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松木です。

 

2021 trek madone slr

2021年モデルTREK(トレック)『Madone(マドン) SLR』が発表されました。

 

フレームの形状・構造に変更は無く(BB規格ぐらい)、
前作から2年の間に研究開発された

  1. 新素材OCLV800
  2. 新パーツ(ハンドルとホイール)
  3. ペイントの新技術

これらの投入が新型『Madone SLR』を形作ります。

 

トレック Madone SLR OCLV 800フレームへ刷新、バイク全体で450g軽量化 - 新製品情報2021
トレックが誇るエアロロードのフラッグシップ「Madone SLR」がマイナーチェンジ。新型Émondaで投入されたOCLV 800カーボンやT47BBを採用しフレームをアップデートしてい...

 

概要はシクロワイアードさんの記事にお任せするとして、
個人的に”疑問”に感じた点を取り上げたいと思います。

 

【Madone SLRの構造詳細】

2019 TREK『マドンSLR』新型IsoSpeedにより異次元クオリティへと昇華
 松木です。 2019年モデル新型『Madone SLR』。 Cannondale『SystemSix』、Specialized『S-Works Venge』、BMC『TimemMachine Road』。 メーカーの...

 

【前作Madone SLRのインプレッション】

試乗インプレ『Madone SLR』 『Emonda ALR』『Dogma F10』『Prince Disk』
 松木です。 「東京プレミアムバイクインプレッション2018 Vol.2」に行ってきました。 試乗した車体は、次の15台。  TREK『Madone SLR Disc』 TR...

 

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-80gに寄与する新素材OCLV800とはそもそも何なのか?

2021 trek madone slr oclv800

カーボン素材の数字に対して持つイメージは、
「数字が大きい方が軽くて剛性が高い」

 

OCLV800もそうなのか?と思って調べたところ、
これは「半分正解」といった所で、不十分な認識でした。

 

 

上のOCLV800の説明の中に、
聞きなれない「M40X」というカーボン素材が登場してきます。

これは前作Madone SLRが登場してから4ヶ月後に、
東レが発表した新しい炭素繊維です(プレスリリースはこちら

 

2021 trek madone slr M40X

「剛性」⇒バイクのレスポンスの良し悪しを評価する度合
「強度」⇒走行中に吸収し、分散できる力の度合い

 

ロードバイクフレームにはその両方が求められますが、
上図を見ると『M40X』は、「弾性」「強度」を
これまでに無かった高次元のバランスで備えた素材なのだと分かります。

 

2021 trek madone slr oclv800

この『M40X』という新たな分野を切り開くカーボン素材を用い、
最先端のモデリングソフトウェアを利用しながら
50以上もの「カーボンシートの配置(レイアップ)が異なるフレーム」を開発。

 

更にテストを繰り返すことで数種類まで絞り込む……

それらをTrek-Segafredoの選手に試乗してもらい、
最終的に最も感触の良かった1本のフレームが選ばれました。

そのフレームに与えられた名前こそが「OCLV800」

 

つまり「OCLV800」は、単に素材の名前を指しているのではなく、
「経験・技術・テストの末の 緻密なカーボンシートの配置」
をも含んだ用語だという訳です。

 

TREKエンジニア曰く「OCLV800開発は、まるでピアノの調律のようだった」と。

その他3つの軽量化を詳しく見てみる

ハンドル『Aeolus RSL VR-C』-160g

ハンドル『Aeolus RSL VR-C』-160g

420mm幅、ステム長110mmで293g。

 

参考までに他の一体型ハンドルの重量↓

  • Bontrager『XXX Integrated』234g(C-C420mm、ステム長110mm)
  • Deda『Alanera(アラネラ)』350g(C-C420mm、ステム長110mm)
  • Syncros『RR1.0 Aero』395g(C-C420mm、ステム長110mm)
  • Most『Talon Aero Compact 1K』410g(サイズ不明)
  • PRO『Stealth Evo』410g(C-C400mm、ステム長90mm)

 

ハンドル『Aeolus RSL VR-C』-160g

前作の2ピースタイプは293+160≒453gもあったということかw

 

ハンドル『Aeolus RSL VR-C』-160g

新作は、ケーブルをハンドル後部の溝に収めるタイプの外装。

 

ハンドル『Aeolus RSL VR-C』-160g 空力10%向上

前作は完全内蔵でしたけど、「空力」はこちらの方が10%良いのだそう。

やはり一体型の方が、凹凸少なく滑らかに作れるからでしょうか?

ホイール『Aeolus RSL 37 TLR Disc』-130g

ホイール『Aeolus RSL 37 TLR Disc』

フロント600g、リア725g、計1325g。

 

ホイール『Aeolus RSL 37 TLR Disc』

『XXX4』ではディスク、リム両方がラインナップされていたため、
開発労力・費用を考えると”各タイプ完全専用設計”とは成らずに
”兼用”的なリム形状にせざるを得なかった模様……

 

対して『RSL37』ではDisc一本に絞って設計されたため、
リムブレーキ時の負荷を考慮しない、極限まで薄くて軽いリムを実現。

 

「空力」は『XXX4』の方がある程度良いそうですが、
坂で強力な武器となる『RSL 37』の方が総合性能・汎用性は高いでしょうね(^^)

塗装の代わりに色付きのクリアコート「スモークカラー」-50g

2021 trek madone slr スモークカラー クリアコート

男子プロチームカラー。

 

2021 trek madone slr スモークカラー クリアコート

女子プロチームカラー。

 

この2カラーに関しては、一般的な「カラー塗装⇒クリア塗装」ではなく、
『スモークカラー』と名付けられた”色付きのクリアコート”を採用。

 

2021 trek madone slr スモークカラー クリアコート

この写真なんかは、内部のカーボン柄が透けているのが分かりますね!

上部の水色の部分は透けてないので、普通のカラー塗装かと。

 

2021 trek madone slr マットオニキスカーボン

『スモークカラー』より更に10~20g軽い最軽量のカラーが、このマットオニキスカーボン

 

2021 trek madone slr マットオニキスカーボン

うっすらマット塗装している印象。

 

 

以上の軽量化を合計すれば、
80(OCLV800)+160(ハンドル)+130(ホイール)+70(塗装)=440g

これにSRAM DUBクランク採用の-60gを加えれば……500gの軽量化!

「450g軽量化」と謳っているものの、計算上はMax-500gとなりますね。

TREKのBB規格『T47』は少しだけ特殊

BB規格『T47BB』 2021 trek madone slr

2015年、Chris Kingによってつくられた『T47』

「フレームBB部を極力大きくできる”ねじ切り式”」といった特長を持つ規格。

※フレームBB部が大きい⇒「剛性」が高く、ひいては反応も良くなる
※ねじ切り式⇒音鳴りが発生しにくい

 

BB規格『T47BB』 2021 trek madone slr

シェルの溝に専用工具を引っかけて、
こんな具合に取り付けるのですが、、、

 

BB規格『T47BB』 2021 trek madone slr

こういった事情もあって、厳密にはChris Kingの「T47」とは異なります。

 

ただ、完成車に組み付けられているのはPraxs Worksと共同開発したBBですが、
クリスキング規格の方のT47用BBに交換したければ取付可能です(=互換性あり)

早く乗ってみたい!!

2021 trek madone slr

フレームサイズ56、Shimano Di2完成車の公表重量が7.35kg。

「エアロ」「振動吸収機構」「Disc使用」「TLRホイール」

これだけの重くなる要因を抱えて7kg前半だったら十分。

 

前作の『Madone SLR Disc』に少し感じた「加速の鈍さ」

そこを集中的に強化した新型には、
これまで感じたことのないバケモノ級の乗り味を期待できそうですけど、
コロナの影響で試乗できそうなイベントは中止……(ノД`)・゜ウワ~ン

 

実際に体感できる機会に恵まれるのはいつになることやら・・・

 

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