松木です。
ボントレガーより新しいアイオロスホイールが発表されました。
『Pro 3 TLR』 『Comp 5』
その特徴を見ていきます。
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目次
Aeolus『Pro 3 TLR』
特徴
【税込価格】フロント¥90,720、リア¥108,000(前後¥198,720)
【仕様】チューブレス対応クリンチャー(TLR)
【重量】フロント656g、リア850g(前後1,506g)
【リムハイト】35mm(外幅27mm、内幅19.5mm)
【リム素材】OCLV Pro Carbon製
【ハブ】RLハブ(3爪ハブ、24ラチェット)
【発売時期】7月下旬
「アイオロスPro 3」は、「アイオロス3TLR D3」の廉価モデルという位置づけです。
リム
カラーは、黒に近いグレーで、
艶とマットの中間ぐらい質感ですね。
「アイオロス3TLR D3」と同じD3デザイン。
D3は、Dual-Directional-Designの略で、
「正面だけでなく、斜めからの風にも強いリム形状」という意味です。
リムハイト35mm、リム外幅27mm、リム内幅19.5mmというのも同じ。
ただ、リム素材が違います。
「アイオロス3TLR D3」がOCLVカーボンなのに対して、
「アイオロスPro 3」はOCLV Proカーボン。
OCLVの下位グレードに当たるカーボンを使うことで
コストを抑えています。
ブレーキ面にカーボン模様が浮き出ているのも異なりますね。
※補足:OCLVカーボンについて
OCLVはOptimum-Compaction-Low-Voidの略で、
日本語に訳すと「超高密度圧縮低空隙」。
軍事用にも使われるOCLVカーボンは、
特許を取った製法で作ることで、
航空宇宙産業のカーボンをも凌ぐ空隙率1%未満を実現。
ハブ
ハブは、ボントレガーの「RLハブ」。
ボントレガーのミドルグレードホイールによく使われるハブです。
「アイオロス3TLR D3」のDT Swissハブは
数多くのあるギザギザが噛み合う「スターラチェット構造」。
対する「RLハブ」は、一般的な3爪タイプですから、
DTハブよりも”駆動剛性”の面でやや劣ります。
「Aeolus 3 TLR D3」との比較
Aeolus Pro 3 TLR | Aeolus 3 TLR D3 | |
税込価格 | ¥198,720 | ¥368,000 |
価格差 | -¥169,280 | 0 |
重量 | 1,506g | 1,348g |
重量差 | +158g | 0 |
リム素材 | OCLV Pro | OCLV |
ハブ | RLハブ | DT swiss 240s |
リアの組み方 | 左右タンジェント | ドライブ側:タンジェント 反ドライブ側:ラジアル |
両者の重量差は、ハブによるところが大きいです。
リム形状は変わりませんし、RLハブも悪くないハブですから、
「Pro 3」は、価格差以上に「アイオロス 3 TLR D3」に近い性能があると思います。
Aeolus『Comp 5』
特徴
【税込価格】フロント¥ 48,600、リア¥ 70,200(前後¥118,800)
【仕様】チューブレス対応クリンチャー(TLR)
【重量】フロント775g、リア1085g(前後1,860g)
【リムハイト】50mm(外幅23mm、内幅17.5mm)
【リム素材】アルカーボン(アルミリム+カーボンフード)
【ハブ】BONTRAGERのエントリーグレードハブ
【発売時期】発売中
「Comp 5」は「AURA 5 TLR」の後継モデルですが、
リムはそのままに、ハブとスポークのグレードを下げて価格を抑えています。
リム
「AURA 5」と同じリムで、アルミリム+カーボンフードという構成。
リム外幅は23mmとなっていて、
今のワイドリムの流れを考えると、やや狭い気がします。
内蔵ニップル構造を採用するリムの重さは540gと、なかなかにヘビーです。
ハブ
ハブは、ボントレガー「RACE」ホイールなんかにも
使われているエントリーグレードハブ。
至って普通のハブといった印象。
前作「AURA 5」には「RLハブ」が使用されていました。
「AURA 5」との比較
Comp 5 | AURA 5 | |
税込価格 | ¥118,800 | ¥175,000 |
価格差 | -¥56,200 | 0 |
重量 | 1,860g | 1,720g |
重量差 | +140g | 0 |
リム | 変わらず | アルカーボン |
ハブ | エントリーハブ | RLハブ |
リアの組み方 | 左右タンジェント | 左右タンジェント |
「Pro 3」の場合と同様、価格差の割に性能差が近いです。
「なるべく安いアルミディープリム」という条件なら、
このアイオロス「Comp 5」という選択はアリでしょう。
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インプレありがとうございます。
Aeolus Pro 3について質問があります。
個人的には反フリー側のスポーク組は、ラジアルよりタンジェント組のほうが横剛性観点では有利かと思っていたのですが、
・上位モデル:ラジアル
・廉価モデル:タンジェント
になっているのはどういった設計思想からくるものか想定はありますでしょうか。
(たとえば、上位モデルはより縦剛性を優先したとか。)
重量以上にPro 3 TLRとTLR D3には漕ぎ感に差が出るような気がして悩んでます。
ブログご覧いただき有難うございます(^^)
リアは駆動剛性、横剛性が「カッチリ感」「良い掛かり」につながりますから、おっしゃられているその通り「タンジェント組」の方が有利だと思います。なのに、上位モデルで半フリー側をラジアル組が採用されていたりするのは「軽量化」「空気抵抗」を向上させたい思惑があるからでしょうね。やや抽象的な「剛性」とは違って「軽さ」「空気抵抗」というのは、私たち消費者に対して分かりやすい数値としてアピールすることが出来ます。そして、私たちはその数値を他のホイールと比べたりして購入するか否かを決める場合が多いですから、ピンと来にくい「剛性UP」よりも重視されやすいのだと思われます。
単純に走行性能だけを考えると反フリー側のタンジェント組には首をかしげたくなりますが、上記のように別の観点から考えると納得できるのではないでしょうか?