松木です。
タイヤはこだわり抜くべきパーツの一つです。
- ロードバイクの中で、費用対効果が抜群に高いのがタイヤ。
- 練習用とレース用では20W、つまりディープリム以上の効果がある。
- グリップ力のあるタイヤを履けば、コーナーの進入速度が上げられる。
- グリップ力がないと落車して、大怪我・骨折・機材破壊に直結する。
- パンクしたら即レース終了。金銭的にも痛い。
タイヤは、ロードバイクと地面をつなぐ唯一の場所であり、
そこをおろそかにすることで、気づかない間に上のような弊害が生まれてます。
ただ、なぜかホイールほど興味を持って選んでいる人は少ないように感じます。
逆に言えば、他人より一歩先に出し抜きやすいパーツで、
だからこそ自分は、タイヤのことを話すことが多いですね。
色んな種類のタイヤがありますけど、
最近発売したContinentalの『ATTACK & FORCE Ⅲ』は、
注目しているタイヤの一つで、
理論上、最速に近いものだと思っています。
どういった特徴のタイヤなのか考えると同時に、
「2017年度からコンチネンタルのタイヤが全体的に変わった」ようなので、
そのことについても触れてみたいと思います。
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目次
Continental『ATTACK & FORCE Ⅲ』の特徴
シクロワイアードの商品紹介記事↓
「Ⅱ」からの3つの変更点
- 前22mm→23mm、後24mm→25mmと太さが最適化された。
- トレッドパターンが変わった。
- トレッド面の厚みが見直された。
前後とも1mm太くすることで、
「転がり抵抗を小さく、乗り心地良くする」
ということを狙っています。
実測重量
トレッド面の厚みを変更することで、
重量は前190g、後210gで据え置きということですが、
実際はどうでしょうか?
下のサイトで、「Ⅲ」になる直前の「Ⅱ」の実測を測定していますが、
前177g、後190gです。
そして、「Ⅲ」をインプレしている次のサイトでは、
前175g、後224gということのようです。
つまり、「公表重量はアテにならない」ということと、
「タイヤの重さは変わっていないとは言えない」ということが分かります。
トレッドパターンの変更
左が「Ⅱ」、右が「Ⅲ」です。
タイヤの模様(トレッドパターン)は、随分変わっていますね。
前後でトレッドパターンが異なるのは、
前は水・泥はけの良い模様、後ろがグリップ力の高い模様
ということになっているからです。
転がり抵抗
上の記事でも話しましたが、
『ATTACK & FORCE Ⅱ』は全メーカー中、
5本の指に入るほど転がり抵抗の低いクリンチャータイヤでした。
理論上、タイヤが太いと転がり抵抗は減りますから、
『ATTACK & FORCE Ⅲ』は、さらに路面抵抗が小さくなっているはずです。
空気抵抗
『コンチネンタル4000S Ⅲ?「空気抵抗」を考慮した”エアロタイヤ”を試験運用中。』
上の記事で「フロントタイヤの空気抵抗は重要だ」という話をしました。
この際参考にしたFLOのサイト内のツールで、
20種類モデルのタイヤの空気抵抗結果を比較できるのですが、
空力の観点から見ると、フロントタイヤの太さの理想は22~23mmなんですね。
さらに言えば、ツルツルのスリックタイヤではなく、
トレッドパターンのあるもののほうが、斜めからの風に強くなります。
2017年からコンチネンタルタイヤのコンパウンドが変わった?
メーカーのほうで「はっきりと変更した」と言っているわけではないのですが、
いくつか根拠となる話があります。
まず、有名なホビーレーサー高岡さんのブログから↓
「新型のSupersonicは性能的にとんがったところが薄れてしまって残念。」
と書いています。
それから、自分自身でSupersonic 23cを使っていたことがあり、
実測重量は約165gでしたが、最近のものは180g近くあるようで、
これは個体差では済まない違いです。
次に、「ロードバイク本音のホイール論」の中の話。
この本で、吉本さんが
「4000sⅡのコロコロ感が減ってグリップ重視になった。こういったことはよくある。」
というようなことを話していました。
先ほど参考にさせてもらった『ATTACK & FORCE Ⅲ』のインプレ記事でも
「柔らかめ」といった話があったように、
コンチネンタルのタイヤ全体で、
「コンパウンドがグリップ力重視の柔らかめのものにマイナーチェンジした」
可能性が高そうです。
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Continental『ATTACK & FORCE Ⅲ』のまとめ
前後タイヤの役割の違いを見極め、
前後で太さやコンパウンド(ゴム素材)を変えて
走りを最適化しようとする試みは、理に適っています。
フロント用の「ATTACK」を23cとすることで
空気抵抗を減らして「速さ」「横風からの安定感」を獲得させると同時に、
軽さと細さによる「キレのある操作性」を持ち合わせます。
対して、
リアタイヤの空気抵抗の影響はフロントの1/3程度。
ハンドリングも関係ありません。
さらに、フロントよりも荷重が大きくて乗り心地に直結する上、
スリップするのがほとんど後輪側であることも考えると、
リアタイヤは「耐久性」「グリップ力」「快適性」を重視する
25cという太さは正解で、その上「路面抵抗」が小さくなる効果もあります。
実際、最近のプロ選手の中でも
前23c、後ろ25cという組み合わせを選ぶ選手も少なくないそうです。
『ATTACK & FORCE Ⅲ』は、
1本当たり5,000円台とべらぼうに高くはないですし、
最適解に限りなく近いタイヤだと思っています。
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