松木です。
ツール・ド・フランス第11、12ステージの超級山岳で
2連勝を飾ったチームスカイのゲラント・トーマス。
「チームスカイのエースはクリス・フルームだ」とは言っているものの、
総合2位のフルームとは、既に1分39秒差が付いており、
さらに山岳での圧倒的強さを鑑みるに、
トーマス以外の選手が、マイヨジョーヌに袖を通す機会はもう訪れそうにありません。
年齢32歳、身長183cm、体重70kg。
フレームサイズも56と大きいにも関わらず、
UCIの規定重量6.8kgジャストに収まっているというマシン。
果たして、どんなパーツアッセンブルなのでしょうか?
スポンサーリンク
目次
ゲラント・トーマスの機材
フレーム:Pinarello「Dogma F10 X-Light」56サイズ(サドル高785mm)
コンポーネント:Dura-Ace R9150(クランク:53/39T、175mm、スプロケ:11-30T)
ペダル:Dura-Ace PD-R9100
ホイール:Shimano「WH-R9100-C40-TU」
タイヤ:Continental「Competition Pro LTD」25c
ハンドルステム:Most「TALON Aero Compact 1K」(C-C幅400mm、ステム長130mm)
サドル:fi’zi:k「Arione カーボンレール(スネークタイプ)」
パワーメーター:Stages 両側測定タイプ
ボトルケージ:Elite「Leggero」
ヘルメット:Kask「Valegro」
サングラス:Oakley「Racing Jacket」
シューズ:fi’zi:k「R1B Infinito Knit」
フレーム:『Dogma F10 X-light』
手間と時間をかけたカーボン成型プロセスにより
通常の『Dogma F10』に比べて-60gを実現している超軽量Ver。
(53サイズ未塗装で760g、フォーク340g)
極限まで無駄を削ぎ落としているゆえに
体重制限は85kgと、なかなかにシビアです。
(ただし、「剛性」は『Dogma F10』と同レベルを維持している)
サガンは73kgでOK。
グライペルも82kgでまだOK。
キッテルが86kgとアウト(笑)
「なぜ60gの軽量化に20万円かかってしまうのか?」
以前、この疑問に関して詳しく取り上げましたので、よかったら↓
フレームだけでなく、シートポストもまた特別製です。
「T1100カーボンのシートポスト」+
「チタン粉末から3Dプリンタで溶融結合したクランプパーツ」。
税込¥81,400とべらぼうな価格ですが、
通常のシートポストより50gも軽く仕上がっています。
「アンカープラグ」もX-Light用に開発されたものが2種類。
(標準のアンカープラグは30g)
無駄を一切省いたシンプルな構造のため、
フレームにエポキシ樹脂で接着しないといけませんが、
一度接着すると、コラムカット出来なくなるでしょうね(^^;
ホイール:Shimano「WH-R9100-C40-TU」
素朴すぎてホビーライダーには、あまり人気が無いものの、
プロ選手の間では、おそらく使用率No.1のホイール。
それだけ万能で勝利に近いホイールだということです。
以前に試乗した際のインプレッション↓
タイヤ:プロ限定仕様Continental「Competition Pro LTD」25c
Vittoria「Corsa」と並んで、プロ御用達のチューブラータイヤ。
プロ仕様だけに備わっている特徴は、
- グリップ力の高いコンパウンド(ゴム素材)を使用
- 中央のトレッドパターン(タイヤの模様)がスリックで、転がり抵抗重視
- ブチルではなくラテックスチューブが入っている
売り出せば間違いなく人気になると思うんですけどね……
スポンサーリンク
ハンドル:MOST「TALON Aero Compact 1K」
「MOST(モスト)」は、ピナレロのパーツブランド。
TREKで言う所の「BONTRAGER」と似た位置付けです。
「バーテープを末端を押さえ込むシリコンゴム」や、
「バーテープを巻いてもツライチになる段差」など、
細部に使い勝手の向上させる工夫が確認できます。
ちなみに、参考重量は410g(サイズ不明)。
ボントレガー「XXX Integrated Road Handlebar/Stem」が、
228g(C-C400mm/100mm)であることを考えると、
410gというのは全く軽くなく、明らかに”剛性重視”のハンドルです。
サドル:fi’zi:k「Arione カーボンレース(スネークタイプ)」
定番サドルながら、165gと申し分ない軽さ。
ちなみに、サドル中央と先端に書かれている白のラインは、
ポジションを出すための目印だそう。
ボトルケージ:Elite「Leggero」
「Leggero」はイタリア語で「軽い」を意味します。
その名の通り、重量は僅か15g。
「軽量化」に対して一切の余念がありません。
ただ、価格は¥9000近く、ボトルケージにしては破格すぎます(^^;
TNIにも(「Leggero」を模倣した)同形状の
「LW17Ⅰ」というボトルケージがあります。
こちらは12gとさらに軽く、
¥4000強で価格も半分以下。
”ELITE”というブランドにこだわらないなら、
こちらのほうが現実的な選択と言えるでしょうね。
スポンサーリンク