点(1位3回、2位1回、3位2回)
🥈『Trenta』24点(1位2回、2位3回、4位1回)
🥉『Ballista』16点(1位1回、3位2回、4位2回、5位1回)
4位『Vanquish』15点(2位2回、3位1回、4位1回、5位2回)
5位『Bullet』10点(3位1回、4位2回、5位3回)
最終的にランク付けしますと、
Aランク『Evade Ⅱ』『Trenta』
Bランク『Ballista』『Vanquish』
Cランク『Bullet』
ジェームズにとっては『Evade Ⅱ』が最速。
ミッシェルにとっては『Trenta』が最速。
被る人によってどちらが速いか変わるならば、
ベンチレーションが多くて涼しく、しかも軽量な『Trenta』がベストに思えますね(^^)
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