松木です。
チューブレスタイヤを使っている人には
それなりに馴染みのあるハッチンソン。
逆に、クリンチャーやチューブラーしか使わない人にとっては、
片隅に追いやられている感のあるタイヤメーカーです。
「FUSION5」
2年の研究開発を経て発表した意欲作でしたが、
今回、1年強という比較的短いスパンでモデルチェンジされます。
名前は変わらずですが、
新しく採用されるコンパウンド「11(イレブン)ストーム」が相当すごいものらしく、
有名メーカーのハイエンドモデルを喰う可能性もあります。
まだ、一部プレスへのプレゼンと展示会でしかお披露目されていないようですが、
少し先取りして新型「フュージョン5」を見ていくことにしましょう。
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新型「FUSION5」の基本スペック
HUTCHINSON 『FUSION5』 GALACTIK(レース用軽量モデル)
仕様:クリンチャー/チューブレス
重量:クリンチャー23c・180g、25c・190g/クリンチャー23c・260g、25c・240g
コンパウンド:11ストーム
税込価格:クリンチャー¥10,368/チューブレス23c:¥¥12,744、25c:¥11,664
今回の変更されたのはコンパウンド、
つまり、タイヤのゴム素材です。
ビューフォート風力階級という、風の強さを表すスケールで
12段階中上から2番目の強さを示しているのが「11ストーム」。
風速28.5〜32.6m/sの暴風です。
それだけ「最強のコンパウンド」だと主張したいのでしょう。
「11ストーム」コンパウンドとは
これまで使われてきた「HDF>5.1」コンパウンドも
さらにその前作に比べると、
- パフォーマンス+18%
- グリップ力+10%
- 耐摩耗性+22%
その「HDF>5.1」に比べて、「11ストーム」コンパウンドはさらに、
- 転がり抵抗-14%
- 濡れた路面でのグリップ力+11%、乾いた路面でのグリップ力+3%
- 耐摩耗性+19%
様々なタイヤの路面抵抗を測定してデータを集めている
「BICYCLE ROLLING RESISTANCE」が公表している
トップ16のタイヤの実験結果です。
この中に、現行の 「FUSION5」ギャラクティックのチューブレス仕様が
「Turbo Cotton」や「Power Competition」を抑えて4位にランクインされています。
この結果から察するに
「イレブンストーム」を採用した新型「FUSION5」で同じ実験をした場合、
相当優秀な成績が出るんではないかと想像できます。
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※追記 実走テスト
プロとしても活動されていた
競技歴21年の菅さんによるインプレッション。
乗り心地が高いタイヤではないものの、
それ以外の性能は、相当良いようです。
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今回25cを6.8barで実走テスト。
軽快感を求められるアップダウンと10%のヒルクライム、
下りの高速のコーナリングが体感できるコースだ。
緩い上り坂を軽く踏み込んでいくと
カリカリと路面を噛む音を感じ、
やや硬質のタイヤの感触を得た。
しかしながら、HDF>5Rコンパウンドが
バイクを振ったときのキワにエッジを立ててくれて、
ダンシング時のコシのある取り回しが良い感じにテンポを作り出す。
車輪の外周部であるタイヤの軽さは、
高回転で回したとき、細かくヌケの良いペダリングリズムへとつながっていく。
ガレた路面での振動は拾ってしまうが、
ハイグリップなコンパウンドはコーナリングでの信頼感が絶大だ。
軽さを活かしたヒルクライムはもちろん、
テクニカルで立ち上がりにパンチの効いたロードレースでは
この性能は重宝する。
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その名の通り、世間に嵐を巻き起こせるタイヤなのか?
フィンランドの有名な外部検査ラボで、
新型「フュージョン5」と、他社の高性能モデル3点の性能実験を行いました。
測定項目は「転がり抵抗」「グリップ力」「耐パンク性能」「耐久性」などの計8つ。
その結果、
新型「フュージョン5」が最も優れていると示されたそうです。
他者の高性能モデル3点が、
どのタイヤなのかは気になるところですが、
そのあたりの詳しいことも後々発表されるかもしれません。
2016年に有名メーカーが一斉に新しいタイヤを発表し、
ここ最近、特に目新しいものが出てきていなかっただけに、
この新型「FUSION5」を期待しながら待てみたいと思います。
チューブラーモデルは日本価格の60%off。人気でよく欠品してしまいます。
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