松木です。
「Y’s Roadスポーツバイクデモ&サイクルモード2018」試乗インプレ後編です。
今回のラインナップ↓
- RIDLEY『Noah Fast』
- RIDLEY『Fenix SL Disc』
- BMC『Timemachine Road 01』
- BMC『Teammachine SLR 01』
【前編と中編】
【過去試乗したハイエンドバイクのインプレッション】
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目次
試乗インプレッション後編
リドレー『ノアファスト』推定93万
【剛性】8.5点
【加速性】9.25点
【振動吸収性】8点
【巡航性】9.75点
【お気に入り度】9.25点
(※8点で「なかなか良い」)
軽量オールラウンドと紛(まご)うばかりのエアロロード。
オールラウンドバイクは「巡航性」が犠牲に。
エアロロードは「加速性」が犠牲に。
”二兎を追う者は一兎をも得ず”というのが自明の理。
ただ、この『Noah Fast』だけは違います。
軽量フレーム並みに走りが軽い!
全メーカー中トップクラスに伸びる!
故に、脚を回すだけで押し出されるように進む!
およそ二律背反と言える性能を見事両立しており、
自分が知る限り「加速性」×「巡航性」のトータルバランスNo1のバイク。
まだ乗ったことはありませんが、噂で聞く限り、
この「加速性」×「巡航性」に唯一太刀打ちできそうなのは、
スペシャ新型『S-Works Venge』ぐらいではなかろうかと。
エアロロードの弱点でもある「横剛性」。
全くもって問題無し。
それにしても、BBは昨今では珍しいスレッド式なのか。
『Noah Fast』に合わせて作られた一体型ハンドルも
”たわみ”はほとんど感じられず、かなりシッカリしています。
車体全体から感じられる「剛性感」は、
ガチガチってことはありませんでしたけど、
1900wオーバーの怪物グライペルが開発に携わっているだけあって、
プロ選手に応えるだけの必要十分以上には備わっていると感じました。
”走り”も”見た目”も最高にイカす伊達バイクでしたね(^^♪
純粋に欲しい!の一言。
リドレー『フェニックスSLディスク』33.4万
【剛性】7.75点
【加速性】7.5点
【振動吸収性】9.5点
【巡航性】8点
【お気に入り度】8点
(※8点で「なかなか良い」)
走行性能に特段優れた部分は感じられず。
点数通りといった所です。
まあ全然悪いってことはなかったんですが、
さすがに『Noah Fast』の直後に乗ってしまうと、
ど~しても引けを取っているように感じちゃいますね(^^;
比較対象が酷すぎます(笑)
ですが、感激した部分もありました。
チェーンステイの振動吸収性。
このバイクは間違いなくココがミソ。
あえてMTB用に設置されたガタガタ道を突破しましたけど(笑)、
他のバイクよりも突き上げ感が少なかったです。
フレームに30tより大きいカーボン繊維を使わずに
「剛性」を抑え(数字が高いほど硬くて軽い)、
さらに、極細のチェーンステイが、”しなり”を生んでいるように感じました。
さしづめ”天然のサスペンション”と言った所でしょう。
赤丸箇所、チェーンステイとシートチューブの交点が下げられているのも、
しなりやすくするための工夫だと思われます。
ホイールはFULCRUM『Racing 700』。
完成車専用品ですが『Racing 7 DB』とほぼ同スペック。
1800gほどあり、さすがに走りが重ったるい。
このホイールをグレードアップすれば、印象も随分良くなろう!
グライペルのアイコンであるゴリラペイント。
2019年、彼はRIDLEYの供給を受けるロット・ソウダルを離れます。
その事を偲んで数量限定で販売されているスペシャルペイントです。
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BMC『タイムマシンロード01』100万
【剛性】8.25点
【加速性】7.75点
【振動吸収性】9点
【巡航性】9.75点
【お気に入り度】9点
(※8点で「なかなか良い」)
とりあえず持ち上げてみたんですがそこそこ重い。
調べてみると、ペダルレスの実測で8kg以上あるのだそう。
なので、ペダルの付いたこの車体は8.3~8.4kgだったはず。
試乗コースに坂はありませんでしたが、
とりあえず「峠はあまり速くはなさそうだ」というのが第一印象。
ただ、漕ぎ出しがめちゃくちゃ重いって訳ではありません。
「重い」ではなく「マイルドな加速」といった程度でした。
重量があり、また重心が低くて安定感があります。
そして、62.5mmハイトのカーボンクリンチャー
DT Swiss『 ARC 1400 DICUT db 62』とエアロフレームが織り成す「高速巡航」。
まるでTTバイク。
『Madone SLR』や『SystemSix』よりもTT感が強く、
「時間を駆け抜けていくように進む」という想いを込めて付けられた
『Timemachine』という名に相応しい走行感。
「30km以上では~」とかではなく、他のバイクとは根本から異なる乗り味。
あと印象的だったのが上品な乗り心地であったこと。
ゴッツイ見た目とは裏腹に、走り自体にゴツゴツ感は皆無。
ハンドル、フレーム全体が適度にしなる設計らしく、
また、装着されていたVittoria『Corsa』25cのしなやかさも相まって
より高次元の「快適性」へと昇華されていました。
「快適にツーリングできるGTカー、速さのみを追求したレースカー、
その両方の”良いとこ取り”をしたようなスーパーバイクを目指した」
プロジェクトマネジャーであるオッテン氏のこの言葉の意味が、
実際に乗ってみると、よ~~く分かりましたね(^^)
重量のあるエアロロードは、
坂がキーポイントとなるレースでは厳しいです。
その点、『Timemachine Road 01』の8kg以上というのは、
一線を越えてしまっている重さで許容しがたいかと思います。
ですが、
- TTバイク然とした「安定感」と「伸び」
- 高級感ある「快適な乗り心地」
これらは感性に訴えかけてくる良さがありますし、
ストーレッジ付きエアロモジュールの近未来感にもそそられる所があります。
「手元に置いておきたい」
そう思わせるに足る魅力多きバイクでした。
BMC『チームマシンSLR01』推定112万
【剛性】8.75点
【加速性】9.75点
【振動吸収性】9.5点
【巡航性】9点
【お気に入り度】9.75点
(※8点で「なかなか良い」)
Mrパーフェクトロードレーサー。
爆発力ある走り出し・加速性。
スプリントしても超リニアに反応。
軽量かつ剛性感十分なので坂も爆速なはず。
MAVICホイールが極上の「振動吸収性」を演出。
エアロ形状ではないものの「巡航性」は申し分なし。
そして、挙動やハンドリングも極めてニュートラル。
ホイールMAVIC『Cosmic Pro Carbon SL C』+
タイヤVREDESTEIN『Fortezza Senso Superiore』
これでも十分っちゃ十分なんですけど、
これをチューブラーにしたら全知全能化するだろうな……
なんて想像するだけでもゾクゾクしますね(`pq´○
つまらんほどに非の打ち所が無さ過ぎ。
いや~、LOOK『785 Huez RS』に通ずる完成度を感じましたよ~
むしろ運動性能の高さなら『785 Huez RS』を越えてすらいそう。
これは反則レベルに速いバイクだわ!
という訳で、今回試乗した全10台の最終順位は、
- BMC『Teammachine SLR 01』9.75点
- Guerciotti『E740』9.5点
- RIDLEY『Noah Fast』9.25点
- BMC『Timemachine Road 01』9点
- Chapter2『TERE』9点
- Chapter2『HURU』8.75点
- Focus『Izalco Max Disc 9』8.5点
- Chapter2『RERE』8.25点
- RIDLEY『Fenix SL Disc』8点
- Focus『Izalco Max Disc 8.8』7.25点
軽量オールラウンドが1,2位の座を奪取し、
エアロロードが後塵を拝する珍しい結果と相成りました。
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Ridley Noah Fast を絶賛されているように見えますがお気に入り9.25でした。
結局vengeと比べてどちらの方が良かったでしょうか。
良ければ踏み味の違いの感想など教えて下さい。
「エアロロードなのに全性能が高い」という点では共通していますが、Noah Fastと比較してもVengeの方が高速巡行性が高いです。アシストされているかの如き圧倒的滑走感は唯一無二だと感じました(ただ、Noah Fastの方が”機敏さ”という点では若干優れていました)