松木です。
「東京プレミアムバイクインプレッション2018 Vol.2」試乗インプレ後編です。
今回のラインナップ
- LOOK『785 Huez』
- Gusto『RCR Team Legend』
- Gusto『RCR Team Duro Sports Ultra』
- Niner『RLT 9 Steel』
【前編、中編、最終回】
【過去試乗したハイエンドバイクのインプレッション】
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目次
試乗インプレッション後編
ルック『785ヒュエズ』32万(税抜)
【加速性】8.5点
【剛性】8点
【振動吸収性】9点
【巡航性】8.5点
【お気に入り度】8.75点
(※8点で「なかなか良い」)
「ロードバイクの更なる可能性を感じさせられた衝撃の一台」
とまで言わしめた『785 Huez RS』。
そして『785 Huez』は、カーボンの質を下げ(60Tは未使用)、
フレームセットで330g重いセカンドモデル(Sサイズ1340g)。
上の通り、「軽さ」「価格」以外の基本性能は”RS”と横並びで、
「基本性能はほぼ変わらない」というのがLOOKの発表。
『785 Huez RS』と『785 Huez』の性能差は感じられるのか?
『785 Huez RS』に感じた”凄み”を同じように体感できるのか?
『785 Huez RS』は、MAVICホイールが良かっただけなのではないか?
そういった疑問を解消するためにも、
今回この『785 Huez』に試乗したいと考えていました。
やっぱり、すご~~く良いバイクでした(^^)b
静かに、滑らか、そしてスルスルと加速していき、
スピードが乗ってからも嫌な「突き上げ感」「微振動」が非常に少ない。
『785 Huez RS』の大きな魅力であった”上品な乗り味”は健在。
「硬くて良く進む」
「漕ぎ出しが軽い」
「エアロで速い」
こういった特徴を持つバイクは数多くあれど、
『785 Huez』のように”官能的な部分”に訴えかけてくるフレームは希少。
LOOKだからこそ為せる技。
ホイールは、シマノ最下位グレード「WH-RS010」でしたので、
”走りの軽快さ”という部分ではイマイチ。
ただ、後々グレードアップすればいいだけなので問題無し。
『785 Huez』にMAVICホイールなど履かせた日には、
「”RS”との違いは分からなくなるのでは?」という気さえします。
先ほどの性能チャート通り、『785Huez RS』と比べて
「剛性が低くて柔らかい」とは感じませんでしたし(おそらく誤差程度の違い)、
330gという重量差にこだわらないなら『785 Huez』で十分ではないかと。
『785 Huez』に”セカンドグレード”という雰囲気は微塵もありません。
グスト『RCRチームレジェンド』29.8万
以前、ホイール以外同じ『RCR Team TL』に試乗しております。
前回のインプレ↓
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この仕様と性能の完成車が、税込30万切りは価格破壊。
(フレーム素材「T-1000」、45mmカーボンチューブラー、重量7.3kg(ペダル無し))
『RCR TL』を『ターマック』と比較した場合、
さすがに”洗練されたバランスの良さ”には劣るものの、
各性能に個別に点数を付けていくと
『ターマック』に匹敵するぐらいになります。
特に「加速性」は印象的で、『ターマック』以上とさえ感じるほど。
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今回試乗した『RCR Team Legend』は、
『Shamal Ultra』がアッセンブルされた仕様です。
【加速性】9.25点
【剛性】8.75点
【振動吸収性】8.25点
【巡航性】8.25点
【お気に入り度】8.5点
(※8点で「なかなか良い」)
一言で表すならば”生粋の戦闘バイク”
やはり各項目の点数は高くなりましたが、
『Samal Ultra』の分だけ「硬さ」の感覚が先行。
『RCR Team』フレームが、そもそも硬め。
そこに『Shaml Ultra』を付けてしまうと、
”しなり”をほとんど感じませんし、しなってからの”戻り”も速いため、
「反発力を利用する」という概念はありえません。
「柔らかすぎる」では話になりませんけど、
程良く反発力を感じるぐらいの”しなり”は必要。
そのため、トータルバランスで考えるならば、
45mmチューブラーの『RCR Team TL』に軍配が挙がります。
まとめると、
『Shamal Ultra』仕様の『RCR Team TL』
- 「硬さ」=「ダイレクトな加速感」が強い
- 「ヒルクライム」「加減速の激しいクリテリウム」など、一定のシチュエーションでは〇
『45mmチューブラー』仕様の『RCR Team Legend』
- ホイールの「横剛性」が抑えられている
- 硬めのフレームとの相性が良い
- ”脚当たり”が良くて、ペダリングしやすい
- 反発力のタイミングを上手く取れば、ダンシング時に”伸びのある加速”が可能
- ついでに、高速巡航も得意
2019年モデルのGUSTOフレームからは、
このダサめな「Control Techロゴ」は抹消されているらしい(笑)
続いては、2019年ニューモデルであり、
GUSTOの二本柱の一方を任された『RCR Team Duro』。
グスト『RCRチームデューロスポーツウルトラ』22.8万
【加速性】8.75点
【剛性】8.25点
【振動吸収性】8.75点
【巡航性】8.5点
【お気に入り度】8.75点
(※8点で「なかなか良い」)
乗り味は『RCR Team Legend』とよく似ています。
ただ、身体へと伝わってくる「ガタガタ感」は圧倒的に少ない。
ゆえに、長距離乗っても疲労溜まりにくいだろうことは明白。
弓なりの「トップチューブ~シートステイ」
折れ曲がった「チェーンステイ」
これらの造形が、狙い通り効いているのだと感じ取れます。
だからと言って、”コンフォート”寄り過ぎかと言えばそうでもなく、
「ダウンチューブ~BB周辺」が担っていると思われる
ペダリングに対する強い推進力はしっかり残されていて、十分に速い!
”レーシングコンフォート”
まさにこの言葉がぴったり。
ハンドル、ステムはControlTechながら、
その作りに”安っぽさ”は皆無。
台湾メーカーXTRM(エクストリーム)製バーテープも、
「クッション性」「グリップ力」共に良し。
それに『45mmチューブラー』が装着されて税込24万台ですからね。
コンポは105ながら『RCR Team Legend』より7万以上安いですし、
試乗した限りでは、むしろ『RCR Team Legend』よりも好み。
レーシーな乗り方をする少数派を除いて
『RCR Team Duro』の方が向いているでしょう。
『RCR Team Duro』は、
その左右対称のカラーリングが表現しているかのように
「高い運動性能」と「誰でも受け入れる懐の深さ」の二面性を併せ持ち、
さらに、流れるような曲線美に
そこはかとない”色っぽさ”を感じられる才貌両全の完成車。
非の打ち所がなく、オススメです。
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ナイナー『RLT 9 Steel』推定65万
【加速性】7点
【剛性】7点
【振動吸収性】9.5点
【巡航性】9点
【お気に入り度】9点
(※8点で「なかなか良い」)
取り扱いのあるメーカーのパーツで固められた
ミズタニ自転車渾身のカスタムバイク。
あまりにも仕様が変態的wだったので、
「誰かの私物ですか?」と伺ってしまったほど。
『RLT 9 Steel』本体は、「レイノルズ853」という
高価なクロモリチューブを使用したフレームです。
走り出してまず感じられたのが、
クロモリ特有のドッシリした「安定感」。
次に、ペダリングする毎に「パワー/推進エネルギー」が蓄えられ、
減速感も小さい独特の走行感(アルミディープリムに似ているかも)。
とても気持ちが良い。
そして、気分をアゲてくれる機材は他にも。
Lauf (ローフ)「Grit」
「グラスファイバー製の板バネ」が組み込まれた特殊フォーク。
MTBのサスペンションほどでは無いにせよ、
これがしなるわ、しなる。
ダンシングすれば、もうしなりまくりです。
クロモリ素材のフレーム、
そして、微振動を吸収する28cタイヤとの相乗効果により
「乗り心地」の高みへと到達。
まるで雲の上を走っているかのような優雅さ。
まだこんなもんじゃ終わりませんよ(^^)
OYNX(「オーワイエヌエックス」通称「オニキス」)。
「Chris Kingを越えている」と一部で話題となっているハブです。
ラチェット代わりの無数の爪「スプラグ」が立ったり寝たりして駆動。
「踏み出すと同時に爪が掛かる」とは知っていたのですが、まさにその通り。
(厳密には「スプラグ」が立つまでの0.1秒にも満たないロス)
これが思いのほか面白い!
それから、このハブのもう一つの特徴が「空転時の無音」。
構造上、Chris Kingハブとは違って
”ジィーーー”というようなラチェット音が響きません。
つまり、ハイブリットカーのように後ろを走ってもバレづらい(笑)
”ロード” ”MTB” ”シクロ”
それぞれの要素が混ざり合ったキメラ的存在。
”速さの追求”はそこそこに、
明らかに”楽しさ”にベクトルが向けられていて、
無性に悪路や未舗装路を走りたくなるバイクでした。
試乗会となると、ハイエンドカーボンモデルにばかり目を奪われがちですが、
たまには、他の車体とは一線を画しているようなバイクに乗ってみると、
「新鮮な刺激」「意外な発見」を得られ、インスピレーションが沸いてくるかもしれません。
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松木さま
待ってました! 785Huezのインプレ、ワクワクしながら拝読させていただきました。
そしてラッキーなことに、本日、なるしまフレンドさんで、RSの試乗をさせていただきました! 偶然なのか、松木さんのインプレと同じホイールでした。
僕の貧脚および短い自転車歴では、偉そうに言えた義理もないのですが、登り坂でのパフォーマンスは、その片鱗くらいは感じられたと思います。
いずれにしても、38万円という価格で、ここまでの性能が手に入るのであれば、財布の紐もかなり緩みそうです^_^。
ゆうぽんさん、こんにちわ(^^)
おっ、『785 Huez』試乗されたんですね!
私自身では、坂で性能チェックできたことは無いんですが、
登りもいけそうですか~。”Huez”と付けるぐらいですからね!
38万という価格もLOOKにしてはお手頃だと思いますし、
LOOKにしか無い魅力はありますから、良い選択肢だとは思います。
(あと個人的には新しい『795 Blade』が気になってます(笑))
松木さま
795も、リアビューを見るとそそられるものがありますね。
制動力や剛性に悪影響を与えずに、シートポストへの衝撃を減衰させられるか。 その答えがあの形なんでしょうね。
店舗の周辺を回っただけですので、登坂性能とか、そんな偉そうなものではありませんよ(笑)。 ただ、その程度の傾斜なら、何ら苦も無く、シーティングのままでもグイグイ登っていけたのは事実です。
エアロ系、エンデュランス系、登坂系。 お金が許すなら、それぞれ特徴的なモデルに乗ってみたいと思う今日この頃です。