松木です。

 

クリテリウム・デュ・ドーフィネ2017第4ステージ トニー・マルティン

先日行われた「クリテリウム・デュ・ドーフィネ」のTTで、
世界チャンピオンのトニー・マルティンのホイールに、
Continental製のプロトタイプクリンチャータイヤが使用されていました。

 

そのプロトタイプタイヤの太さ、トレッドパターン(模様)を見てみると、
「タイヤの空気抵抗」という新しい概念を取り入れていることが読み取れ、
興味深いので取り上げてみることにします。

 

今回の話は、以前に記事にした
『タイヤの空気抵抗は馬鹿にできないという新常識』
の内容と密接に関係しているので、ぜひ読んでみて下さい。

 

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プロトタイプの特徴

クリテリウム・デュ・ドーフィネ コンチネンタル プロトタイプタイヤ 4000sⅢ
クリテリウム・デュ・ドーフィネ コンチネンタル プロトタイプタイヤ 4000sⅢ

まずは、前輪に取り付けられたタイヤ。

 

現行モデル「4000SⅡ」と見た目はまったく同じですが、
タイヤサイドに「111」とプリントされており、プロトタイプだと判断できます。

 

そして、このタイヤの太さは、
路面抵抗の小さい25mmではなく23mm

 

 

なぜこのトレッドパターン(模様)、太さのタイヤが選ばれているのかと言うと、

 

”前輪に「GP4000S II 23mm」をはめると、
フロントホイールのエアロ効果が最大化され、
特に、斜めからの風に対して強いセーリング効果が生まれる”

 

ということが風洞実験に証明されているからです。

 

「4000SⅡ」の模様が、偶然にも空力学的に優秀であることは
『タイヤの空気抵抗は馬鹿にできないという新常識』でも話しました。

 

 

ただ、「4000SⅡ」にも弱点がありまして、

 

それは、他の最新のクリンチャータイヤ、例えば、
スペシャライズド「Turbo Cotton」、ミシュラン「Power Competition」に比べると
「路面抵抗」という点でやや劣ってしまっているという点です。

 

 

なので、プロトタイプタイヤは
現行の「4000SⅡ」のコンパウンド(ゴム素材)を変更し、
「路面抵抗」を改善しているものだと考えるのが論理的です。

 

 

幸いなことに、コンチネンタルは
「Turbo Cotton」「Power Competition」以上に路面抵抗が低い
「Grand Prix TT」「Supersonic」をつくることができています。

 

つまり、基本的には、トレッドパターンを残したまま
コンパウンドだけを「Grand Prix TT」や「Supersonic」と同じにすればいいだけなので、
技術的なハードルはそれほど高くはないでしょう。

 

 

クリテリウム・デュ・ドーフィネ コンチネンタル プロトタイプタイヤ

続いて、後輪に取り付けられていたタイヤ。

こちらもモデル名の代わりに「33」というプリントが見受けられます。

 

後輪部分は空気抵抗の影響が少ないため、
タイヤの空気抵抗は考える必要がありません。

 

ですから、後ろタイヤの命題は至極単純で、
「いかに路面抵抗を小さくするか」ということだけです。

 

それゆえ、フロントタイヤの太さは23mmでしたが、
リアタイヤは路面抵抗の小さい25mmです。

 

 

そして、トレッドパターンは
「Grand Prix TT」や「Supersonic」と同様にスリック(模様無し)です。

 

【プロバイク機材レポート】2017年ツアー・オブ・ジャパン バーレン・メリダ タイヤ

コンチネンタル「コンペティション」のプロ限定モデルが
敢えて中央部だけ模様を消していることからも、
路面と接する部分がスリックであるほうが、路面抵抗は低くなるようです。

 

 

プロトタイプ「33」タイヤは、
見た感じ「Grand Prix TT」そのもので、
コンパウンドもおそらく近いものが使用されていそうですが、

やはり何かしらの改良が加えられているのでしょうね。

 

 

 

以上、プロトタイプタイヤに見られた特徴でした。

 

現在、科学的に証明されている最速の前後タイヤの組み合わせは、
前「GP4000S II 23mm」、後ろ「路面抵抗の低い25mm」。

 

トニー・マルティンのTTバイクが、まさにその通りになってることから、

コンチネンタルのスタッフも同じ考え方をもってして
新製品開発に取り組んでいるのだと分かりました。

 

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タイヤの未来

コンチネンタル 4000sⅢ

少し前、各メーカーがフレーム重量にしのぎを削り合っていました。

そして、もう軽くできないという極限に近づいたとき、
次に登場したのは「エアロロードバイク」でした。

 

同じように、タイヤの路面抵抗が限界に近づいている現在、
次に着目されるのは「空気抵抗」の可能性が高いです。

 

 

現在、空気抵抗を考慮してタイヤの模様を決めているのは
「コンチネンタル」と「ZIPP」だけですが、
これから先”エアロタイヤ”という新しい概念を取り入れたタイヤ開発に
各メーカーが乗り出し始めるのではないかと思います。

 

 

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